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21話

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 はぁ。行きたくない。

 「まあ、お似合いですよ。アイデラ様」
 「うん。ありがとう、ソフィア」

 今日は、王室主催のお茶会がある。と言っても、メインは子供。私達。
 いや、きっと、イヴェットの光魔法の噂を聞いて、呼んだのだろうけどね。

 お茶会の話が来て思い出した事がある。アイデラが王子と婚約するきっかけが王家主催のお茶会だった。そこで王子に出会い一目ぼれしたアイデラが、エインズワイス侯爵に頼み成立したんだ。
 でも確か、ペンダントで本当の娘だと確認を取れたすぐ後の初めて・・・のお茶会だったはず。
 イヴェットが光魔法持ちだとわかった事で早まったのだろうか。

 小説では、光魔法だと知れたのは婚約後だった。ちょっとの差だったんだよね。
 そういうくだりが、王子によって語られていた。
 光魔法持ちだとわかっていたら、子爵家の君も呼ばれていたはずだ。と。

 まあいいや。
 婚約破棄されて二人がくっつくぐらいなら、最初から二人が婚約すればいい。どちらにしても、私から結婚したいとは言い出さないから小説の様には進まないだろうし。

 それにしてもやっぱり二人並ぶと目立つよね。
 私達は、ブレナ夫人が選んだ色違いのドレスを着ている。
 私が赤色でイヴェットが青色。私達を見れば、確かに双子に見えるかもしれない。
 けど、イヴェットが半年の間にちょっとふくよかになり、逆に私がほっそりになった為に体系は全然違ってしまっているけどね。

 施設でたくさん食べられなかった反動か、お淑やかに食べてはいるけど平らげる量が私の倍以上だものね。それにおやつも食べていて、施設にいた時より動かなくなった。そりゃ太るわよ。

 今回は、家族全員で参加する。つまりエインズワイス侯爵ご夫妻にブラインも。
 今日は、王家が選んだ、10歳ぐらいまでの子供お呼ばれされているらしい。なので、そのままアーロイズ子爵家にいたら私は呼ばれていないって事だ。



 王宮の庭園は、素晴らしかった。
 見ごたえがある。そして、かなり広い。その場所で茶会を開催。
 席は、大人と子供の令嬢、令息に分かれて座った。
 無礼講というか、楽しくね。と言われた。
 私達が、侯爵家に養女になったばかりだから大目に見るって事らしい。いやまだ5歳だからね。まあ小さな頃からそれなりに教育されていれば、大人の前では大人しいのだろうけど。

 あいにく大人とは、席は離れている。
 たぶんわざとだ。王宮内だし茶会の外側には兵士が巡回しているし、周りに給仕としてメイドもいる。
 大人たちの会話が聞こえないぐらいには離された。つまり何か私達から聞き出すつもりなのかもしれない。
 令嬢は、私達を入れて四人しかいない。向こうも姉妹みたいだ。

 「私は、カリナ・アルディネと申します。一番年上よ。10歳宜しくお願いしますね」
 「私は妹のキアラです。8歳。仲良くしましょう」

 アルディネ姉妹は同じ薄緑の髪だけど、カリナ嬢は濃緑の瞳で妹のキアラ嬢は、私と同じ紫色。同じと言っても私は赤っぽい紫だけど、彼女は紫って感じの色。

 「うん! 私は、イヴェット。5歳。宜しくね」
 「アイデラです。宜しくお願いします」

 って、挨拶が終わったらすぐさま、イヴェットはケーキにぱくついた。
 ブレナ夫人には、挨拶が終わってから飲み食いするように言われていたけどさ、ちょっとフライングよ。私の挨拶の最中だったよね?

 「うふふ。おいしいから?」
 「うん! 凄くおいしい」

 カリナ嬢の質問に嬉しそうに答えるイヴェット。

 「そう。あなたは食べないの? 数か月前までは口にすら出来なかった食べ物でしょう? 王室で出される食べ物はどれも一品。私もとても楽しみにしていたの」

 さ、さりげなく、あなた施設にいたんだから遠慮く食べたらって言われたんだけど! 親から何か言われているみたいね。相手は10歳だけど侮れないわね。

 「はい。頂きます」

 私がケーキに口をつけると、二人も食べ始めた。

 「ところで、本当に双子なの?」
 「はい。そうです」

 「私達は双子と言う事になっているから」と言われ、聞かれたら肯定するようにと。だから私はそう答えた。

 「同じ環境で育ったのよね? それにしては、二人に体格差があるようですけど? ご病気でもなさって?」
 「えーと」

 聞かれるとは思っていたけど、なんと答えたらいいのだろう。この答えも考えてくれていたらよかったのに。

 「えへ。太っちゃったんだ。今、ダイエット中なの」

 え!? 初耳なんだけど。というか、ダイエットという意味は知ってるの? 見てみなさいよ。二人が、目を真ん丸にしているわ。
 まあ、きっと明日からよね、ダイエット。
 イヴェットは、二つ目のケーキに口をつけたのだった。
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