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第十二章 たがう二人の王子

第百三十五話

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 「させるかよ!」

 カキン!
 ランフレッドが間に入り、振り下ろした剣を受け止めた!
 ハミッシュはニヤッとすると、またミュアンに走り出す。また直線状にティモシー達がいる。
 ミュアンがハッとしてハミッシュを見た。いや、ランフレッド達よりもっと遠くだ!

 「ティモシー!」

 ミュアンが叫ぶ!
 ティモシーも気づき後ろを振り向く。

 (炎! ちょっと開けた場所だけど山火事になるだろう!)

 ハミッシュはティモシーに気を取られているミュアンに剣を振り下ろす!
 カキン!

 「卑怯だぞ」

 なんとか間に入ったルーファスが、ハミッシュに言う。

 「連携プレイと言ってほしいな!」

 ハミッシュはそう返す。チラッと後ろを見れば驚く光景だった。
 ティモシーが結界を張り、炎を吸収していた!

 「何!」

 ミュアン達は安堵するも結界を解いたティモシーはぐったりと倒れ込む。

 「ティモシー!」

 倒れ込むティモシーをランフレッドが支えた。

 「……くらくらする」

 気は失わなかったもののティモシーは動けなくなった。

 「凄い結界だけど一度で魔力切れって、魔力なさすぎるんじゃないか?」

 呆れた様にハミッシュは言う。
 ミュアンは、ティモシーの方へ走り出す。

 「ランフレッドさん、ティモシーは私が! あなたはルーファス王子と一緒に彼の相手をお願いします!」

 ランフレッドは頷くとハミッシュに近づこうするが、彼はまた左手で刃を擦り、ランフレッドに光の刃を放った!

 「おっと!」

 ランフレッドは何とか交わす。

 「ルーこっちへ」

 自分が近づけないので、ルーファスがこっちに来るようにランフレッドが言うもハミッシュは、それをさせない! ルーファスに襲い掛かった!
 ルーファスは、剣を受け止めるも弾き飛ばされる!

 「な……」
 「ルー!」

 ランフレッドは、ルーファスに向かって駆けだす。
 その二人にまた遠くから放たれた魔術が飛んでいく!

 「母さん、お願い!」

 ティモシーは叫んだ! 一瞬躊躇するもミュアンは二人に近づいて結界を張った。
 ミュアンの視界にハミッシュが動くのを捕らえる。それは剣を振り上げる動作だ! 光の刃を打つ気だと思うも間に合わない!

 「ティモシー!」

 ティモシーもハッとするが、どうする事も出来ない!

 (やられる!)

 ティモシーは、ギュッと目を瞑った!
 だが、剣は振り下ろされなかった。飛んできた魔術で剣は突き飛ばされていた!
 ハッとしてハミッシュが魔術が来た方向を見ると、誰か近づいて来る。
 ティモシーも魔力を感じだハミッシュが見つめる先を見た。

 「トンマーゾさん……」
 「ふう。間に合ったか。悪いけど殺させる訳にはいかないんだ」

 トンマーゾは、ティモシーの前に立った。
 全員に緊張が走る。

 「あなたがトンマーゾですか……」
 「なるほど。確かにそっくりな親子だな」

 トンマーゾはニヤッとする。
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