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第十四章 パンドラの箱
第百七十話
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「さて、今日の宿だけど素泊まり……」
「宿に泊まるの?」
ミュアンが言いかけると、ティモシーは驚く。追われているのに宿に泊まると言い出したからだ。
「泊まるわよ」
「でも、追われているんじゃ……」
「大丈夫よ。それにオズマンドを休ませたいの。聞くけど、馬車を運転出来る方はいる?」
ミュアンの質問に手を挙げたのは、ブラッドリーだけだった。
「では宿に泊まらないのであれば、彼にお願いする事になるけど?」
「何を言って! 素泊まりで宜しいです!」
ミュアンに速攻レオナールは言った。怪我を負っているブラッドリーにそんな事はさせられない。
「別にそこまで言わなくても。聞いただけなのに……」
「俺はミュアンさんに従うよ」
こうして素泊まりは決定した。
「さてでは、お二人にお伺いしたいのですが、組織ではどのような事をしていたのですか?」
レオナールは、突然前の席に座るエイブとザイダに聞いた。彼はもう立ち直ったようで以前の彼に戻っていた。
「どのような事って言われてもなぁ。俺、寝ていただけだし」
「私はクレさんと一緒に買い出しや、街の様子を見て回ってたわ」
突然問われるも、一応二人は答える。
「それだけですか?」
レオナールの確認に二人はそうだと頷いた。
「ではエイブ、怪我を負う前は何を?」
「特段何も……」
「では、あの二人以外に仲間は? 本当の魔術師の人はいましたか?」
「……何、この取り調べみたいな質問」
「はい。取り調べですので」
嫌そうにエイブが言うも、しれっとしてレオナールは答えた。
それを聞いたエイブは大きなため息をついた。
「俺は何も知らない!」
「そうですか……」
そう言ってレオナールは大人しく引き下がった。それから黙って何かを考えている様子だ。
夕方にある村についたティモシー達は、素泊まりの宿を見つけそこに宿泊する事にする。そこはエクランド国の端の村だった。
「さて、俺は買い出しに行ってくる。ティモシー行くぞ!」
「はい!」
オズマンドに呼ばれたティモシーは、直立不動で返事を返す。ミュアン以外はその光景に驚く。
「ザイダ、悪いけど二人について行ってくれる? 男二人だとどんなのを買って来るかわからないもの」
「え?!」
まさかついて行けと言われると思っていなかったザイダは驚きエイブを見た。
「ちょっと! ザイダを行かせるなら俺が行くよ!」
「あら? 私の話を聞いていなかったの? 女性もついて行ってほしいって言ったのよ。ティモシーが強いのを知っているでしょう? 教えたのはオズマンドよ」
エイブが言うもそう返される。
「じゃ、俺も一緒に……」
「追っ手は来てないから大丈夫よ。それにあなたには話しがあるの」
「………」
「あの、三人で行って来ます」
ザイダはそう言って、二人について行く。彼女は、自分が居ては話せないないようだと言う事を聞く事にした。他の者もそう思い口を挟まない。と言っても、ブラッドリーは、着いて早々にミュアンに手当をし直してもらい、薬で眠ってしまっていた。
「では、行って来ます!」
「行ってらっしゃい」
ティモシーがビシッと言うと、ミュアンが笑顔で送り出した。
「宿に泊まるの?」
ミュアンが言いかけると、ティモシーは驚く。追われているのに宿に泊まると言い出したからだ。
「泊まるわよ」
「でも、追われているんじゃ……」
「大丈夫よ。それにオズマンドを休ませたいの。聞くけど、馬車を運転出来る方はいる?」
ミュアンの質問に手を挙げたのは、ブラッドリーだけだった。
「では宿に泊まらないのであれば、彼にお願いする事になるけど?」
「何を言って! 素泊まりで宜しいです!」
ミュアンに速攻レオナールは言った。怪我を負っているブラッドリーにそんな事はさせられない。
「別にそこまで言わなくても。聞いただけなのに……」
「俺はミュアンさんに従うよ」
こうして素泊まりは決定した。
「さてでは、お二人にお伺いしたいのですが、組織ではどのような事をしていたのですか?」
レオナールは、突然前の席に座るエイブとザイダに聞いた。彼はもう立ち直ったようで以前の彼に戻っていた。
「どのような事って言われてもなぁ。俺、寝ていただけだし」
「私はクレさんと一緒に買い出しや、街の様子を見て回ってたわ」
突然問われるも、一応二人は答える。
「それだけですか?」
レオナールの確認に二人はそうだと頷いた。
「ではエイブ、怪我を負う前は何を?」
「特段何も……」
「では、あの二人以外に仲間は? 本当の魔術師の人はいましたか?」
「……何、この取り調べみたいな質問」
「はい。取り調べですので」
嫌そうにエイブが言うも、しれっとしてレオナールは答えた。
それを聞いたエイブは大きなため息をついた。
「俺は何も知らない!」
「そうですか……」
そう言ってレオナールは大人しく引き下がった。それから黙って何かを考えている様子だ。
夕方にある村についたティモシー達は、素泊まりの宿を見つけそこに宿泊する事にする。そこはエクランド国の端の村だった。
「さて、俺は買い出しに行ってくる。ティモシー行くぞ!」
「はい!」
オズマンドに呼ばれたティモシーは、直立不動で返事を返す。ミュアン以外はその光景に驚く。
「ザイダ、悪いけど二人について行ってくれる? 男二人だとどんなのを買って来るかわからないもの」
「え?!」
まさかついて行けと言われると思っていなかったザイダは驚きエイブを見た。
「ちょっと! ザイダを行かせるなら俺が行くよ!」
「あら? 私の話を聞いていなかったの? 女性もついて行ってほしいって言ったのよ。ティモシーが強いのを知っているでしょう? 教えたのはオズマンドよ」
エイブが言うもそう返される。
「じゃ、俺も一緒に……」
「追っ手は来てないから大丈夫よ。それにあなたには話しがあるの」
「………」
「あの、三人で行って来ます」
ザイダはそう言って、二人について行く。彼女は、自分が居ては話せないないようだと言う事を聞く事にした。他の者もそう思い口を挟まない。と言っても、ブラッドリーは、着いて早々にミュアンに手当をし直してもらい、薬で眠ってしまっていた。
「では、行って来ます!」
「行ってらっしゃい」
ティモシーがビシッと言うと、ミュアンが笑顔で送り出した。
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