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第14話
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あれから数日が経ち、一応平穏な日々を過ごしていた。
魔法学園では、最年少と言う事もあるのか、女の先生が私に付きほぼ、マンツーマンで教えてくれていた。
これに対し周りから贔屓していると文句が出る事もなく、逆に哀れみの目を向けられている。
どうやらついてこれなくて、単独指導されていると思われているようだ。
それは、他の者達より次の工程に移るのが遅いから。
闇魔法以外の基本魔法をマスターしないと、次に進めさせてくれないって言うのよ!
呪文はそこまで長くはないけど、一言でも間違えれば魔法は発動されないのだから、完全に覚えなくてはいけなくて大変なのよ。
ほとんどの人が1種類の所を私は、5種類よ。5倍時間が掛かるのだから、他の人より次の工程に進むのが遅くて当たり前。
けど周りは、無属性だから苦労していると思っている様子。
魔法を発動させる時は、それ専用の部屋で行われ先生と生徒二人で行うので、私が色んな魔法をやらされているとは他の生徒達は知らないのよね。
学年末テストは、1種類の魔法を発動できればいいって話しだから、私が選んだ1種類だけでいいと思うんだけどね。
結局二週間使ってもダメだった。
最後に5種類全部をもう一度となったのだけど、最初に覚えたはずの風の魔法を言えなかった……。
一日2回しか魔法を使えないから、この確認だけで数日掛かるのだけど!!
来週こそはと、休みの日に5種類の魔法の呪文を暗記していれば、まさかの出来事が起きた。
「マリー様がお越しです」
マリーが、一人で私を訪ねて来たのだ。
「何しに来たの?」
「ひど~い。寂しいだろうと会いに来たのに。お義父様とお母様は、来ることができないから私一人で頑張って来たのに」
いや頑張らなくていいから。
「ねぇ? 魔法って面白い?」
「面白くないわよ。これを暗記しないといけないもの」
教科書を見せれば、マリーは眉を細めた。
彼女も暗記物は苦手なのよね。
「一言でも間違うと、魔法は発動されないのよ」
「そうなんだ。私は、魔法はいいや」
いいやって。あなた、どう頑張っても魔法は使えないんだけど。
「ねえ、遊びに来てあげたんだから遊ぼうよ」
「は? 見てわからない? 暗記で忙しいの」
「それいつでもできるでしょう。ねえ、お庭に行こうよ。お母様がね、バラが欲しいって」
なんて贅沢な事を言っているのかしらね。
侯爵家で育てている花は、安物なんてない。つまりバラだと言えど、珍しい品種だったりする。
さすが継母。姑息すぎる。
「庭に行くのはいいけど、バラはもらえないわよ」
「そうなの? ファビアが言えばもらえるって言っていたけど」
やっぱり。私は目を掛けてもらえていると思っているのね。
特段、可愛がられているわけではないのに。
それに、継母の為に頼むなんて嫌よ。
「欲しいなら自分で頼むように言っておいて。それに私は、魔法学園に通う為にここに住まわせてもらっているのよ。つまり勉強する為。あなたと遊んでいる暇などないの」
「でもお母様は、根を詰めすぎるのは良くないって言っていたわ。休日ぐらい、子供らしく遊んだほうがいいんだって。だから相手をしに来たのよ」
どや顔でマリーに言われた。
これは、私の為で感謝しなさいって事らしい。
本当にこの子、めんどくさい子なのよね。
疑問があると何でって聞くくせに理解できないから、理解出来るように説明しないと、エンドレスだもの。
「わかったわ。午前中は休憩する事にするから、午後には帰ってね」
「うん!」
嬉しそうにマリーは言うと、私の手を引っ張った。
庭で駆け回りたいみたいね。広いものね、ここの庭園。
引っ張られて歩く私の後を、マリーが来たと告げに来たローレットがついてくる。
バラに何かあったら大変だものね。
話を聞いた以上、知らんぷりはできないでしょう。マリーならブチっとバラを摘みそうだもの。
そんな事させる気はないけど、止める人がもう一人いた方が安心よね。
「広~い!!」
庭園に着いた途端、私の手をパッと離しマリーは走り出した。
「待ちなさい! 奥に行ってはダメよ!」
「わかった」
そう返すも止まらない。
もうこの子のお守は嫌よ!
走っていたらバラがある場所へ到着した。
あら大変、マリーがバラに手を伸ばしているわ。
「ダメよ!」
私がそう声を掛けた時、ローレットが凄い形相で私を追い越した。
「おやめください」
ローレットは、息を切らしながらもそう言って、マリーの腕を掴む。
驚いたのか、それともローレットが怖かったのか、マリーが泣き出した。
もう勘弁してよ。泣くぐらいならしないでよね。
これがきっかけで、マリーも出禁になったみたい。次の週に来たけど追い返された。
なぜか私に継母から抗議の手紙が来たので、お父様に手紙を継母が出したのを知っているかと問う手紙を出せば、お父様から謝罪の手紙が来た。継母からは、それっきりだ。
これで休みの日は、まったりと過ごせるわ。
魔法学園では、最年少と言う事もあるのか、女の先生が私に付きほぼ、マンツーマンで教えてくれていた。
これに対し周りから贔屓していると文句が出る事もなく、逆に哀れみの目を向けられている。
どうやらついてこれなくて、単独指導されていると思われているようだ。
それは、他の者達より次の工程に移るのが遅いから。
闇魔法以外の基本魔法をマスターしないと、次に進めさせてくれないって言うのよ!
呪文はそこまで長くはないけど、一言でも間違えれば魔法は発動されないのだから、完全に覚えなくてはいけなくて大変なのよ。
ほとんどの人が1種類の所を私は、5種類よ。5倍時間が掛かるのだから、他の人より次の工程に進むのが遅くて当たり前。
けど周りは、無属性だから苦労していると思っている様子。
魔法を発動させる時は、それ専用の部屋で行われ先生と生徒二人で行うので、私が色んな魔法をやらされているとは他の生徒達は知らないのよね。
学年末テストは、1種類の魔法を発動できればいいって話しだから、私が選んだ1種類だけでいいと思うんだけどね。
結局二週間使ってもダメだった。
最後に5種類全部をもう一度となったのだけど、最初に覚えたはずの風の魔法を言えなかった……。
一日2回しか魔法を使えないから、この確認だけで数日掛かるのだけど!!
来週こそはと、休みの日に5種類の魔法の呪文を暗記していれば、まさかの出来事が起きた。
「マリー様がお越しです」
マリーが、一人で私を訪ねて来たのだ。
「何しに来たの?」
「ひど~い。寂しいだろうと会いに来たのに。お義父様とお母様は、来ることができないから私一人で頑張って来たのに」
いや頑張らなくていいから。
「ねぇ? 魔法って面白い?」
「面白くないわよ。これを暗記しないといけないもの」
教科書を見せれば、マリーは眉を細めた。
彼女も暗記物は苦手なのよね。
「一言でも間違うと、魔法は発動されないのよ」
「そうなんだ。私は、魔法はいいや」
いいやって。あなた、どう頑張っても魔法は使えないんだけど。
「ねえ、遊びに来てあげたんだから遊ぼうよ」
「は? 見てわからない? 暗記で忙しいの」
「それいつでもできるでしょう。ねえ、お庭に行こうよ。お母様がね、バラが欲しいって」
なんて贅沢な事を言っているのかしらね。
侯爵家で育てている花は、安物なんてない。つまりバラだと言えど、珍しい品種だったりする。
さすが継母。姑息すぎる。
「庭に行くのはいいけど、バラはもらえないわよ」
「そうなの? ファビアが言えばもらえるって言っていたけど」
やっぱり。私は目を掛けてもらえていると思っているのね。
特段、可愛がられているわけではないのに。
それに、継母の為に頼むなんて嫌よ。
「欲しいなら自分で頼むように言っておいて。それに私は、魔法学園に通う為にここに住まわせてもらっているのよ。つまり勉強する為。あなたと遊んでいる暇などないの」
「でもお母様は、根を詰めすぎるのは良くないって言っていたわ。休日ぐらい、子供らしく遊んだほうがいいんだって。だから相手をしに来たのよ」
どや顔でマリーに言われた。
これは、私の為で感謝しなさいって事らしい。
本当にこの子、めんどくさい子なのよね。
疑問があると何でって聞くくせに理解できないから、理解出来るように説明しないと、エンドレスだもの。
「わかったわ。午前中は休憩する事にするから、午後には帰ってね」
「うん!」
嬉しそうにマリーは言うと、私の手を引っ張った。
庭で駆け回りたいみたいね。広いものね、ここの庭園。
引っ張られて歩く私の後を、マリーが来たと告げに来たローレットがついてくる。
バラに何かあったら大変だものね。
話を聞いた以上、知らんぷりはできないでしょう。マリーならブチっとバラを摘みそうだもの。
そんな事させる気はないけど、止める人がもう一人いた方が安心よね。
「広~い!!」
庭園に着いた途端、私の手をパッと離しマリーは走り出した。
「待ちなさい! 奥に行ってはダメよ!」
「わかった」
そう返すも止まらない。
もうこの子のお守は嫌よ!
走っていたらバラがある場所へ到着した。
あら大変、マリーがバラに手を伸ばしているわ。
「ダメよ!」
私がそう声を掛けた時、ローレットが凄い形相で私を追い越した。
「おやめください」
ローレットは、息を切らしながらもそう言って、マリーの腕を掴む。
驚いたのか、それともローレットが怖かったのか、マリーが泣き出した。
もう勘弁してよ。泣くぐらいならしないでよね。
これがきっかけで、マリーも出禁になったみたい。次の週に来たけど追い返された。
なぜか私に継母から抗議の手紙が来たので、お父様に手紙を継母が出したのを知っているかと問う手紙を出せば、お父様から謝罪の手紙が来た。継母からは、それっきりだ。
これで休みの日は、まったりと過ごせるわ。
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