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第40話 消える魔法?
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ふかふかのソファーに腰を下ろし、落ち着かないマイゼンドとアーシャリー。
応接室で今までにない対応を受けていた。
「では、アーシャリー様は、胸当てに弓矢セット。これには形態記憶グローブが付きます。これでよろしいですか?」
「は、はい。って、本当にいいの?」
ここは、オーダーメイド専門の装備屋マールで、シバリの紹介で注文をしに来ていたのだ。聞かれたアーシャリーが、隣に座るマイゼンドに更に聞いた。
「うん? 僕に聞かれてもよくわからないけど……」
アーシャリーは、自分もオーダーして本当にいいのかと聞いたのだが、マイゼンドにはやはり通じない。
はぁ……。
「それでお願いします」
ため息をしつつアーシャリーは、返事を返した。
「では、マイゼンド様の方は、防水靴、ポーチに軽量防具セット。それに、防水の袋(大)を10袋ですね」
「はい!」
「料金は、魔鉱石でお支払いですね」
「はい」
「しかし、よくまあこんなに……個人の方でこんなにお持ちになった方は初めてです」
店主は、にんまりとして言った。二人は、お得意様になったのだ。
「お時間は、一週間ほど頂けますでしょうか?」
「はい。宜しくお願いします」
嬉しそうにマイゼンドは答えた。
「では、一週間後、お待ちしております」
二人は、お店を出た。マイゼンドはルンルンだ。いいお買い物が出来たからではない。これから食べ歩きタイムだからだ。
屋台がある通りへと進む。
「わあ、いい匂い」
マイゼンドは、目を輝かせた。屋台が並んだ景色など初めて見たからだ。
「凄い! 美味しそうなお店がいっぱい!」
「そうね。マイゼンドは、食べるの大好きみたいね」
「うん! 冒険者になったら冒険者しか食べられない物を食べるのが夢だったんだ!」
「………」
凄い返事が返って来てアーシャリーは、何と言っていいかわからない。
冒険者しか食べられないモノとは、モンスターの肉以外アーシャリーも思いつかなかったので、モンスターを食べたいの? と、ちょっと引いていたのだ。
「見て! モンスターレッグ屋さんだって!」
「まさか、それ食べたいの?」
マイゼンドは、大きく頷いた。
「隣の普通の串にしない?」
「え? なんで?」
「……じゃ、マイゼンドはそれ、私は串で」
「うん」
満足そうに頷くマイゼンドに、本当に食べる気なんだとアーシャリーは驚く。お金を払ってまでアーシャリーは、食べる気にはならないのだ。
二人は、買った後ベンチに並んで座り、それぞれ買ったレッグと串にかぶりついた。
「おいしい! やっぱり調理のスキルがほしいな」
「本来は非常食でしょうに……」
「あ~!!」
突然マイゼンドが大声をあげ、アーシャリーはビクッと肩を振るわす。何だと見ると、よくわからないパフォーマンスを繰り広げていた。
右手で肉を握り、左手を肉の横に持って来て、まるで何を引っ張っているようだ。
「だからこれ僕の!」
小声だが確かにそう言ったのが、アーシャリーには聞こえた。
マイゼンドは、レッグにかぶりついたザラをレッグから引き離そうとしていたのだ。
「な、何してるの?」
「え? えーと、あ! あ……」
「えぇ!?」
マイゼンドがレッグを見て声を出すので見ると、レッグがひとりでに少し消えたのだ。まるで誰かがかぶりついたように……。もちろん、ザラが食べたのだが、アーシャリーには見えないので、目をぱちくりとする。
「こ、これは一体何が起きているの?」
「うううう。僕のお肉をザラが~」
半泣きのマイゼンドだが、アーシャリーには意味が分からない。
「ザラ?」
「あ……」
つい言ってしまったと思うも、マイゼンドにしてみればお肉の方が大事なのだ。
「は、話すからお肉もう一個いい?」
「はぁ?」
話を聞きたいのもあるが、半泣きのマイゼンドに頷いてしまうアーシャリーだった。
頷くと、パーッとマイゼンドは笑顔になった。
「いい。これあげるから買って来るのは取らないでよ!」
と、マイゼンドはレッグに向かって言っている。
そこに何が居る? とアーシャリーは、ジッとレッグを見ていると骨まで消えて行ったのだった!
「凄いわ」
物を消す魔法を見ているような感じのアーシャリーだった。
応接室で今までにない対応を受けていた。
「では、アーシャリー様は、胸当てに弓矢セット。これには形態記憶グローブが付きます。これでよろしいですか?」
「は、はい。って、本当にいいの?」
ここは、オーダーメイド専門の装備屋マールで、シバリの紹介で注文をしに来ていたのだ。聞かれたアーシャリーが、隣に座るマイゼンドに更に聞いた。
「うん? 僕に聞かれてもよくわからないけど……」
アーシャリーは、自分もオーダーして本当にいいのかと聞いたのだが、マイゼンドにはやはり通じない。
はぁ……。
「それでお願いします」
ため息をしつつアーシャリーは、返事を返した。
「では、マイゼンド様の方は、防水靴、ポーチに軽量防具セット。それに、防水の袋(大)を10袋ですね」
「はい!」
「料金は、魔鉱石でお支払いですね」
「はい」
「しかし、よくまあこんなに……個人の方でこんなにお持ちになった方は初めてです」
店主は、にんまりとして言った。二人は、お得意様になったのだ。
「お時間は、一週間ほど頂けますでしょうか?」
「はい。宜しくお願いします」
嬉しそうにマイゼンドは答えた。
「では、一週間後、お待ちしております」
二人は、お店を出た。マイゼンドはルンルンだ。いいお買い物が出来たからではない。これから食べ歩きタイムだからだ。
屋台がある通りへと進む。
「わあ、いい匂い」
マイゼンドは、目を輝かせた。屋台が並んだ景色など初めて見たからだ。
「凄い! 美味しそうなお店がいっぱい!」
「そうね。マイゼンドは、食べるの大好きみたいね」
「うん! 冒険者になったら冒険者しか食べられない物を食べるのが夢だったんだ!」
「………」
凄い返事が返って来てアーシャリーは、何と言っていいかわからない。
冒険者しか食べられないモノとは、モンスターの肉以外アーシャリーも思いつかなかったので、モンスターを食べたいの? と、ちょっと引いていたのだ。
「見て! モンスターレッグ屋さんだって!」
「まさか、それ食べたいの?」
マイゼンドは、大きく頷いた。
「隣の普通の串にしない?」
「え? なんで?」
「……じゃ、マイゼンドはそれ、私は串で」
「うん」
満足そうに頷くマイゼンドに、本当に食べる気なんだとアーシャリーは驚く。お金を払ってまでアーシャリーは、食べる気にはならないのだ。
二人は、買った後ベンチに並んで座り、それぞれ買ったレッグと串にかぶりついた。
「おいしい! やっぱり調理のスキルがほしいな」
「本来は非常食でしょうに……」
「あ~!!」
突然マイゼンドが大声をあげ、アーシャリーはビクッと肩を振るわす。何だと見ると、よくわからないパフォーマンスを繰り広げていた。
右手で肉を握り、左手を肉の横に持って来て、まるで何を引っ張っているようだ。
「だからこれ僕の!」
小声だが確かにそう言ったのが、アーシャリーには聞こえた。
マイゼンドは、レッグにかぶりついたザラをレッグから引き離そうとしていたのだ。
「な、何してるの?」
「え? えーと、あ! あ……」
「えぇ!?」
マイゼンドがレッグを見て声を出すので見ると、レッグがひとりでに少し消えたのだ。まるで誰かがかぶりついたように……。もちろん、ザラが食べたのだが、アーシャリーには見えないので、目をぱちくりとする。
「こ、これは一体何が起きているの?」
「うううう。僕のお肉をザラが~」
半泣きのマイゼンドだが、アーシャリーには意味が分からない。
「ザラ?」
「あ……」
つい言ってしまったと思うも、マイゼンドにしてみればお肉の方が大事なのだ。
「は、話すからお肉もう一個いい?」
「はぁ?」
話を聞きたいのもあるが、半泣きのマイゼンドに頷いてしまうアーシャリーだった。
頷くと、パーッとマイゼンドは笑顔になった。
「いい。これあげるから買って来るのは取らないでよ!」
と、マイゼンドはレッグに向かって言っている。
そこに何が居る? とアーシャリーは、ジッとレッグを見ていると骨まで消えて行ったのだった!
「凄いわ」
物を消す魔法を見ているような感じのアーシャリーだった。
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