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第十一章 彼らの選択

第百二十二話

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 ティモシーが目を覚ますと、複数の人達の話し声が聞こえて来た。

 「ティモシー! ティモシーが目を覚ましました!」

 ダグがそう振り返り、部屋にる人達に言った。
 ティモシーがそちらを見ると、グスターファス、ルーファス、ランフレッドにブラッドリー。そしてレオナールにイリステーナとフレアがいた。

 (勢ぞろい……)

 「ここって、レオナール王子の部屋?」

 ティモシーは、自分の部屋ではない事に気づきボソッと呟いた。

 「あぁ。そうだ」

 ダグがそう答えた。

 「具合はいかがです?」

 ソファーに座っていたレオナールが近づきティモシーに問う。

 「大丈夫です」

 ティモシーは皆が注目している中、答えながら体を起こした。

 「寝ていてもかまいませんよ」
 「いいえ。大丈夫です……」
 「まずは、お礼を言わせて下さい。あなたのお蔭で助かりました。ありがとう」

 唐突にレオナールはティモシーに軽く頭を下げた。これには、ティモシーを含め全員が驚いた。王族が普通しない行為だ。
 炎を防いだ結界の事だろう。

 「それと、申し訳ありません。エイブは救出出来ませんでした。捕らえた者が言ったアジトへ向かったのですが、逃げられた後でした」
 「そうですか……」

 ティモシーは、レオナールの言葉に俯いて答えた。

 (まだ生きているはず。殺したのなら遺体はそのまま置いて行くだろうから。まだ可能性はある!)

 皇帝を助けたら組織を抜けるというエイブの言葉をティモシーは信じていた。
 ティモシーは、ベットから降りる。

 「ティモシー?」

 ダグがそう声を掛けると、ティモシーは皆に向かって頭を下げた。

 「今まで魔術師だと黙っていてごめんなさい」

 その場がシーンと静まり帰り何も反応が無い。変だと思い顔を上げるとレオナールが困り顔だ。

 「ティモシー。私はまだ誰にも告げてませんよ」
 「え!」

 朝あった出来事を話してあると思い、魔術師だとばれていると思っていた。だからまずは謝ろうと言った言葉だった。

 「……ま、魔術師?」

 茫然としながらダグがボソッと言った。ティモシーはそれに頷く。

 「俺は、母親に言われてずっと隠していました。それをレオナール王子にバレてずっと内緒にしてもらっていたんです。俺、ずっと現実から目をそむけていました。でも俺は、母さんを魔術師の組織から守りたい! ……エイブさんも助け出したいんです。だからその……」
 「ちょっと待って! 突然過ぎて頭がついていかないんだけど……」

 ダグが、困惑した顔でティモシーに言った。

 「だよな……」

 一足先に話を聞いていたランフレッドがダグの意見に賛同する。

 「えっと。だから……」
 「私からお話ししましょう。宜しいですか? ティモシー」

 どう説明していいか戸惑うティモシーに見かねたのかレオナールがそう言った。

 「……はい。お願いします」

 レオナールは頷いて話し出す。

 「まず、ティモシーは魔術師です。それを知ったのは、彼が持っていたペンダントが魔術を封印するペンダントだった事です。作ったのはティモシーの母親です。私は先日、彼女に会いに行きました。そこで彼女が魔術師の組織に追われている身だと知ったのです」
 「二人で出掛けた先ってその人の所だったの?!」

 驚いて声を上げたのは、イリステーナだ。声を上げずとも知らなかった者を驚いた顔をしている。

 「えぇ。そうです」

 頷きレオナールは答えた。
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