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第41話
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私は、リサおばあ様との話の後、リラックスルームでニンマリしていた。
それは、レオンス様に勝てる魔法があるってわかったからよ!
いつも通り紙に描かれた魔法陣に闇属性の魔力を流し発動させる。
そう闇魔法よ。魔法学園で唯一習わない属性。適性がある私でもね。
しか~し。魔法博士になった時に、闇属性に適性がある者だけに渡される闇属性に関する書籍を貰ったのだ。
それには、闇属性の魔法陣が書かれてあった。残念な事に呪文はなかったけどね。
私は、レオンス様が作ってくれた研究室で、闇魔法の研究を密かにしていたのよ。
表向きは、魔法陣の更なる研究。でも間違ってはいないわ。だって、闇属性に関する魔法陣の研究ですもの。
魔法学園の3年生は、魔法陣の勉強が主だった。そこでわかった事は、同じ魔法陣でも、呪文に置き換えると違う言葉になるって事。
わかりやすく言うと、『△』の魔法陣文字を土属性だと『山』水属性だと『波』に置き換えられる。
わかる? 全属性をそれぞれ覚えなくてはいけない難しさ!
まあ私が受けるテストは、水属性と風属性の二つのみだったけどね。
そこで、闇属性の場合はどうなのか。貰った書籍で研究をしていたのよ。呪文はわからないから、発動させるとどのような効果があるかから検討して、作った自作の魔法陣がある。
それが、先ほど魔力を注いだ魔法陣。
効果は、一時間の間魔法の発動を封じる。範囲も狭く、直径1メートル。
これは、学園に通っている間付けていたブレスレットの様な効果がある。
もちろん、これを用いてする事と言えば、呪文の詠唱。使わないと忘れちゃうからね!
そういう訳で、今日もぶつぶつと唱えながら魔法陣の研究よ。
本来は、研究所でなければダメだろうけど、バレなきゃ大丈夫よ。そもそも発動させる気はないし。
できれば、この闇属性の魔法陣を呪文化したいのよね。
やっぱり、魔法博士研究棟内にある図書室に行くしかないかしらね。
魔法博士なら誰でも入室が出来るけど、持ち出し禁止なのよ。行ってみたけど、膨大な本で探すのを諦めた。
でも目標が出来たし、もう一度チャレンジよ。
目標は、闇魔法を使ってみせて、レオンス様をぎゃふんと言わせる事よ!
あ、そうだ。今日はもう一つ目的があったんだった。
えーと、タシデホア先生が使用した魔法陣はっと。やっぱり。既存する魔法陣からエンドを取っただけね。
まあだから、見てすぐにわかったのだけどね。
魔法陣は、属性付き魔力で作成する。だからパッと見ただけでは、読み解くのは難しい。
けど私は、属性を見分けられる。だから風属性の魔法陣だとわかった。
たぶん、レオンス様もそうだと思う。
属性ごとに文字の読み方が変わるのってやっかいよね。
◇
「いやぁ。昨日は凄かったね。君の婚約者殿は凄い! 弟子入りしたい!」
席に着くなりバビット殿下が私に近づき、興奮気味に話しかけて来た。
や、やめて欲しい。あれは秘密なのではないの?
「そうですね。虹は綺麗でしたわ」
フロール嬢がうっとりして言う。
歓迎会の時の事だと誤解してくれたよう。
「ちが……」
「バビット殿!」
強い口調で割って入って来たのは、イルデフォンソ殿下。
「あ……。えーと、実はさ。私には、風魔法の素質があるってわかったんだ。風魔法の先生は、クビになっちゃったからさ」
ちゃんとクビにしたんだ。という事は、私達の主張が認められたって事ね。
まあ三人の王子達が証言すれば、そうなるわよね。
「彼は、光属性と火属性だ」
「まあそうなのですか? でしたら私も習えるかしら?」
え?
驚く事に、そう嬉しそうに発言したのはフロール嬢。
「実は、火属性持ちなのですが、魔法学園には通っていなくて。でも、私もバビット様の様に魔法に興味がありますの」
「それは、先生にお願いするといい。その為に、あの者達を雇っているのだから」
イルデフォンソ殿下が、ムッとした顔つきでフロール嬢に返す。
フロール嬢も属性持ちだと聞いて、面白くないようね。
「え? それだと私は習えなくないか? 一つの属性しか扱えないのだろう。うん? あれ? 彼は二つ?」
「稀にいる二属性持ちだ」
「あの素朴な疑問なのですが、確かタカビーダ侯爵家のご子息は双子だと聞いたのですが、魔法博士になったレオンス様が継がれるのですか? ココドーネ侯爵家には後継ぎが居たと思うのですが、婿に?」
フロール嬢が聞いてきた。あれ? タカビーダ侯爵家の事を知っているのではないの?
というか、唐突ね。
「あの者は、婚約者を捨て彼女に乗り換えた。上手く唆し、子爵家のご令嬢から見事侯爵家のご令嬢に華麗に転身ってわけだ。したたかだな」
はぁ? 何この王子! 殴ってやりたい。
私が元子爵家の令嬢だと知っているのなら、その経緯ももちろん知っているでしょう。噂で聞いたわけではないのだから。
「まあ。では将来は、侯爵夫人?」
それを聞きますか、フロール嬢!
天然? それとも嫌味?
「魔法博士の妻が欲しいくらい魔法が好きならば、爵位は片割れに譲ればいいものを。強欲な奴だ」
今度はルイス様が暴言を吐いて来た!
私だけならまだ許せる……いや許せないけど、我慢できる。だけど!
バン!
私は、机を叩きながら勢いよく立ち上がった。
「強欲ですって? 事情も知らないで勝手な事を言わないで! 彼は確かに、ちょっと意地悪なところもあるけど、誠実な人よ」
「まあまあ。落ち着いて」
「今のは、イルデフォンソ殿達が悪いと思うぞ」
ハッ。やってしまった! 王子達に楯突いちゃった。
バビット殿下が宥めると、マルシアール殿下がイルデフォンソ殿下を諫めた。
この二人を我が国の王子も見習ってくれないかなぁ。
それは、レオンス様に勝てる魔法があるってわかったからよ!
いつも通り紙に描かれた魔法陣に闇属性の魔力を流し発動させる。
そう闇魔法よ。魔法学園で唯一習わない属性。適性がある私でもね。
しか~し。魔法博士になった時に、闇属性に適性がある者だけに渡される闇属性に関する書籍を貰ったのだ。
それには、闇属性の魔法陣が書かれてあった。残念な事に呪文はなかったけどね。
私は、レオンス様が作ってくれた研究室で、闇魔法の研究を密かにしていたのよ。
表向きは、魔法陣の更なる研究。でも間違ってはいないわ。だって、闇属性に関する魔法陣の研究ですもの。
魔法学園の3年生は、魔法陣の勉強が主だった。そこでわかった事は、同じ魔法陣でも、呪文に置き換えると違う言葉になるって事。
わかりやすく言うと、『△』の魔法陣文字を土属性だと『山』水属性だと『波』に置き換えられる。
わかる? 全属性をそれぞれ覚えなくてはいけない難しさ!
まあ私が受けるテストは、水属性と風属性の二つのみだったけどね。
そこで、闇属性の場合はどうなのか。貰った書籍で研究をしていたのよ。呪文はわからないから、発動させるとどのような効果があるかから検討して、作った自作の魔法陣がある。
それが、先ほど魔力を注いだ魔法陣。
効果は、一時間の間魔法の発動を封じる。範囲も狭く、直径1メートル。
これは、学園に通っている間付けていたブレスレットの様な効果がある。
もちろん、これを用いてする事と言えば、呪文の詠唱。使わないと忘れちゃうからね!
そういう訳で、今日もぶつぶつと唱えながら魔法陣の研究よ。
本来は、研究所でなければダメだろうけど、バレなきゃ大丈夫よ。そもそも発動させる気はないし。
できれば、この闇属性の魔法陣を呪文化したいのよね。
やっぱり、魔法博士研究棟内にある図書室に行くしかないかしらね。
魔法博士なら誰でも入室が出来るけど、持ち出し禁止なのよ。行ってみたけど、膨大な本で探すのを諦めた。
でも目標が出来たし、もう一度チャレンジよ。
目標は、闇魔法を使ってみせて、レオンス様をぎゃふんと言わせる事よ!
あ、そうだ。今日はもう一つ目的があったんだった。
えーと、タシデホア先生が使用した魔法陣はっと。やっぱり。既存する魔法陣からエンドを取っただけね。
まあだから、見てすぐにわかったのだけどね。
魔法陣は、属性付き魔力で作成する。だからパッと見ただけでは、読み解くのは難しい。
けど私は、属性を見分けられる。だから風属性の魔法陣だとわかった。
たぶん、レオンス様もそうだと思う。
属性ごとに文字の読み方が変わるのってやっかいよね。
◇
「いやぁ。昨日は凄かったね。君の婚約者殿は凄い! 弟子入りしたい!」
席に着くなりバビット殿下が私に近づき、興奮気味に話しかけて来た。
や、やめて欲しい。あれは秘密なのではないの?
「そうですね。虹は綺麗でしたわ」
フロール嬢がうっとりして言う。
歓迎会の時の事だと誤解してくれたよう。
「ちが……」
「バビット殿!」
強い口調で割って入って来たのは、イルデフォンソ殿下。
「あ……。えーと、実はさ。私には、風魔法の素質があるってわかったんだ。風魔法の先生は、クビになっちゃったからさ」
ちゃんとクビにしたんだ。という事は、私達の主張が認められたって事ね。
まあ三人の王子達が証言すれば、そうなるわよね。
「彼は、光属性と火属性だ」
「まあそうなのですか? でしたら私も習えるかしら?」
え?
驚く事に、そう嬉しそうに発言したのはフロール嬢。
「実は、火属性持ちなのですが、魔法学園には通っていなくて。でも、私もバビット様の様に魔法に興味がありますの」
「それは、先生にお願いするといい。その為に、あの者達を雇っているのだから」
イルデフォンソ殿下が、ムッとした顔つきでフロール嬢に返す。
フロール嬢も属性持ちだと聞いて、面白くないようね。
「え? それだと私は習えなくないか? 一つの属性しか扱えないのだろう。うん? あれ? 彼は二つ?」
「稀にいる二属性持ちだ」
「あの素朴な疑問なのですが、確かタカビーダ侯爵家のご子息は双子だと聞いたのですが、魔法博士になったレオンス様が継がれるのですか? ココドーネ侯爵家には後継ぎが居たと思うのですが、婿に?」
フロール嬢が聞いてきた。あれ? タカビーダ侯爵家の事を知っているのではないの?
というか、唐突ね。
「あの者は、婚約者を捨て彼女に乗り換えた。上手く唆し、子爵家のご令嬢から見事侯爵家のご令嬢に華麗に転身ってわけだ。したたかだな」
はぁ? 何この王子! 殴ってやりたい。
私が元子爵家の令嬢だと知っているのなら、その経緯ももちろん知っているでしょう。噂で聞いたわけではないのだから。
「まあ。では将来は、侯爵夫人?」
それを聞きますか、フロール嬢!
天然? それとも嫌味?
「魔法博士の妻が欲しいくらい魔法が好きならば、爵位は片割れに譲ればいいものを。強欲な奴だ」
今度はルイス様が暴言を吐いて来た!
私だけならまだ許せる……いや許せないけど、我慢できる。だけど!
バン!
私は、机を叩きながら勢いよく立ち上がった。
「強欲ですって? 事情も知らないで勝手な事を言わないで! 彼は確かに、ちょっと意地悪なところもあるけど、誠実な人よ」
「まあまあ。落ち着いて」
「今のは、イルデフォンソ殿達が悪いと思うぞ」
ハッ。やってしまった! 王子達に楯突いちゃった。
バビット殿下が宥めると、マルシアール殿下がイルデフォンソ殿下を諫めた。
この二人を我が国の王子も見習ってくれないかなぁ。
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