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28話
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「食事中だが大切な報告がある」
と、神妙は顔つきでエインズワイス侯爵が言った。
いつも報告は食事中だったよね? まあ私達子供に言う事なんて大切だと言っても、私達が意見を言えるわけでもないからね。それより何かしらね。
「二人の婚約が決まった。決まったと言っても最終的には、顔合わせを行った時に確定になるが」
なんですとぉ!!
小説よりかなり早いのだけど。色々と前倒しになっているわ。
「コンヤクってな~に?」
イヴェットがきょとんとしている。
まあ私達とは無縁の言葉だったものね。初めて聞く言葉よね。
「結婚の約束をする事だ」
「ケッコン……?」
エインズワイス侯爵が説明するもピンときていなさそう。
まあ、結婚という言葉も物語の中に出てくるぐらいよね。
「ほら、あれよ。本で読んだ、王子様と幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。ってやつよ」
「え! 私、王子様と結婚するの!?」
「いや、相手はわからないけど……」
「そうだ。イヴェットの相手は、エステバン殿下だ」
え! イヴェットがエステバン王子と婚約? もう小説の筋書き通りに事が進んでないわね。でもこれで断罪はなくなったわね。よかったぁ。
たしか、国外追放だったかしら。
「エステバン殿下?」
「だからエステバン王子よ」
「え? 本当に王子様と結婚するの? 私、お姫様になれるの?」
「いや、お姫様ではなくて、王妃かしらね」
「うん?」
「うん。まあ、似たようなものかしらね」
「すご~い」
お姫様になれると、イヴェットが目を輝かせて喜んでいる。
私も普通の5歳児だったら一緒に凄いねと、単純に喜んでいたのかもね。
王子の妻になるのも大変なのよ。こういう世界では、妃教育というのがあるらしいから。そう思うと、一時的とはいえ婚約者にならなくてよかったわ。
「で、アイデラだがミチェスラフ・グランチェック殿下との婚約予定だ」
「え! 私も!? って、私も王子と?」
ちょっと待ってよ。どこの国よそこ。
小説には、他国なんて出て来なかったわよ。あれでも、聞き覚えがある名前だわ……。
「君もこの前茶会で会っている」
「あ!」
嘘でしょう。貴族かと思ったら王子だったなんて。隣国の国名なんて知らないもの。って凄いわね、エインズワイス侯爵。イヴェットが王子なら孫の私も王子って。
よく相手の承諾を得れたものだわ。
私が本当にエインズワイス侯爵の孫娘だとしても、他国の王子にメリットなどないだろうから。しかもいわくつきだし。
こんな短期間でどうやって、口説いたのかしらね。
でもよく考えたら、私、国外へ行く事になるのね……。ある意味、小説通り?
「それで明日、アイデラはミチェスラフ殿下と顔合わせをする。心の準備をしておくように」
「……へ?」
いきなり明日会うの?
「二人ともお姫様だね」
「……うん。そうみたいね」
ニコニコ顔のイヴェット。
私は上手く笑顔を作れているだろうか。あまりにも展開が早くて、不安しかないのだけど。あぁ、純粋な5歳児だったらこんな心配しないですむのになぁ。
「アイデラお嬢様。ご婚約おめでとうございます」
「ありがとう。ソフィア」
食事が終わり部屋に戻ると、ソフィアが満面の笑みで言った。
そう言えばミチェスラフ王子って、手厳しい人だったよね。
って待って。その国ってこの国と言語同じ?
「ソフィア。えっと、婚約する王子様の国って、この国と同じ言葉なの?」
「グランチェック魔術王国ですか? グランチェック国語もございますが、貴族以上は我が国の言葉が話せるはずです。ですが嫁に行くとなると、グランチェック国語も覚えないといけませんね」
やっぱり!
覚える事が増えた~!
「アイデラ様ならすぐに覚えられますよ」
「そ、そうだといいな~」
言葉だけではなく、歴史とか色々覚えないといけないよね?
「そうだ。ミチェスラフ王子って何番目の王子?」
「存じません。明日、わかると思いますよ」
まあ第一王子って事はないわよね。王妃になるのは大変そうだからね。
と、神妙は顔つきでエインズワイス侯爵が言った。
いつも報告は食事中だったよね? まあ私達子供に言う事なんて大切だと言っても、私達が意見を言えるわけでもないからね。それより何かしらね。
「二人の婚約が決まった。決まったと言っても最終的には、顔合わせを行った時に確定になるが」
なんですとぉ!!
小説よりかなり早いのだけど。色々と前倒しになっているわ。
「コンヤクってな~に?」
イヴェットがきょとんとしている。
まあ私達とは無縁の言葉だったものね。初めて聞く言葉よね。
「結婚の約束をする事だ」
「ケッコン……?」
エインズワイス侯爵が説明するもピンときていなさそう。
まあ、結婚という言葉も物語の中に出てくるぐらいよね。
「ほら、あれよ。本で読んだ、王子様と幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。ってやつよ」
「え! 私、王子様と結婚するの!?」
「いや、相手はわからないけど……」
「そうだ。イヴェットの相手は、エステバン殿下だ」
え! イヴェットがエステバン王子と婚約? もう小説の筋書き通りに事が進んでないわね。でもこれで断罪はなくなったわね。よかったぁ。
たしか、国外追放だったかしら。
「エステバン殿下?」
「だからエステバン王子よ」
「え? 本当に王子様と結婚するの? 私、お姫様になれるの?」
「いや、お姫様ではなくて、王妃かしらね」
「うん?」
「うん。まあ、似たようなものかしらね」
「すご~い」
お姫様になれると、イヴェットが目を輝かせて喜んでいる。
私も普通の5歳児だったら一緒に凄いねと、単純に喜んでいたのかもね。
王子の妻になるのも大変なのよ。こういう世界では、妃教育というのがあるらしいから。そう思うと、一時的とはいえ婚約者にならなくてよかったわ。
「で、アイデラだがミチェスラフ・グランチェック殿下との婚約予定だ」
「え! 私も!? って、私も王子と?」
ちょっと待ってよ。どこの国よそこ。
小説には、他国なんて出て来なかったわよ。あれでも、聞き覚えがある名前だわ……。
「君もこの前茶会で会っている」
「あ!」
嘘でしょう。貴族かと思ったら王子だったなんて。隣国の国名なんて知らないもの。って凄いわね、エインズワイス侯爵。イヴェットが王子なら孫の私も王子って。
よく相手の承諾を得れたものだわ。
私が本当にエインズワイス侯爵の孫娘だとしても、他国の王子にメリットなどないだろうから。しかもいわくつきだし。
こんな短期間でどうやって、口説いたのかしらね。
でもよく考えたら、私、国外へ行く事になるのね……。ある意味、小説通り?
「それで明日、アイデラはミチェスラフ殿下と顔合わせをする。心の準備をしておくように」
「……へ?」
いきなり明日会うの?
「二人ともお姫様だね」
「……うん。そうみたいね」
ニコニコ顔のイヴェット。
私は上手く笑顔を作れているだろうか。あまりにも展開が早くて、不安しかないのだけど。あぁ、純粋な5歳児だったらこんな心配しないですむのになぁ。
「アイデラお嬢様。ご婚約おめでとうございます」
「ありがとう。ソフィア」
食事が終わり部屋に戻ると、ソフィアが満面の笑みで言った。
そう言えばミチェスラフ王子って、手厳しい人だったよね。
って待って。その国ってこの国と言語同じ?
「ソフィア。えっと、婚約する王子様の国って、この国と同じ言葉なの?」
「グランチェック魔術王国ですか? グランチェック国語もございますが、貴族以上は我が国の言葉が話せるはずです。ですが嫁に行くとなると、グランチェック国語も覚えないといけませんね」
やっぱり!
覚える事が増えた~!
「アイデラ様ならすぐに覚えられますよ」
「そ、そうだといいな~」
言葉だけではなく、歴史とか色々覚えないといけないよね?
「そうだ。ミチェスラフ王子って何番目の王子?」
「存じません。明日、わかると思いますよ」
まあ第一王子って事はないわよね。王妃になるのは大変そうだからね。
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