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第六話
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ドアがノックされ、ハニード殿下とクロの食事を持った係りの者が入って来た。
「クロージュのごはんだ。後、君のもある」
見ると、クロには生肉です。犬にはちょっとって感じなのですが……。
「これをクロに食べさせるのですか?」
「そうだ」
「大丈夫なのでしょうか?」
「当たり前だ。好物だぞ?」
好物ねぇ。
って、そうかも。よだれを垂らして待っている。
そうだ!
「あの、それをハニード殿下が差し上げて下さい」
「私がだと!?」
私は頷く。
懐かせたいなら積極的にクロと係わらないとね。
「何を言い出すかと思えば! 殿下にそのような事をさせ……」
「ハニード殿下が、クロと仲良くなりたいと仰ったからです。何もせずに懐くわけがありません!」
「わかった。クロのご飯は、ここにいる間は私があげよう」
うんうんと頷く。
「しかし危険です」
「いや、よく考えればご飯を与えてくれる者と認識されれば、懐くかもしれない」
「はい。一番手っ取り早いと思います。あと、ブラッシングもしてあげるとなおよろしいかと!」
「一ついいか? 全部私がやるのならお世話係の君はいらないのでは?」
「……う」
ハニード殿下にそう言われ、私は困った。
仕事がなくなって、はいお疲れ様で、今日で終わりだと困ります。
まだ、一泊もしておりません!
「全部とは言っておりませんわ。少しして差し上げるだけでもと思っただけです」
「わかった。ブラッシングは、暇ができたらやりに来よう。ほら、クロージュごはんだ」
クロは、嬉しそうにかぶりつく。
それを見つつ、私もご飯を頂く。
クロがご飯を終えると、ハニード殿下は返って行った。
もしかして今まで一度もハニード殿下は、ご飯をあげた事がなかったのかもしれませんね。
それじゃ懐かないわよね。
あれ? でも私は何もしなくても懐かれていた?
手当して上げたからかな……。
さて、食後の運動でもしますか。
私達は、お部屋の中を走り回る。
あ、おもちゃの事を言うの忘れていたわ。
「クロージュのごはんだ。後、君のもある」
見ると、クロには生肉です。犬にはちょっとって感じなのですが……。
「これをクロに食べさせるのですか?」
「そうだ」
「大丈夫なのでしょうか?」
「当たり前だ。好物だぞ?」
好物ねぇ。
って、そうかも。よだれを垂らして待っている。
そうだ!
「あの、それをハニード殿下が差し上げて下さい」
「私がだと!?」
私は頷く。
懐かせたいなら積極的にクロと係わらないとね。
「何を言い出すかと思えば! 殿下にそのような事をさせ……」
「ハニード殿下が、クロと仲良くなりたいと仰ったからです。何もせずに懐くわけがありません!」
「わかった。クロのご飯は、ここにいる間は私があげよう」
うんうんと頷く。
「しかし危険です」
「いや、よく考えればご飯を与えてくれる者と認識されれば、懐くかもしれない」
「はい。一番手っ取り早いと思います。あと、ブラッシングもしてあげるとなおよろしいかと!」
「一ついいか? 全部私がやるのならお世話係の君はいらないのでは?」
「……う」
ハニード殿下にそう言われ、私は困った。
仕事がなくなって、はいお疲れ様で、今日で終わりだと困ります。
まだ、一泊もしておりません!
「全部とは言っておりませんわ。少しして差し上げるだけでもと思っただけです」
「わかった。ブラッシングは、暇ができたらやりに来よう。ほら、クロージュごはんだ」
クロは、嬉しそうにかぶりつく。
それを見つつ、私もご飯を頂く。
クロがご飯を終えると、ハニード殿下は返って行った。
もしかして今まで一度もハニード殿下は、ご飯をあげた事がなかったのかもしれませんね。
それじゃ懐かないわよね。
あれ? でも私は何もしなくても懐かれていた?
手当して上げたからかな……。
さて、食後の運動でもしますか。
私達は、お部屋の中を走り回る。
あ、おもちゃの事を言うの忘れていたわ。
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