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最終話(★)
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どうしたらいいのでしょうか?
気が付けば卒業まじかです。
結婚の日取りが決まってしまい、リヤルド様はおどおどしています。それはそうですよね。本当は、卒業後婚約破棄するつもりだったのですから。それが、結婚する所まで決まってしまって、今更婚約破棄できるわけがありません。
彼の予定は、狂ってしまった。
この二年間は楽しかった。
リヤルド様は優しく傍に居てくれて。本当に嬉しそうに笑顔を向けてくれたのです。
最悪、私が婚約破棄されるような事をすれば言いやすいだろうと思うもできないのです。だって私は、リヤルド様と結婚したいのですから!
◇
もう引き返せない。いやもう、彼女を振り向かせるしかなくなった。
シラーヌ嬢と結婚してしまった。嬉しい。嬉しいけど気まずい。
とりあえず一度自分口から伝えないと……今更だけど。
「本当にすまない。約束を違えてしまって……」
「……今更言われましても」
で、ですよね。でも……。
「ぼ、僕は、君を幸せにします!」
「え? ありがとう」
「い、言えなかったことがあります」
「な、なんでしょうか?」
「僕が愛しているのは、あなたです。シラーヌ」
僕が見つめて言うと、ぱちくりとしている。
凄く驚いている。
◇
彼は今、なんと言いました? 愛しているのは私!?
「わ、私もリヤルド様を愛しています」
そう返すと、リヤルド様は驚いた顔をしたと思ったらぎゅっと抱きしめてきたのです。
「う、嘘じゃないですよね?」
「嘘ではありません。ずっと好きでした」
「……え!?」
かなり驚かれてしまいましたけど、顔を見合わせて私たちは笑いあいました。
お互い好きあっているのに気づかずに結婚までしてしまったのは、奇跡なのかもしれませんね。
「婚約破棄してもいいなんて条件受け入れてごめんね」
「ううん。私も変な条件だしてごめんなさい。そして結婚してくれてありがとう」
「こちらこそ。もう一度言うよ。君を幸せにするよ」
気が付けば卒業まじかです。
結婚の日取りが決まってしまい、リヤルド様はおどおどしています。それはそうですよね。本当は、卒業後婚約破棄するつもりだったのですから。それが、結婚する所まで決まってしまって、今更婚約破棄できるわけがありません。
彼の予定は、狂ってしまった。
この二年間は楽しかった。
リヤルド様は優しく傍に居てくれて。本当に嬉しそうに笑顔を向けてくれたのです。
最悪、私が婚約破棄されるような事をすれば言いやすいだろうと思うもできないのです。だって私は、リヤルド様と結婚したいのですから!
◇
もう引き返せない。いやもう、彼女を振り向かせるしかなくなった。
シラーヌ嬢と結婚してしまった。嬉しい。嬉しいけど気まずい。
とりあえず一度自分口から伝えないと……今更だけど。
「本当にすまない。約束を違えてしまって……」
「……今更言われましても」
で、ですよね。でも……。
「ぼ、僕は、君を幸せにします!」
「え? ありがとう」
「い、言えなかったことがあります」
「な、なんでしょうか?」
「僕が愛しているのは、あなたです。シラーヌ」
僕が見つめて言うと、ぱちくりとしている。
凄く驚いている。
◇
彼は今、なんと言いました? 愛しているのは私!?
「わ、私もリヤルド様を愛しています」
そう返すと、リヤルド様は驚いた顔をしたと思ったらぎゅっと抱きしめてきたのです。
「う、嘘じゃないですよね?」
「嘘ではありません。ずっと好きでした」
「……え!?」
かなり驚かれてしまいましたけど、顔を見合わせて私たちは笑いあいました。
お互い好きあっているのに気づかずに結婚までしてしまったのは、奇跡なのかもしれませんね。
「婚約破棄してもいいなんて条件受け入れてごめんね」
「ううん。私も変な条件だしてごめんなさい。そして結婚してくれてありがとう」
「こちらこそ。もう一度言うよ。君を幸せにするよ」
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