122 / 192
第十一章 彼らの選択
第百二十二話
しおりを挟む
ティモシーが目を覚ますと、複数の人達の話し声が聞こえて来た。
「ティモシー! ティモシーが目を覚ましました!」
ダグがそう振り返り、部屋にる人達に言った。
ティモシーがそちらを見ると、グスターファス、ルーファス、ランフレッドにブラッドリー。そしてレオナールにイリステーナとフレアがいた。
(勢ぞろい……)
「ここって、レオナール王子の部屋?」
ティモシーは、自分の部屋ではない事に気づきボソッと呟いた。
「あぁ。そうだ」
ダグがそう答えた。
「具合はいかがです?」
ソファーに座っていたレオナールが近づきティモシーに問う。
「大丈夫です」
ティモシーは皆が注目している中、答えながら体を起こした。
「寝ていてもかまいませんよ」
「いいえ。大丈夫です……」
「まずは、お礼を言わせて下さい。あなたのお蔭で助かりました。ありがとう」
唐突にレオナールはティモシーに軽く頭を下げた。これには、ティモシーを含め全員が驚いた。王族が普通しない行為だ。
炎を防いだ結界の事だろう。
「それと、申し訳ありません。エイブは救出出来ませんでした。捕らえた者が言ったアジトへ向かったのですが、逃げられた後でした」
「そうですか……」
ティモシーは、レオナールの言葉に俯いて答えた。
(まだ生きているはず。殺したのなら遺体はそのまま置いて行くだろうから。まだ可能性はある!)
皇帝を助けたら組織を抜けるというエイブの言葉をティモシーは信じていた。
ティモシーは、ベットから降りる。
「ティモシー?」
ダグがそう声を掛けると、ティモシーは皆に向かって頭を下げた。
「今まで魔術師だと黙っていてごめんなさい」
その場がシーンと静まり帰り何も反応が無い。変だと思い顔を上げるとレオナールが困り顔だ。
「ティモシー。私はまだ誰にも告げてませんよ」
「え!」
朝あった出来事を話してあると思い、魔術師だとばれていると思っていた。だからまずは謝ろうと言った言葉だった。
「……ま、魔術師?」
茫然としながらダグがボソッと言った。ティモシーはそれに頷く。
「俺は、母親に言われてずっと隠していました。それをレオナール王子にバレてずっと内緒にしてもらっていたんです。俺、ずっと現実から目をそむけていました。でも俺は、母さんを魔術師の組織から守りたい! ……エイブさんも助け出したいんです。だからその……」
「ちょっと待って! 突然過ぎて頭がついていかないんだけど……」
ダグが、困惑した顔でティモシーに言った。
「だよな……」
一足先に話を聞いていたランフレッドがダグの意見に賛同する。
「えっと。だから……」
「私からお話ししましょう。宜しいですか? ティモシー」
どう説明していいか戸惑うティモシーに見かねたのかレオナールがそう言った。
「……はい。お願いします」
レオナールは頷いて話し出す。
「まず、ティモシーは魔術師です。それを知ったのは、彼が持っていたペンダントが魔術を封印するペンダントだった事です。作ったのはティモシーの母親です。私は先日、彼女に会いに行きました。そこで彼女が魔術師の組織に追われている身だと知ったのです」
「二人で出掛けた先ってその人の所だったの?!」
驚いて声を上げたのは、イリステーナだ。声を上げずとも知らなかった者を驚いた顔をしている。
「えぇ。そうです」
頷きレオナールは答えた。
「ティモシー! ティモシーが目を覚ましました!」
ダグがそう振り返り、部屋にる人達に言った。
ティモシーがそちらを見ると、グスターファス、ルーファス、ランフレッドにブラッドリー。そしてレオナールにイリステーナとフレアがいた。
(勢ぞろい……)
「ここって、レオナール王子の部屋?」
ティモシーは、自分の部屋ではない事に気づきボソッと呟いた。
「あぁ。そうだ」
ダグがそう答えた。
「具合はいかがです?」
ソファーに座っていたレオナールが近づきティモシーに問う。
「大丈夫です」
ティモシーは皆が注目している中、答えながら体を起こした。
「寝ていてもかまいませんよ」
「いいえ。大丈夫です……」
「まずは、お礼を言わせて下さい。あなたのお蔭で助かりました。ありがとう」
唐突にレオナールはティモシーに軽く頭を下げた。これには、ティモシーを含め全員が驚いた。王族が普通しない行為だ。
炎を防いだ結界の事だろう。
「それと、申し訳ありません。エイブは救出出来ませんでした。捕らえた者が言ったアジトへ向かったのですが、逃げられた後でした」
「そうですか……」
ティモシーは、レオナールの言葉に俯いて答えた。
(まだ生きているはず。殺したのなら遺体はそのまま置いて行くだろうから。まだ可能性はある!)
皇帝を助けたら組織を抜けるというエイブの言葉をティモシーは信じていた。
ティモシーは、ベットから降りる。
「ティモシー?」
ダグがそう声を掛けると、ティモシーは皆に向かって頭を下げた。
「今まで魔術師だと黙っていてごめんなさい」
その場がシーンと静まり帰り何も反応が無い。変だと思い顔を上げるとレオナールが困り顔だ。
「ティモシー。私はまだ誰にも告げてませんよ」
「え!」
朝あった出来事を話してあると思い、魔術師だとばれていると思っていた。だからまずは謝ろうと言った言葉だった。
「……ま、魔術師?」
茫然としながらダグがボソッと言った。ティモシーはそれに頷く。
「俺は、母親に言われてずっと隠していました。それをレオナール王子にバレてずっと内緒にしてもらっていたんです。俺、ずっと現実から目をそむけていました。でも俺は、母さんを魔術師の組織から守りたい! ……エイブさんも助け出したいんです。だからその……」
「ちょっと待って! 突然過ぎて頭がついていかないんだけど……」
ダグが、困惑した顔でティモシーに言った。
「だよな……」
一足先に話を聞いていたランフレッドがダグの意見に賛同する。
「えっと。だから……」
「私からお話ししましょう。宜しいですか? ティモシー」
どう説明していいか戸惑うティモシーに見かねたのかレオナールがそう言った。
「……はい。お願いします」
レオナールは頷いて話し出す。
「まず、ティモシーは魔術師です。それを知ったのは、彼が持っていたペンダントが魔術を封印するペンダントだった事です。作ったのはティモシーの母親です。私は先日、彼女に会いに行きました。そこで彼女が魔術師の組織に追われている身だと知ったのです」
「二人で出掛けた先ってその人の所だったの?!」
驚いて声を上げたのは、イリステーナだ。声を上げずとも知らなかった者を驚いた顔をしている。
「えぇ。そうです」
頷きレオナールは答えた。
0
お気に入りに追加
676
あなたにおすすめの小説
ネカマ姫のチート転生譚
八虚空
ファンタジー
朝、起きたら女になってた。チートも貰ったけど、大器晩成すぎて先に寿命が来るわ!
何より、ちゃんと異世界に送ってくれよ。現代社会でチート転生者とか浮くだろ!
くそ、仕方ない。せめて道連れを増やして護身を完成させねば(使命感
※Vtuber活動が作中に結構な割合で出ます
[完結]回復魔法しか使えない私が勇者パーティを追放されたが他の魔法を覚えたら最強魔法使いになりました
mikadozero
ファンタジー
3月19日 HOTランキング4位ありがとうございます。三月二十日HOTランキング2位ありがとうございます。
ーーーーーーーーーーーーー
エマは突然勇者パーティから「お前はパーティを抜けろ」と言われて追放されたエマは生きる希望を失う。
そんなところにある老人が助け舟を出す。
そのチャンスをエマは自分のものに変えようと努力をする。
努力をすると、結果がついてくるそう思い毎日を過ごしていた。
エマは一人前の冒険者になろうとしていたのだった。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
戦争から帰ってきたら、俺の婚約者が別の奴と結婚するってよ。
隣のカキ
ファンタジー
国家存亡の危機を救った英雄レイベルト。彼は幼馴染のエイミーと婚約していた。
婚約者を想い、幾つもの死線をくぐり抜けた英雄は戦後、結婚の約束を果たす為に生まれ故郷の街へと戻る。
しかし、戦争で負った傷も癒え切らぬままに故郷へと戻った彼は、信じられない光景を目の当たりにするのだった……
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
ゲームの《裏技》マスター、裏技をフル暗記したゲームの世界に転生したので裏技使って無双する
鬼来 菊
ファンタジー
飯島 小夜田(イイジマ サヨダ)は大人気VRMMORPGである、『インフィニア・ワールド』の発見されている裏技を全てフル暗記した唯一の人物である。
彼が発見した裏技は1000を優に超え、いつしか裏技(バグ)マスター、などと呼ばれていた。
ある日、飯島が目覚めるといつもなら暗い天井が視界に入るはずなのに、綺麗な青空が広がっていた。
周りを見ると、どうやら草原に寝っ転がっていたようで、髪とかを見てみると自分の使っていたアバターのものだった。
飯島は、VRを付けっぱなしで寝てしまったのだと思い、ログアウトをしようとするが……ログアウトボタンがあるはずの場所がポッカリと空いている。
まさか、バグった? と思った飯島は、急いでアイテムを使用して街に行こうとしたが、所持品が無いと出てくる。
即行ステータスなんかを見てみると、レベルが、1になっていた。
かつては裏技でレベル10000とかだったのに……と、うなだれていると、ある事に気付く。
毎日新しいプレイヤーが来るゲームなのに、人が、いないという事に。
そして飯島は瞬時に察した。
これ、『インフィニア・ワールド』の世界に転生したんじゃね?
と。
取り敢えず何か行動しなければと思い、辺りを見回すと近くに大きな石があるのに気付いた。
確かこれで出来る裏技あったなーと思ったその時、飯島に電流走る!
もしもこの世界がゲームの世界ならば、裏技も使えるんじゃね!?
そう思った飯島は即行その大きな岩に向かって走るのだった――。
※『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも投稿しています。
転生して異世界の第7王子に生まれ変わったが、魔力が0で無能者と言われ、僻地に追放されたので自由に生きる。
黒ハット
ファンタジー
ヤクザだった大宅宗一35歳は死んで記憶を持ったまま異世界の第7王子に転生する。魔力が0で魔法を使えないので、無能者と言われて王族の籍を抜かれ僻地の領主に追放される。魔法を使える事が分かって2回目の人生は前世の知識と魔法を使って領地を発展させながら自由に生きるつもりだったが、波乱万丈の人生を送る事になる
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる