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第十五章 謀略に始まり謀略で終わる
第百七十五話
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植物など何も生えてない岩ばかりの場所が見える近くに四人は降りた。
目の前に広がるのは、人の背丈程の岩があちこちにありそれ以外は砂地だった。ここは、岩砂漠と言われる場所だ。
「このずっと先よ。馬はここに置いて行くわ」
森を抜けてからはほとんど草木がなくなり、降りた所は木がありそこに馬をくくり付ける。
「聞いた事があります。草木が生えない砂漠と言う土地だと。本当に何もないのですね」
レオナールは、風景を眺め言った。
四人は歩き始める。下が砂で歩き辛い。しかも風が吹くと砂埃が舞って更に歩き辛くなる。
暫くすると、人が手を加えただろうと思う岩が目に飛び込んで来た。その岩に足場が組んである。
「もしかしてあれ?」
エイブが言うとミュアンは頷く。
「なるほど。岩を削ったのですね」
そこら辺にある岩は別に黒くはない。足場が組んである岩もだ。ただし、削ったと思われる場所は、黒っぽく見える。
「取りあえず、岩を囲む様に三か所に魔法陣を……」
ミュアンが話していると、人の気配を感じ四人は振り向くと岩陰に人が佇んでいた。
「コーデリアさん……」
レオナールがボソッと呟く。
彼女は頭からフード付きのローブを羽織り、こちらをジッと見つめていた。
「お久しぶりね、コーデリアさん」
「本当にレオナールと一緒に……」
ミュアンの挨拶にコーデリアは答えずそう呟く。そして俯いた。
「ミュアン様、申し訳ありません。十八年前、あなたの指示に従っていたならばこんな事にはなっていなかったのでしょうね。でもあの時は、ギデオンを普通の人にはしたくなかったのです!」
「やはり前から知り合いだったのですね……」
コーデリアは素直に頷く。
「わ、私を殺しに来たのですか?」
声が届くか届かないかのか弱い声でレオナールは聞いた。それにコーデリアは首を横に振る。
「あなたを救う為に来ました……」
「え?」
コーデリアの意外な言葉にレオナールだけではなく、全員が驚いた!
「私達を襲った時、あなたの息子ははっきりと言っていましたよ。この王子は殺されると!」
ミュアンが叫ぶとコーデリアは頷く。
「ハミッシュが何とかレオナールを救おうと言った言葉でしょう」
「意味がわかりません!」
コーデリアの言葉にレオナールは叫ぶ!
「そうですね。ミュアン様を止める為にもお話しします。ですから魔力を開放するのだけはやめてほしいのです! ハミッシュが殺されます!」
懇願するようにコーデリアは叫んだ。
「私があなたを止めれば、私の国には手出ししないと約束してもらいました! レオナール、私と一緒に戻りましょう!」
「な、何をいまさら……」
レオナールは、首を横に振る。
「ハミッシュが何故そう言ったのかお話ししますから……」
「では、聞きましょうか。私の命を狙った経緯も含めて」
レオナールではなく、ミュアンが答えるもコーデリアは頷き、静かに語り始める――。
目の前に広がるのは、人の背丈程の岩があちこちにありそれ以外は砂地だった。ここは、岩砂漠と言われる場所だ。
「このずっと先よ。馬はここに置いて行くわ」
森を抜けてからはほとんど草木がなくなり、降りた所は木がありそこに馬をくくり付ける。
「聞いた事があります。草木が生えない砂漠と言う土地だと。本当に何もないのですね」
レオナールは、風景を眺め言った。
四人は歩き始める。下が砂で歩き辛い。しかも風が吹くと砂埃が舞って更に歩き辛くなる。
暫くすると、人が手を加えただろうと思う岩が目に飛び込んで来た。その岩に足場が組んである。
「もしかしてあれ?」
エイブが言うとミュアンは頷く。
「なるほど。岩を削ったのですね」
そこら辺にある岩は別に黒くはない。足場が組んである岩もだ。ただし、削ったと思われる場所は、黒っぽく見える。
「取りあえず、岩を囲む様に三か所に魔法陣を……」
ミュアンが話していると、人の気配を感じ四人は振り向くと岩陰に人が佇んでいた。
「コーデリアさん……」
レオナールがボソッと呟く。
彼女は頭からフード付きのローブを羽織り、こちらをジッと見つめていた。
「お久しぶりね、コーデリアさん」
「本当にレオナールと一緒に……」
ミュアンの挨拶にコーデリアは答えずそう呟く。そして俯いた。
「ミュアン様、申し訳ありません。十八年前、あなたの指示に従っていたならばこんな事にはなっていなかったのでしょうね。でもあの時は、ギデオンを普通の人にはしたくなかったのです!」
「やはり前から知り合いだったのですね……」
コーデリアは素直に頷く。
「わ、私を殺しに来たのですか?」
声が届くか届かないかのか弱い声でレオナールは聞いた。それにコーデリアは首を横に振る。
「あなたを救う為に来ました……」
「え?」
コーデリアの意外な言葉にレオナールだけではなく、全員が驚いた!
「私達を襲った時、あなたの息子ははっきりと言っていましたよ。この王子は殺されると!」
ミュアンが叫ぶとコーデリアは頷く。
「ハミッシュが何とかレオナールを救おうと言った言葉でしょう」
「意味がわかりません!」
コーデリアの言葉にレオナールは叫ぶ!
「そうですね。ミュアン様を止める為にもお話しします。ですから魔力を開放するのだけはやめてほしいのです! ハミッシュが殺されます!」
懇願するようにコーデリアは叫んだ。
「私があなたを止めれば、私の国には手出ししないと約束してもらいました! レオナール、私と一緒に戻りましょう!」
「な、何をいまさら……」
レオナールは、首を横に振る。
「ハミッシュが何故そう言ったのかお話ししますから……」
「では、聞きましょうか。私の命を狙った経緯も含めて」
レオナールではなく、ミュアンが答えるもコーデリアは頷き、静かに語り始める――。
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