貧乏令嬢は下剋上を目指す

第八話

　次の日の朝、ご飯と一緒におもちゃも持って来てくれました。
　って、枝です。確かにそう言いましたが……。

　「選定させた枝だ」

　選定……。
　それは、その様な選定でしょう？
　まあこれで遊んでくれれば問題ありません。

　今日の朝もハニード殿下が、クロにご飯をあげています。
　そして、クロは私の膝の上ですが、ブラッシングもハニード殿下がしています。
　それが終わると、モップがけ。

　クロが喜んで、私いえモップを追いかけます。
　それを帰らずにハニード殿下は見学している。

　「何が楽しいんだろうな？」

　モップを追いかけるクロ見て、ハニード殿下は呟いた。
　それは私にもわかりません。
　お掃除が終わり、枝のおもちゃの出番です。

　「クロ、これをとってきてね」

　ポイッと投げるけど、クロは見向きもしません。
　枝には興味がないようです。
　落ちた枝をハニード殿下は拾う。

　「これは気にいらなかったみたいだな」

　「そうですね……」

　「ほらクロージュ。これは、あなたのだ」

　目の前にちらつかせると、それにかぶりつきひぱった。
　まさかそうすると思っていなかっただと思うハニード殿下は、枝から手を離してしまう。
　クロは見事にひっくり返った！

　「大丈夫か！」

　「大丈夫？」

　驚く私達ですが、クロは面白かったらしく、なんと枝を咥えてハニード殿下に持って来たのです。
　一瞬ハニード殿下は驚いた顔をしましたが、ぱぁっと嬉しそうな顔になり枝を受け取った。そして、クロと引っ張り合いです。
　ハニード殿下は、一時間もクロとの楽しい時間を過ごしていきました。

　その後も食後にブラッシング、遊びの時間と、クロとの時間が増えたのです。
　クロは、だいぶハニード殿下に慣れたようです！