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最終章 魔術師なのはヒミツで薬師になりました
最終話
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ティモシーは今、エクランド国にルーファスと共に戻り、ハミッシュがいるレオナールの部屋にいた。
戻ってすぐにちゃんとした治療を受け、ダグと一緒に部屋に。ヒースもソファーの向かい側に座っている。
ダグは何か言いたげに、先ほどからティモシーをジッと見つめていた。
「……な、何?」
「何じゃないだろう? 俺を投げ飛ばしてまで出て行って、怪我してルーファス王子と帰って来て……」
「あ、ごめん。怪我しなかった?」
そう言えば投げ飛ばしたんだったと謝ると、ダグは大きなため息をついた。
「俺が言いたいのはそうじゃなくて……」
「俺からは話せないから……。事が大き過ぎて。今でも信じられない……」
(母さんが女王って……)
今度はティモシーがため息をついた。
レオナールの事も聞きたかったが、答えてもらなさそうだとダグは諦める。
トントントンとドアがノックされ、グスターファス、ルーファス、コーデリア、最後にランフレッドが部屋に入って来た。
コーデリアもグスターファスに話をする為に、そして息子のハミッシュに会う為にエクランド国に寄ったのである。
「コーデリア様!」
驚いてヒースは立ち上がった。
「え? 母上? っつ……」
ハミッシュも驚いて体も起こすも痛みで顔を歪める。
「生きて……」
「無理をしないで、寝ていなさい」
ハミッシュは涙を浮かべ、首を横に振る。
「こんな目に遭わせてごめんなさいね」
「これは母上のせいじゃない……」
「いいえ。私のせいなの。これからの事もあるわ。……話を聞いてほしいの」
コーデリアは、ハミッシュの右手をギュッと両手で握って言った。
「魔術師だと名乗ってとレオナールに言ったのは私なの」
「え……?!」
ハミッシュは驚いて目を見開き、コーデリアを見た。驚く彼に、自分達を守る為に国を強化しようと思い立つも昔の事を知られたくなかった為、レオナールに魔術師と名乗らせ国を強化した事を話して聞かせた。
「嘘……。って、どうして今更そんな話を?」
「兄弟で仲良くしてほしいのよ。私の過去はギデオンにも話すつもりだし、あなた達に隠す必要がなくなったの。これからは彼を支えてほしいの」
「支えろと言われても……」
ハミッシュはそう言って俯いた。
兄弟仲良くなったところで、エクランド国との仲はどうにもならない。協定を破棄しルーファスの前で薬師を襲ったのだ。しかも戦争の噂まで流れている。
薬師の国と協定を結んでいるからこそ、他国との国交が成り立っている。それが敵対したとなれば、経済的な面で窮地に立たされるだろう。だがそうしなければ、コーデリアもギデオンもそしてレオナールも助ける事はできなかった。
「心配はない。我が国エクランド国とハルフォード国は、再び協定を結ぶ運びになった」
ハミッシュは驚いてグスターファスを見上げた。彼は優しく微笑んでいた。
「レオナール殿が上手く動いてくれた。我が国は、ハルフォード国それと復活するラミアズア国と協定を結ぶ事になった。これから忙しくなる。彼を支えてあげてほしい」
「……あの人に敵わないな。グスターファス王、このたびは多大なるご迷惑をお掛けし申し訳ありませんでした。……遅くなりましたが、助けて頂きありがとうございます」
やっとハミッシュは、気が休まる思いだった。ここにいてもハルフォード国の事はわからず、戦争の噂でレオナールの安否も危ういと思っていた。それをレオナールが何とかしてくれた。
ずっと何故と疑問だった魔術師と名乗った訳もわかった。あの時からわだかまりがあり、口もほとんど聞かなかくなっていた。
ここにきて、一気に解決していったのだった――。
☆ ☆ ☆
――それから、怒涛の展開が繰り広げられた。
ミュアンがレオナールを引き連れてサラスチニ国を訪れ、ユテラティーネとロムーアンドは、素直に降伏しミュアンがラミアズア国の復活を宣言。その後、ハルフォード国とエクランド国、ラミアズア国は協定を結び平和宣言をする。
サラスチニ国が魔術師の組織だった事は知れ渡り、ハルフォード国と同じ魔術師の国だったと世界を揺るがした!
勿論、復活したラミアズア国も魔術師の国という事になり、魔術師の国二カ国が協定を結んだ事を危惧する国も現れるもヴィルターヌ帝国の提案で、ラミアズア国を魔術を使えない国にする事になった。
ラミアズア国は、薬師の国を掲げたからである。
その役目をレオナールが担った。世界中が見守る中、トライアングルを展開し魔術を封印して見せたのである。
こうして当初の目論見通り事は進み、『魔力を練れなくする魔力』の事は表に出る事無く伏せる事が出来た。
ユテラティーネとロムーアンドは、ラミアズア国で過ごし国から出ずに暮らす事を約束し、二人も薬師になる事を誓った。彼女達は責任を持ってミュアンが監視する事になった。
トンマーゾもラミアズア国に残り、マイスターを取り医者として過ごす事になる。
そしてクレの様に魔術師の組織の一員だったものもラミアズア国で薬師として働く事になった。
資格を持っていない者達も直ぐに薬師になり、エクランド国で技術を盗んでいた事は伏せられているので、薬師の国として注目を浴びる。
エイブもまた、ザイダと一緒に一先ずはラミアズア国でマイスターを取得するまで過ごす事にする。
そして、『魔術師なのはヒミツで薬師になりました』という者達で、ラミアズア国は溢れていったのである――。
戻ってすぐにちゃんとした治療を受け、ダグと一緒に部屋に。ヒースもソファーの向かい側に座っている。
ダグは何か言いたげに、先ほどからティモシーをジッと見つめていた。
「……な、何?」
「何じゃないだろう? 俺を投げ飛ばしてまで出て行って、怪我してルーファス王子と帰って来て……」
「あ、ごめん。怪我しなかった?」
そう言えば投げ飛ばしたんだったと謝ると、ダグは大きなため息をついた。
「俺が言いたいのはそうじゃなくて……」
「俺からは話せないから……。事が大き過ぎて。今でも信じられない……」
(母さんが女王って……)
今度はティモシーがため息をついた。
レオナールの事も聞きたかったが、答えてもらなさそうだとダグは諦める。
トントントンとドアがノックされ、グスターファス、ルーファス、コーデリア、最後にランフレッドが部屋に入って来た。
コーデリアもグスターファスに話をする為に、そして息子のハミッシュに会う為にエクランド国に寄ったのである。
「コーデリア様!」
驚いてヒースは立ち上がった。
「え? 母上? っつ……」
ハミッシュも驚いて体も起こすも痛みで顔を歪める。
「生きて……」
「無理をしないで、寝ていなさい」
ハミッシュは涙を浮かべ、首を横に振る。
「こんな目に遭わせてごめんなさいね」
「これは母上のせいじゃない……」
「いいえ。私のせいなの。これからの事もあるわ。……話を聞いてほしいの」
コーデリアは、ハミッシュの右手をギュッと両手で握って言った。
「魔術師だと名乗ってとレオナールに言ったのは私なの」
「え……?!」
ハミッシュは驚いて目を見開き、コーデリアを見た。驚く彼に、自分達を守る為に国を強化しようと思い立つも昔の事を知られたくなかった為、レオナールに魔術師と名乗らせ国を強化した事を話して聞かせた。
「嘘……。って、どうして今更そんな話を?」
「兄弟で仲良くしてほしいのよ。私の過去はギデオンにも話すつもりだし、あなた達に隠す必要がなくなったの。これからは彼を支えてほしいの」
「支えろと言われても……」
ハミッシュはそう言って俯いた。
兄弟仲良くなったところで、エクランド国との仲はどうにもならない。協定を破棄しルーファスの前で薬師を襲ったのだ。しかも戦争の噂まで流れている。
薬師の国と協定を結んでいるからこそ、他国との国交が成り立っている。それが敵対したとなれば、経済的な面で窮地に立たされるだろう。だがそうしなければ、コーデリアもギデオンもそしてレオナールも助ける事はできなかった。
「心配はない。我が国エクランド国とハルフォード国は、再び協定を結ぶ運びになった」
ハミッシュは驚いてグスターファスを見上げた。彼は優しく微笑んでいた。
「レオナール殿が上手く動いてくれた。我が国は、ハルフォード国それと復活するラミアズア国と協定を結ぶ事になった。これから忙しくなる。彼を支えてあげてほしい」
「……あの人に敵わないな。グスターファス王、このたびは多大なるご迷惑をお掛けし申し訳ありませんでした。……遅くなりましたが、助けて頂きありがとうございます」
やっとハミッシュは、気が休まる思いだった。ここにいてもハルフォード国の事はわからず、戦争の噂でレオナールの安否も危ういと思っていた。それをレオナールが何とかしてくれた。
ずっと何故と疑問だった魔術師と名乗った訳もわかった。あの時からわだかまりがあり、口もほとんど聞かなかくなっていた。
ここにきて、一気に解決していったのだった――。
☆ ☆ ☆
――それから、怒涛の展開が繰り広げられた。
ミュアンがレオナールを引き連れてサラスチニ国を訪れ、ユテラティーネとロムーアンドは、素直に降伏しミュアンがラミアズア国の復活を宣言。その後、ハルフォード国とエクランド国、ラミアズア国は協定を結び平和宣言をする。
サラスチニ国が魔術師の組織だった事は知れ渡り、ハルフォード国と同じ魔術師の国だったと世界を揺るがした!
勿論、復活したラミアズア国も魔術師の国という事になり、魔術師の国二カ国が協定を結んだ事を危惧する国も現れるもヴィルターヌ帝国の提案で、ラミアズア国を魔術を使えない国にする事になった。
ラミアズア国は、薬師の国を掲げたからである。
その役目をレオナールが担った。世界中が見守る中、トライアングルを展開し魔術を封印して見せたのである。
こうして当初の目論見通り事は進み、『魔力を練れなくする魔力』の事は表に出る事無く伏せる事が出来た。
ユテラティーネとロムーアンドは、ラミアズア国で過ごし国から出ずに暮らす事を約束し、二人も薬師になる事を誓った。彼女達は責任を持ってミュアンが監視する事になった。
トンマーゾもラミアズア国に残り、マイスターを取り医者として過ごす事になる。
そしてクレの様に魔術師の組織の一員だったものもラミアズア国で薬師として働く事になった。
資格を持っていない者達も直ぐに薬師になり、エクランド国で技術を盗んでいた事は伏せられているので、薬師の国として注目を浴びる。
エイブもまた、ザイダと一緒に一先ずはラミアズア国でマイスターを取得するまで過ごす事にする。
そして、『魔術師なのはヒミツで薬師になりました』という者達で、ラミアズア国は溢れていったのである――。
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