成り上がりたいのなら勝手にどうぞ。僕は『テリトリー』で使い魔と楽しく過ごす事にします

すみ 小桜(sumitan)

文字の大きさ
18 / 84

018

しおりを挟む
 僕達4人は、軽やかに森の中を進んでいた。
 全員の荷物をテリトリーにしまう事が出来たんだ。
 しかも、指定すれば個々に出庫も可能だとわかった。

 リストがないと大変だ。と思っていたら、目の前に文字が浮かんできて、それがリストだった。
 それは僕にしか見えないみたい。
 入れた順になっていて、個々に出せるけど入れた時の量なので、数個まとめて入れると出す時もまとめて出て来る事もわかった。

 テリトリーってなんて便利なんだろう。
 ガッツさん曰く、収納系のスキルは珍しいらしい。
 魔道具で用意しようとしたら、魔三マサ金貨数枚だとか!

 自身が弱いうちは、知られないようにしたほうがいいと言われた。
 お金が溜まったら攻撃系スキルを買おう。

 「そういえば、ラシルさんはスキルを何買うか決めているのかい?」
 「いいえ。よくわからなくて。ガッツさんのお薦めってありますか?」

 歩きながら楽しく移動していた。

 「そうだな。攻撃系スキルは、炎も水も攻撃用なのでそれ以外には使えない。例えば、焚火に火をつけるとか体を洗う為に水を出すとかな」

 なるほど。そういう発想はなかったけど、どちらにしても出来ないんだ。残念。

 「ただ炎系のスキルは、攻撃して火をつける。だからこの森の中では使いづらいスキルだな」
 「え! 火がついちゃうですか?」
 「魔獣から攻撃がそれればな。だから炎系のスキルを授かった者は、違う種類の攻撃を覚えて一体化させて使う」

 そうなのか。最初から覚えている攻撃スキルでも使いづらい事があるんだ。

 「俺は、水がいいと思うぜ。ランクが上がれば、川の水も応用できるって聞いた」

 タイルさんが、川がある方を指さし言った。ここからでは川は見えないけどね。

 「どのスキルにでも言える事だけど、魔獣に攻撃するように作られたスキルだから、外すと水なら場所をえぐるだけではなく、水浸しになる。それを踏まえて買った方がいいかもね」

 メーンさんの意見はごもっともだ。
 僕は、買ったらすぐに使いこなせると思っていたけど、そうじゃないよね。
 でもブラックの人は、いつスキルを買ったんだろう。

 「あの、失礼を承知で聞きますけど、タイルさんとメーンさんは、いつスキルを買ったんですか? 高いですよね?」
 「15歳の時に、冒険者ギルド協会で買った」

 タイルさんの答えにメーンさんが頷く。

 「俺達、幼馴染でさ。一緒に冒険者になったんだ。冒険者ギルドでは、ブラックの人に半額でスキルを売ってくれるんだ。その代わり、必ずギルドに所属して分割で返して行く」
 「え! 冒険者ギルドで買えば半額なの?」

 そんな事は言っていなかったのに。

 「ブラックって言っただろう。俺達シルバーは対象外。本来は、スキル隊で討伐するんだからな」
 「あ、そっか」

 もし農業スキルの様に半額で買えて10年分割だったら、僕だって今すぐに買うのになぁ。

 「ところでどこら辺までいくんですか?」
 「前回狩った所の更に奥だ。数日前に狩ったからこの辺はいないだろう。少し早いが休もう」
 「はい!」

 3人がテキパキと用意していく。
 焚火の為の枝を集めて、火を起こす。僕も枝集めを手伝った。みんなからあまり離れないようにしてね。

 魔道具で明かりを灯す。
 村の実家にはランプがあったけど、滅多に使わなかった。なぜなら燃料が高いから。
 これは、何が燃料なんだろう。

 「これって何が燃料なんですか?」
 「さあ、なんだろうな。これは使い捨てのランプなんだ。点かなくなったら錬金ギルド協会に持っていけば、10,000ハカリで買い取ってくれる」
 「へえ」

 10,000ハカリで買い取るという事は、買うときはもっと高いって事だよね。
 このランプは、円を作った3本の棒がクロスして、見た目球を作っている。その中に明るい玉があって光っているんだよね。
 別にガラスがあるわけじゃないし、あの玉はなぜクロスした棒の中で浮いているのだろうか。

 「俺も初めて見た時は、物珍しくてジッと見ていたな」
 「あ……」

 つい、見つめていた。

 「そうだ。食べ物出しておきますね」

 えーと。リストを表示。
 
 「3,4,5,6を出庫」

 番号を言うだけで、出せるんだから便利だ。

 「本当に凄いね」

 タイルさんが、感動して言うと2人もうんうんと頷く。
 こんなに喜んでもらえてうれしいな。
 スキルは、みんなの攻撃を見て選ぼうかな。
 魔獣と出会うのが待ち遠しいような、怖い様な変な気分だ。

 夜は、彼らが持ってきた毛布を出し、一つを僕が借りて寝た。
 見張りの人が、毛布を使わないで起きているので、申し訳ないなと思いつつ、使わせてもらう。
 ちなみに僕は、見張りは免除された。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ

音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。 だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。 相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。 どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

処理中です...