4 / 83
第4話
しおりを挟む
いよいよ、入学式当日。
お父様が一緒に式に参加してくれる事になった。
入学式だけ、家族が学園内に入るのが許可される。
私は真新しい魔導師風の制服に袖を通し、満足げに入学式に向かった。私の制服の色は白。毎年、試験があり合格すると制服の色が変わる。
白から桃色に、桃色から薄緑に。最後に魔法博士の試験を受け合格すれば、濃い紫色の制服を貰える。
これは、学園の制服ではなく魔法博士の制服となり、仕事着になる。
クラスは、A,B,Cクラスとあり、無属性はCクラスだと魔法学園の本に書いてあった通り、私はCクラスだった。
でもまあ、合格した生徒は皆、白の制服だから同じよ。
学年別にクラス事に並んで座る事になった私は、Cクラスで一番前だ。
思ったよりCクラスが多い。というか、ほとんどCクラスみたいなんですが……。
届いた心得の本には、クラス分けの事も書いてあった。
一年次は、Aクラスの者は居ないと言う。
Aクラスの者は、いても一人か二人で少ないので、Bクラスと同じ教室になる。
Cクラスが多く、同じクラスであっても3クラス以上に分かれると書いてあった。
まあ教室に入りきらないので、3クラスになるって事よね。
そして、試験を受け二年次に上がる事になるが、この試験に落ちる者もいるわけで。その者はもちろん、白の制服のまま。
ただし、Dクラス所属となり半年内に再試験を受け合格しなければ、退学になるという。
三年次に上がる為には必ず合格しなければならず、ここで不合格となると退学となる。つまり、三年次にはDクラスは存在しない。
そして、問題の卒業試験。これに合格すると魔法博士になれる。この試験、実は次の年にも受けられるらしい。
この学園には、留年組の四年次が存在した。クラスは一クラス。
もちろん、魔法博士になれなくとも学費は卒業後、払っていかなくてはいけないので、留年組は必死だろう。
実は、魔法博士になれるのは卒業試験を受けた内の8割だという。
しかも、毎年2割の者が合格できず去っていく。
最終的に、入学時の半数しか魔法博士になれないと言うのだから気を抜けない。
他の学年の者を見ても令嬢は少なかった。
もっと多いかと思ったけど、驚きだわ。まあお嬢様育ちには大変かもしれないわね。
何せ、魔法博士がお貴族様と言っても貴族として扱うと言う事だけらしいから。お金を稼げなければ、使用人も雇えない。
だから魔法博士になっても親元から通うのが一般的で、爵位を貰う為と言うよりは、仕事をする為に魔法博士になる。
この世界の貴族令嬢は、仕事と言えば夫の補佐。自分自身で仕事をする者は稀である。
文句を言われずに出来るのは、この魔法博士ぐらいだろう。
私は、結婚せずに暮らしたいと思っている。そう独身貴族よ。
結婚して、万が一に子供が成人する前に夫に死なれたら再婚しないといけなくなる。絶対そうしなければならい訳ではないけど、親族にクドクド言われるに違いない。
どちらにしても、私が嫁ぐとなれば子爵家以下の貴族になるだろう。子爵家に嫁げれば、万々歳よ。
けど私は、貴族の生活は好きじゃないのよね。
正確に言えば、つまんない!
婦人になってもドレスを着てお茶会をする程度。
そもそも男爵家や子爵家は、実家の家の手伝いをしている者が多い。お父様もそう。
だから夫の手伝いなど何もないのよ。
子育てだって、手のかかる時期は乳母が面倒を見てくれる。
しかも最悪なのが、親族の集まり。
婦人同士で牽制しあうらしい。あぁ嫌だ。本家でないものは、大変なのよ。
と言うのを継母を通して知った。
ご存じの通り、次男以降は男爵、子爵になっているのだから本家の者以外は、ほとんどが男爵家と子爵家。
でも驚く事に、私の本家は侯爵家だったのよ。
だからお父様の代で、食いっぱぐれる事はないでしょう。
ちなみに、男爵になりたくない次男坊が、結婚せずにいる事もあるという。
私の場合、独身でいても子爵のままでいられないからね。頑張って卒業しなくちゃ!
なんて考えていたら、入学式はあっという間に終わっていた。
今日は授業はないので、学園内の見学の後、お父様と家に帰るのだった。
「ファビア、大丈夫か? みんな4つ程年上のようだが」
「問題ないわ。通わせてくれてありがとう。お父様」
ポツンと独りぼっちになるのではと、心配するお父様。
まああの入学式を見ればそうよね。
中学生の中に小学生が一人混ざっている感じよね。って、これはお父様には通じない話だけど。
お父様が心配する中、私の学園生活が始まったのだった。
お父様が一緒に式に参加してくれる事になった。
入学式だけ、家族が学園内に入るのが許可される。
私は真新しい魔導師風の制服に袖を通し、満足げに入学式に向かった。私の制服の色は白。毎年、試験があり合格すると制服の色が変わる。
白から桃色に、桃色から薄緑に。最後に魔法博士の試験を受け合格すれば、濃い紫色の制服を貰える。
これは、学園の制服ではなく魔法博士の制服となり、仕事着になる。
クラスは、A,B,Cクラスとあり、無属性はCクラスだと魔法学園の本に書いてあった通り、私はCクラスだった。
でもまあ、合格した生徒は皆、白の制服だから同じよ。
学年別にクラス事に並んで座る事になった私は、Cクラスで一番前だ。
思ったよりCクラスが多い。というか、ほとんどCクラスみたいなんですが……。
届いた心得の本には、クラス分けの事も書いてあった。
一年次は、Aクラスの者は居ないと言う。
Aクラスの者は、いても一人か二人で少ないので、Bクラスと同じ教室になる。
Cクラスが多く、同じクラスであっても3クラス以上に分かれると書いてあった。
まあ教室に入りきらないので、3クラスになるって事よね。
そして、試験を受け二年次に上がる事になるが、この試験に落ちる者もいるわけで。その者はもちろん、白の制服のまま。
ただし、Dクラス所属となり半年内に再試験を受け合格しなければ、退学になるという。
三年次に上がる為には必ず合格しなければならず、ここで不合格となると退学となる。つまり、三年次にはDクラスは存在しない。
そして、問題の卒業試験。これに合格すると魔法博士になれる。この試験、実は次の年にも受けられるらしい。
この学園には、留年組の四年次が存在した。クラスは一クラス。
もちろん、魔法博士になれなくとも学費は卒業後、払っていかなくてはいけないので、留年組は必死だろう。
実は、魔法博士になれるのは卒業試験を受けた内の8割だという。
しかも、毎年2割の者が合格できず去っていく。
最終的に、入学時の半数しか魔法博士になれないと言うのだから気を抜けない。
他の学年の者を見ても令嬢は少なかった。
もっと多いかと思ったけど、驚きだわ。まあお嬢様育ちには大変かもしれないわね。
何せ、魔法博士がお貴族様と言っても貴族として扱うと言う事だけらしいから。お金を稼げなければ、使用人も雇えない。
だから魔法博士になっても親元から通うのが一般的で、爵位を貰う為と言うよりは、仕事をする為に魔法博士になる。
この世界の貴族令嬢は、仕事と言えば夫の補佐。自分自身で仕事をする者は稀である。
文句を言われずに出来るのは、この魔法博士ぐらいだろう。
私は、結婚せずに暮らしたいと思っている。そう独身貴族よ。
結婚して、万が一に子供が成人する前に夫に死なれたら再婚しないといけなくなる。絶対そうしなければならい訳ではないけど、親族にクドクド言われるに違いない。
どちらにしても、私が嫁ぐとなれば子爵家以下の貴族になるだろう。子爵家に嫁げれば、万々歳よ。
けど私は、貴族の生活は好きじゃないのよね。
正確に言えば、つまんない!
婦人になってもドレスを着てお茶会をする程度。
そもそも男爵家や子爵家は、実家の家の手伝いをしている者が多い。お父様もそう。
だから夫の手伝いなど何もないのよ。
子育てだって、手のかかる時期は乳母が面倒を見てくれる。
しかも最悪なのが、親族の集まり。
婦人同士で牽制しあうらしい。あぁ嫌だ。本家でないものは、大変なのよ。
と言うのを継母を通して知った。
ご存じの通り、次男以降は男爵、子爵になっているのだから本家の者以外は、ほとんどが男爵家と子爵家。
でも驚く事に、私の本家は侯爵家だったのよ。
だからお父様の代で、食いっぱぐれる事はないでしょう。
ちなみに、男爵になりたくない次男坊が、結婚せずにいる事もあるという。
私の場合、独身でいても子爵のままでいられないからね。頑張って卒業しなくちゃ!
なんて考えていたら、入学式はあっという間に終わっていた。
今日は授業はないので、学園内の見学の後、お父様と家に帰るのだった。
「ファビア、大丈夫か? みんな4つ程年上のようだが」
「問題ないわ。通わせてくれてありがとう。お父様」
ポツンと独りぼっちになるのではと、心配するお父様。
まああの入学式を見ればそうよね。
中学生の中に小学生が一人混ざっている感じよね。って、これはお父様には通じない話だけど。
お父様が心配する中、私の学園生活が始まったのだった。
187
お気に入りに追加
601
あなたにおすすめの小説

【完結】許婚の子爵令息から婚約破棄を宣言されましたが、それを知った公爵家の幼馴染から溺愛されるようになりました
八重
恋愛
「ソフィ・ルヴェリエ! 貴様とは婚約破棄する!」
子爵令息エミール・エストレが言うには、侯爵令嬢から好意を抱かれており、男としてそれに応えねばならないというのだ。
失意のどん底に突き落とされたソフィ。
しかし、婚約破棄をきっかけに幼馴染の公爵令息ジル・ルノアールから溺愛されることに!
一方、エミールの両親はソフィとの婚約破棄を知って大激怒。
エミールの両親の命令で『好意の証拠』を探すが、侯爵令嬢からの好意は彼の勘違いだった。
なんとかして侯爵令嬢を口説くが、婚約者のいる彼女がなびくはずもなく……。
焦ったエミールはソフィに復縁を求めるが、時すでに遅し──

【完結】護衛騎士と令嬢の恋物語は美しい・・・傍から見ている分には
月白ヤトヒコ
恋愛
没落寸前の伯爵令嬢が、成金商人に金で買われるように望まぬ婚約させられ、悲嘆に暮れていたとき、商人が雇った護衛騎士と許されない恋に落ちた。
令嬢は屋敷のみんなに応援され、ある日恋する護衛騎士がさる高位貴族の息子だと判明した。
愛で結ばれた令嬢と護衛騎士は、商人に婚約を解消してほしいと告げ――――
婚約は解消となった。
物語のような展開。されど、物語のようにめでたしめでたしとはならなかった話。
視点は、成金の商人視点。
設定はふわっと。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

夫から「余計なことをするな」と言われたので、後は自力で頑張ってください
今川幸乃
恋愛
アスカム公爵家の跡継ぎ、ベンの元に嫁入りしたアンナは、アスカム公爵から「息子を助けてやって欲しい」と頼まれていた。幼いころから政務についての教育を受けていたアンナはベンの手が回らないことや失敗をサポートするために様々な手助けを行っていた。
しかしベンは自分が何か失敗するたびにそれをアンナのせいだと思い込み、ついに「余計なことをするな」とアンナに宣言する。
ベンは周りの人がアンナばかりを称賛することにコンプレックスを抱えており、だんだん彼女を疎ましく思ってきていた。そしてアンナと違って何もしないクラリスという令嬢を愛するようになっていく。
しかしこれまでアンナがしていたことが全部ベンに回ってくると、次第にベンは首が回らなくなってくる。
最初は「これは何かの間違えだ」と思うベンだったが、次第にアンナのありがたみに気づき始めるのだった。
一方のアンナは空いた時間を楽しんでいたが、そこである出会いをする。
【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい
春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。
そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか?
婚約者が不貞をしたのは私のせいで、
婚約破棄を命じられたのも私のせいですって?
うふふ。面白いことを仰いますわね。
※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。
※カクヨムにも投稿しています。

【完結】時戻り令嬢は復讐する
やまぐちこはる
恋愛
ソイスト侯爵令嬢ユートリーと想いあう婚約者ナイジェルス王子との結婚を楽しみにしていた。
しかしナイジェルスが長期の視察に出た数日後、ナイジェルス一行が襲撃された事を知って倒れたユートリーにも魔の手が。
自分の身に何が起きたかユートリーが理解した直後、ユートリーの命もその灯火を消した・・・と思ったが、まるで悪夢を見ていたように目が覚める。
夢だったのか、それともまさか時を遡ったのか?
迷いながらもユートリーは動き出す。
サスペンス要素ありの作品です。
設定は緩いです。
6時と18時の一日2回更新予定で、全80話です、よろしくお願い致します。

元婚約者が「俺の子を育てろ」と言って来たのでボコろうと思います。
音爽(ネソウ)
恋愛
結婚間近だった彼が使用人の娘と駆け落ちをしてしまった、私は傷心の日々を過ごしたがなんとか前を向くことに。しかし、裏切り行為から3年が経ったある日……
*体調を崩し絶不調につきリハビリ作品です。長い目でお読みいただければ幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる