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最終章 魔術師なのはヒミツで薬師になりました
第百八十九話
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「で、俺は話したけどどうするんだ? ミュアン」
ジッとトンマーゾはミュアンを見つめるもフッと顔を上げた。そして遠くを見つめる。
「レオ殿!」
皆その声に振り返った。ルーファス達がこちらに向かって来ていた。
「何故、ここに……」
「っち。ミュアン、兎に角封印は解くな! 行くぞクレ!」
「お待ちなさい!」
その場から去ろうとするトンマーゾの腕をガシッとレオナールは掴む。
「あなたは証人です! 一緒に来てもらいます!」
「悪いが大人しく捕まるつもりはない。手を離さないと魔術で吹っ飛ばすぞ」
「彼を殺した件なら、私がちゃんと説明します。ですから……」
「組織の頭をやったんだ。組織の連中がだまっちゃいないさ。魔術の世界の復活を邪魔されたんだからな。連中からすれば個人的な恨みで殺されて、志半ばにして俺に裏切られた形だ。まあそれで俺が死ぬのはいいさ。だがこのままだとクレも狙われるんでな」
「それはわかりますがこのまま逃げれば、我々と組織の連中に追われる事になりますが?」
「ではこうしませんか?」
そう言ってミュアンは立ち上がった。彼女はレオナールの方ではなく、こちらに向かって来る者達の方を見ていた。
「四カ国協定をまた結ぶのです」
レオナール達は、ミュアンからこちらに向かって来る――ルーファス、ランフレッドそしてピルッガに目をやった。
「まさか四カ国とは、ハルフォードとエクランド国、ヴィルターヌ帝国そしてサラスチニ国でという事でしょうか?」
レオナールの問いにミュアンは頷いた。
「彼らにとっても避けたい事だと思いますよ。私達の国が昔に行った事は」
「そうでしょうか? 大昔の事です。今は薬師が一般的です。魔術師ではなかったと嘆く者は少ないかと……」
「そうじゃないわ。あれを巡って戦争が起きるかもって話をしているのよ」
ミュアンは足場が組まれた石――封印の場所を指差した。
「まずは彼らに意見を聞きましょうか」
「……わかりました。トンマーゾ、あなたも宜しいですね?」
「ホント、王族ってどうしてそうなのかしら……」
クレがやれやれちため息をつく。
「わかったから手を離せや」
レオナールはトンマーゾの手を離した。彼らは逃げる様子はない。
「レオ殿!」
息を切らしながら砂場を走り、ルーファス達はミュアン達の場所にたどり着く。
「ランフレッド。あなたはどうしてルーファスをこんな所に連れてくるのですか」
「俺だって止めました! でもピルッガ皇太子も行くと言い出し止められませんでした!」
レオナールに咎められたランフレッドは、そう返した。
「もしかしてオズマンドがそちらに伺いましたか?」
ミュアンが聞くと三人は頷いた。
「ブラッドリーが来てレオ殿をお助け下さいと」
「って言うか三人共、それぞれ助けて欲しいって懇願してきました。……あの、ティモシーは大丈夫なんですか?」
ランフレッドは横になっているティモシーに気づき聞く。
どうやらオズマンド達は、魔術師の国であるヴィルターヌ帝国に助けを求めたようだった。そこにまだルーファス達もいて、一緒に来たのだった。
「もう大丈夫です。彼のお蔭でね」
そう言ってミュアンは、トンマーゾに振り向いた。
「レオ殿で……」
「私ではなく、トンマーゾです」
「え?」
「取りあえず順を追ってお話します」
「ここでか?」
ピルッガがそう聞くと、ミュアンが頷く。
「あなたがたの未来と私達の身の安全の為に今すぐ決めた方が宜しいと思いますよ」
「我々の未来だと?」
ピルッガの言葉にミュアンは頷く。ピルッガは横になっているティモシーをチラッと見た。
「俺は構わないが、彼女はいいのか?」
「……息子ですか? 命に別状がないので構いません」
「む、息子!?」
この場にいるピルッガだけが、ティモシーが男だと知らないかったので驚く。
「私も構わない」
ルーファスも異存はないと言うと、ミュアンは頷き話始めた――。
ジッとトンマーゾはミュアンを見つめるもフッと顔を上げた。そして遠くを見つめる。
「レオ殿!」
皆その声に振り返った。ルーファス達がこちらに向かって来ていた。
「何故、ここに……」
「っち。ミュアン、兎に角封印は解くな! 行くぞクレ!」
「お待ちなさい!」
その場から去ろうとするトンマーゾの腕をガシッとレオナールは掴む。
「あなたは証人です! 一緒に来てもらいます!」
「悪いが大人しく捕まるつもりはない。手を離さないと魔術で吹っ飛ばすぞ」
「彼を殺した件なら、私がちゃんと説明します。ですから……」
「組織の頭をやったんだ。組織の連中がだまっちゃいないさ。魔術の世界の復活を邪魔されたんだからな。連中からすれば個人的な恨みで殺されて、志半ばにして俺に裏切られた形だ。まあそれで俺が死ぬのはいいさ。だがこのままだとクレも狙われるんでな」
「それはわかりますがこのまま逃げれば、我々と組織の連中に追われる事になりますが?」
「ではこうしませんか?」
そう言ってミュアンは立ち上がった。彼女はレオナールの方ではなく、こちらに向かって来る者達の方を見ていた。
「四カ国協定をまた結ぶのです」
レオナール達は、ミュアンからこちらに向かって来る――ルーファス、ランフレッドそしてピルッガに目をやった。
「まさか四カ国とは、ハルフォードとエクランド国、ヴィルターヌ帝国そしてサラスチニ国でという事でしょうか?」
レオナールの問いにミュアンは頷いた。
「彼らにとっても避けたい事だと思いますよ。私達の国が昔に行った事は」
「そうでしょうか? 大昔の事です。今は薬師が一般的です。魔術師ではなかったと嘆く者は少ないかと……」
「そうじゃないわ。あれを巡って戦争が起きるかもって話をしているのよ」
ミュアンは足場が組まれた石――封印の場所を指差した。
「まずは彼らに意見を聞きましょうか」
「……わかりました。トンマーゾ、あなたも宜しいですね?」
「ホント、王族ってどうしてそうなのかしら……」
クレがやれやれちため息をつく。
「わかったから手を離せや」
レオナールはトンマーゾの手を離した。彼らは逃げる様子はない。
「レオ殿!」
息を切らしながら砂場を走り、ルーファス達はミュアン達の場所にたどり着く。
「ランフレッド。あなたはどうしてルーファスをこんな所に連れてくるのですか」
「俺だって止めました! でもピルッガ皇太子も行くと言い出し止められませんでした!」
レオナールに咎められたランフレッドは、そう返した。
「もしかしてオズマンドがそちらに伺いましたか?」
ミュアンが聞くと三人は頷いた。
「ブラッドリーが来てレオ殿をお助け下さいと」
「って言うか三人共、それぞれ助けて欲しいって懇願してきました。……あの、ティモシーは大丈夫なんですか?」
ランフレッドは横になっているティモシーに気づき聞く。
どうやらオズマンド達は、魔術師の国であるヴィルターヌ帝国に助けを求めたようだった。そこにまだルーファス達もいて、一緒に来たのだった。
「もう大丈夫です。彼のお蔭でね」
そう言ってミュアンは、トンマーゾに振り向いた。
「レオ殿で……」
「私ではなく、トンマーゾです」
「え?」
「取りあえず順を追ってお話します」
「ここでか?」
ピルッガがそう聞くと、ミュアンが頷く。
「あなたがたの未来と私達の身の安全の為に今すぐ決めた方が宜しいと思いますよ」
「我々の未来だと?」
ピルッガの言葉にミュアンは頷く。ピルッガは横になっているティモシーをチラッと見た。
「俺は構わないが、彼女はいいのか?」
「……息子ですか? 命に別状がないので構いません」
「む、息子!?」
この場にいるピルッガだけが、ティモシーが男だと知らないかったので驚く。
「私も構わない」
ルーファスも異存はないと言うと、ミュアンは頷き話始めた――。
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