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第3話
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兄さんが魔物ハンターだなんて……。
魔物ハンターになる者が出るという事は、魔物がそれなりに召喚されるって事だ。
この村は、魔物を倒す事ができる魔法が伝承されている。だが、誰でもかれでも使えるわけではない。
魔物ハンターがいない時代に召喚された魔物は、その者が倒す。
兄さんは、剣も使っていた。
魔物ハンターが使う剣。それは、魔物ハンターだけが召喚出来る武器。
俺の予知能力は、何かわけがあると言われて来たけど、まさか魔物ハンターに関わる事だったなんて……。
あ、そうだ。
俺と一緒にディーがいなければ、あういう結末にならないんじゃないか?
「レオール、ディディエ。君達に新たな使命を与える。魔物の召喚を試みようとする者の発見と対処。そして、レオールの兄ダルニールを探し出し、この事を伝えるのだ」
村長が俺達にそう言った。
ディーが、力強く頷く。
本当は俺達、嫁探しに行くはずだった。16歳の歳に村を出て、最愛の人を見つけ村に戻る。けど最愛の人を見つけて戻って来る者は少ない。
そのまま村の外で、その最愛の者と暮らすのだ。
戻って来るのは、最愛の者を見つけられず、仕事も上手くいかなかった者達。
田舎者だもんな俺達。
嫁探しは、新たな使命達成後って事だろうけど……。
「ディーは、俺と一緒じゃない方がよくないですか? そうしたら避けられる」
「……レオ」
「確かにそうだが、ダルニールを探し伝え、召喚者を探し出さなければもっと最悪な未来になる。離れて活動するという事は、その可能性も生む」
村長にそう言われ、俺は何も言い返せない。
未来を変えるのは、簡単な時と難しい時がある。しかも変えられるからといって、自分が望むものになるとも限らない。
変えるなら最善をつくさなければダメだ。
「わかりました。最善を尽くします!」
とにかく、ディーがあぁならなければ、俺ともキスする事もないだろう。
いやそうじゃない! 死にそうにならないだ!
ちらっと、ディーを見る。いつから俺を好きなんだ?
うん? と、振り向いたディーと目が合う。
俺は咄嗟に、顔を背けた。たぶん俺、顔が赤い。
なんで俺だけ意識してるんだぁ!!
「大丈夫。僕も最善を尽くすから」
「お、おう!」
俺は、照れながらそう返した。
気にしないって決めたのになぁ。
「では、二人に召喚の書を授ける」
「「召喚の書?」」
俺達は、声を揃えて言うと、渡された召喚の書を開いた。
そこには、召喚の仕方ではなく、召喚を止める方法などが書かれていた。
別にこれを読んでも召喚できないのか……。
ちょっと期待してしまった。
いや、召喚はダメだ。危ないから国でも禁止されている。
こうして俺達二人は、兄のダルニールを探し召喚者を突き止める旅に出る事になった。
魔物ハンターになる者が出るという事は、魔物がそれなりに召喚されるって事だ。
この村は、魔物を倒す事ができる魔法が伝承されている。だが、誰でもかれでも使えるわけではない。
魔物ハンターがいない時代に召喚された魔物は、その者が倒す。
兄さんは、剣も使っていた。
魔物ハンターが使う剣。それは、魔物ハンターだけが召喚出来る武器。
俺の予知能力は、何かわけがあると言われて来たけど、まさか魔物ハンターに関わる事だったなんて……。
あ、そうだ。
俺と一緒にディーがいなければ、あういう結末にならないんじゃないか?
「レオール、ディディエ。君達に新たな使命を与える。魔物の召喚を試みようとする者の発見と対処。そして、レオールの兄ダルニールを探し出し、この事を伝えるのだ」
村長が俺達にそう言った。
ディーが、力強く頷く。
本当は俺達、嫁探しに行くはずだった。16歳の歳に村を出て、最愛の人を見つけ村に戻る。けど最愛の人を見つけて戻って来る者は少ない。
そのまま村の外で、その最愛の者と暮らすのだ。
戻って来るのは、最愛の者を見つけられず、仕事も上手くいかなかった者達。
田舎者だもんな俺達。
嫁探しは、新たな使命達成後って事だろうけど……。
「ディーは、俺と一緒じゃない方がよくないですか? そうしたら避けられる」
「……レオ」
「確かにそうだが、ダルニールを探し伝え、召喚者を探し出さなければもっと最悪な未来になる。離れて活動するという事は、その可能性も生む」
村長にそう言われ、俺は何も言い返せない。
未来を変えるのは、簡単な時と難しい時がある。しかも変えられるからといって、自分が望むものになるとも限らない。
変えるなら最善をつくさなければダメだ。
「わかりました。最善を尽くします!」
とにかく、ディーがあぁならなければ、俺ともキスする事もないだろう。
いやそうじゃない! 死にそうにならないだ!
ちらっと、ディーを見る。いつから俺を好きなんだ?
うん? と、振り向いたディーと目が合う。
俺は咄嗟に、顔を背けた。たぶん俺、顔が赤い。
なんで俺だけ意識してるんだぁ!!
「大丈夫。僕も最善を尽くすから」
「お、おう!」
俺は、照れながらそう返した。
気にしないって決めたのになぁ。
「では、二人に召喚の書を授ける」
「「召喚の書?」」
俺達は、声を揃えて言うと、渡された召喚の書を開いた。
そこには、召喚の仕方ではなく、召喚を止める方法などが書かれていた。
別にこれを読んでも召喚できないのか……。
ちょっと期待してしまった。
いや、召喚はダメだ。危ないから国でも禁止されている。
こうして俺達二人は、兄のダルニールを探し召喚者を突き止める旅に出る事になった。
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