28 / 79
4-6
しおりを挟む
すぐ近くに二人はいた。
「何やってるの!」
「あ、お兄ちゃん!」
「お兄ちゃんじゃないよ! リアカーで待っていてって言っただろう!」
「だって、紅葉がここのモンスターは強いからスラゼお兄ちゃんじゃ殺されるって言うから」
とサツナが泣きだした。そうするとレンカも泣き出す。っげ、泣き出した!
僕が殺されると思って来たのはいいけど、自分達も危ないとは思わないのか?
はぁ……。
「あのね、ラスがいるから大丈夫。もう泣かないでよ。それよりリアカーに……」
「そ、その子達は?」
振り向くとルイテットさんが立っていた。
「あ、ごめんなさい。待っている様に言ったんだけど……」
「おやその子動物じゃないよ。オウギモンガというモンスターだ」
それを聞いた二人は、僕の後ろに隠れた。
って、あれ? リスに見える様にしてくれているんじゃなかったの?
『あら忘れていたわ』
忘れていたって! 見つかっちゃったんだけど、どうすんの?
「あぁ、大丈夫。取り上げたりはしないから。ペットとして飼われるぐらい大人しいモンスターだから。ただその子たぶん色からして稀代だね」
「キダイ?」
聞き返すとルイテットさんは頷いた。
「突然変異したモンスターって事。飼うつもりなら鑑定してもらった方がいいかもね。狂暴そうには見えないけど、本来はFランクにもみたいないモンスターなんだけど、ランクがついているかもしれない」
「そうなるとどうなるの?」
「君達が対処出来るようなFランクならいいけどそれ以上なら届け出が必要だろう」
そういうもんだったんだ。まあでもランクはFより下だから大丈夫。
「それならもう鑑定してありますので問題ないです」
「そうか。君達も一緒に来るかい?」
「え? いいんですか?」
ルイテットさんの申し出に僕は驚いて聞いた。
「心配で来てくれたんだろう? このまま帰すのもかえって危険かもしれないし。俺は、採取さえできればいいからね」
と言った時だった。
ぴょ~んとサツナの手から抜け出し紅葉が森の中に逃げたんだ。
「待って! 紅葉! 危ないよ」
とサツナが駆けだす。
「危ないよじゃなくて!」
僕達も慌てて追いかける。草が深いので、僕からでは紅葉の姿は見えない。けどサツナは追いかけているみたいだ。
「ラス! なんとかならない!?」
『まずいわ! ずっと奥にモンスターがいる』
「モンスター?」
『ランクEよ。って、紅葉が止まったわ!』
「もうダメじゃない」
紅葉をサツナが抱き上げる。紅葉は、もぐもぐと何かを食べている。土をかき分けたのか、前両足と顔が土だらけだ。
「はぁ。もうちゃんと掴んでないとだめだろう。奥にモンスターがいるみたいだから焦ったよ」
「何!? 君、感知も持ってるの?」
とルイテットさんが驚いている。
あぁ、しまった。いるんだった……どうしよう。
『あぁ! 紅葉が食べたのって幻の芋だわ』
「芋?」
足元を見ると、紅葉がいただろう場所をラスが覗いている。僕も覗く。
「これが幻の芋?」
『食べられてしまったから価値はないかもしれないわね』
「幻の芋だって!?」
ルイテットさんがそう言ってのぞいたかと思うと、突然両手で掘り出した。そして、食べかけの芋を両手で持って顔の高さまで掲げて、マジマジと見ている。
「凄い!! これ、譲ってもらっていいかい? 君達の秘密は守るから」
「え? 秘密?」
僕に振り返りルイテットさんがうんと頷いた。
なんか嫌な汗が流れている。どの事だろうか? 紅葉? それともラス?
ルイテットさんが立ち上がった。
「スラゼくん……」
「はい」
僕の声は裏返っていた。
「何やってるの!」
「あ、お兄ちゃん!」
「お兄ちゃんじゃないよ! リアカーで待っていてって言っただろう!」
「だって、紅葉がここのモンスターは強いからスラゼお兄ちゃんじゃ殺されるって言うから」
とサツナが泣きだした。そうするとレンカも泣き出す。っげ、泣き出した!
僕が殺されると思って来たのはいいけど、自分達も危ないとは思わないのか?
はぁ……。
「あのね、ラスがいるから大丈夫。もう泣かないでよ。それよりリアカーに……」
「そ、その子達は?」
振り向くとルイテットさんが立っていた。
「あ、ごめんなさい。待っている様に言ったんだけど……」
「おやその子動物じゃないよ。オウギモンガというモンスターだ」
それを聞いた二人は、僕の後ろに隠れた。
って、あれ? リスに見える様にしてくれているんじゃなかったの?
『あら忘れていたわ』
忘れていたって! 見つかっちゃったんだけど、どうすんの?
「あぁ、大丈夫。取り上げたりはしないから。ペットとして飼われるぐらい大人しいモンスターだから。ただその子たぶん色からして稀代だね」
「キダイ?」
聞き返すとルイテットさんは頷いた。
「突然変異したモンスターって事。飼うつもりなら鑑定してもらった方がいいかもね。狂暴そうには見えないけど、本来はFランクにもみたいないモンスターなんだけど、ランクがついているかもしれない」
「そうなるとどうなるの?」
「君達が対処出来るようなFランクならいいけどそれ以上なら届け出が必要だろう」
そういうもんだったんだ。まあでもランクはFより下だから大丈夫。
「それならもう鑑定してありますので問題ないです」
「そうか。君達も一緒に来るかい?」
「え? いいんですか?」
ルイテットさんの申し出に僕は驚いて聞いた。
「心配で来てくれたんだろう? このまま帰すのもかえって危険かもしれないし。俺は、採取さえできればいいからね」
と言った時だった。
ぴょ~んとサツナの手から抜け出し紅葉が森の中に逃げたんだ。
「待って! 紅葉! 危ないよ」
とサツナが駆けだす。
「危ないよじゃなくて!」
僕達も慌てて追いかける。草が深いので、僕からでは紅葉の姿は見えない。けどサツナは追いかけているみたいだ。
「ラス! なんとかならない!?」
『まずいわ! ずっと奥にモンスターがいる』
「モンスター?」
『ランクEよ。って、紅葉が止まったわ!』
「もうダメじゃない」
紅葉をサツナが抱き上げる。紅葉は、もぐもぐと何かを食べている。土をかき分けたのか、前両足と顔が土だらけだ。
「はぁ。もうちゃんと掴んでないとだめだろう。奥にモンスターがいるみたいだから焦ったよ」
「何!? 君、感知も持ってるの?」
とルイテットさんが驚いている。
あぁ、しまった。いるんだった……どうしよう。
『あぁ! 紅葉が食べたのって幻の芋だわ』
「芋?」
足元を見ると、紅葉がいただろう場所をラスが覗いている。僕も覗く。
「これが幻の芋?」
『食べられてしまったから価値はないかもしれないわね』
「幻の芋だって!?」
ルイテットさんがそう言ってのぞいたかと思うと、突然両手で掘り出した。そして、食べかけの芋を両手で持って顔の高さまで掲げて、マジマジと見ている。
「凄い!! これ、譲ってもらっていいかい? 君達の秘密は守るから」
「え? 秘密?」
僕に振り返りルイテットさんがうんと頷いた。
なんか嫌な汗が流れている。どの事だろうか? 紅葉? それともラス?
ルイテットさんが立ち上がった。
「スラゼくん……」
「はい」
僕の声は裏返っていた。
186
あなたにおすすめの小説
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
転生したので好きに生きよう!
ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。
不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。
奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。
※見切り発車感が凄い。
※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。
【完結】さようなら。毒親と毒姉に利用され、虐げられる人生はもう御免です 〜復讐として隣国の王家に嫁いだら、婚約者に溺愛されました〜
ゆうき
恋愛
父の一夜の過ちによって生を受け、聖女の力を持って生まれてしまったことで、姉に聖女の力を持って生まれてくることを望んでいた家族に虐げられて生きてきた王女セリアは、隣国との戦争を再び引き起こした大罪人として、処刑されてしまった。
しかし、それは現実で起こったことではなく、聖女の力による予知の力で見た、自分の破滅の未来だった。
生まれて初めてみた、自分の予知。しかも、予知を見てしまうと、もうその人の不幸は、内容が変えられても、不幸が起こることは変えられない。
それでも、このまま何もしなければ、身に覚えのないことで処刑されてしまう。日頃から、戦争で亡くなった母の元に早く行きたいと思っていたセリアだが、いざ破滅の未来を見たら、そんなのはまっぴら御免だと強く感じた。
幼い頃は、白馬に乗った王子様が助けに来てくれると夢見ていたが、未来は自分で勝ち取るものだと考えたセリアは、一つの疑問を口にする。
「……そもそも、どうして私がこんな仕打ちを受けなくちゃいけないの?」
初めて前向きになったセリアに浮かんだのは、疑問と――恨み。その瞬間、セリアは心に誓った。自分を虐げてきた家族と、母を奪った戦争の元凶である、隣国に復讐をしようと。
そんな彼女にとある情報が舞い込む。長年戦争をしていた隣国の王家が、友好の証として、王子の婚約者を探していると。
これは復讐に使えると思ったセリアは、その婚約者に立候補しようとするが……この時のセリアはまだ知らない。復讐をしようとしている隣国の王子が、運命の相手だということを。そして、彼に溺愛される未来が待っていることも。
これは、復讐を決意した一人の少女が、復讐と運命の相手との出会いを経て、幸せに至るまでの物語。
☆既に全話執筆、予約投稿済みです☆
留学してたら、愚昧がやらかした件。
庭にハニワ
ファンタジー
バカだアホだ、と思っちゃいたが、本当に愚かしい妹。老害と化した祖父母に甘やかし放題されて、聖女気取りで日々暮らしてるらしい。どうしてくれよう……。
R−15は基本です。
追放された薬師でしたが、特に気にもしていません
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。
まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。
だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥
たまにやりたくなる短編。
ちょっと連載作品
「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる