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第九章 追われる者
第百四話
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先日皇帝であるモゼレスが突然倒れた。問いかけに全く反応がなく、すやすや寝ているように見える。
そこに魔術師の組織チミキナスナにモゼレスの命は預かった。返して欲しければ『文献』を渡せ。と脅迫が届く。
普通なら本人が寝ているのだからそんな脅しには乗らない。だが、相手は『文献』の事を知っていた。この文献は魔術師に関わる物だった。つまり自分達を魔術師だと知って脅して来た事になる。相手も魔術師だと思いモゼレスの精神と接触を図ろうと試みるも出来なかった。精神が抜けていた。脅迫の内容は本当だったのだ!
この組織の噂は耳にしていた。薬師達を拉致していると、そして魔術師の国ハルフォード国が乗り出し情報を得て、その情報はエクランド国も共有している事を掴んだ。そこで、魔術師の組織の情報を得る為にこっそりと探りを入れる事にする。
こっそりとなので、それなりの体裁がいるだろうと、協定を結びに来た事にした。だがそこに、レオナールが登場する。勿論予定外だった。相手は魔術師。情報通りなら手を結んだ方がいい相手だが、もしかしたら裏で魔術師の組織と繋がっていないとも限らない。彼が現れたタイミングが良すぎた為、そう勘ぐった。
早急に確認しなくてはと思っていたところに、ティモシーとレオナールが隠し通路に入って行ったのを目撃する。まずティモシーに近づき情報を得ようと試みた。だが、エクランド国に来ていた事が魔術師の組織に知れていて襲われた。
そして昨日レオナールから、襲ってきた相手は捕らえていたある魔術師の組織だと聞かされ、エイブも仲間だと聞いた。夢でとははっきり言わなかったが、ティモシーに接触を図っていたと聞く。そこで探りを入れる事にすると、ティモシーとエイブに接触したという訳だった――。
「そういう事か」
ボソッとルーファスは声を漏らす。チラッとレオナールは彼を見て、目が合うと頷いた。ルーファスは、二人が抜け出して会いに行った人物こそが魔術師の組織を知るキーパーソン――ティモシーの母親だと気づいた。
「それで、エイブとは何を話したのでしょうか?」
「父上の話をしました。彼は何も知らなかったようです。そして、もう自分は向こう側の人間だから協力は出来ないと、あなたを頼れと……」
レオナールの質問に力なくイリステーナは答えた。
「そうですか。ではティモシーは起きてすぐ、本当にあなたに話を聞きに行こうとしていたようですね。ティモシーも魔術師の組織の情報を得たいと思っているのですから……」
ランフレッドは、ガッと頭をかいた。
「それって俺にも話せない事なのかよ!」
「近すぎる者には、時には話せない事があるものなのです。ティモシーの気持ちの整理が付けば戻ってくるでしょう。今、頼れるのは私だけでしょうから……」
「随分自信が、おありなのですね?」
レオナールの言葉にイリステーナな突っ込んだ。
「あなたのように、一人で解決できる問題ではありませんので」
「それってティモシーを探しに行かないって事なのですか?」
ずっと成り行きを見ていたダグが聞いた。
「そうですね。あなたになら近い存在なので、ティモシーも心を開きやすいでしょう」
レオナールの言葉に同じ薬師だからと捕らえるが、彼は同じ『魔術師』だからという意味で言っていた。
「じゃ、俺探してきます」
「お願いします」
「頼むな」
ダグは頷いて走って行った。
そこに魔術師の組織チミキナスナにモゼレスの命は預かった。返して欲しければ『文献』を渡せ。と脅迫が届く。
普通なら本人が寝ているのだからそんな脅しには乗らない。だが、相手は『文献』の事を知っていた。この文献は魔術師に関わる物だった。つまり自分達を魔術師だと知って脅して来た事になる。相手も魔術師だと思いモゼレスの精神と接触を図ろうと試みるも出来なかった。精神が抜けていた。脅迫の内容は本当だったのだ!
この組織の噂は耳にしていた。薬師達を拉致していると、そして魔術師の国ハルフォード国が乗り出し情報を得て、その情報はエクランド国も共有している事を掴んだ。そこで、魔術師の組織の情報を得る為にこっそりと探りを入れる事にする。
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早急に確認しなくてはと思っていたところに、ティモシーとレオナールが隠し通路に入って行ったのを目撃する。まずティモシーに近づき情報を得ようと試みた。だが、エクランド国に来ていた事が魔術師の組織に知れていて襲われた。
そして昨日レオナールから、襲ってきた相手は捕らえていたある魔術師の組織だと聞かされ、エイブも仲間だと聞いた。夢でとははっきり言わなかったが、ティモシーに接触を図っていたと聞く。そこで探りを入れる事にすると、ティモシーとエイブに接触したという訳だった――。
「そういう事か」
ボソッとルーファスは声を漏らす。チラッとレオナールは彼を見て、目が合うと頷いた。ルーファスは、二人が抜け出して会いに行った人物こそが魔術師の組織を知るキーパーソン――ティモシーの母親だと気づいた。
「それで、エイブとは何を話したのでしょうか?」
「父上の話をしました。彼は何も知らなかったようです。そして、もう自分は向こう側の人間だから協力は出来ないと、あなたを頼れと……」
レオナールの質問に力なくイリステーナは答えた。
「そうですか。ではティモシーは起きてすぐ、本当にあなたに話を聞きに行こうとしていたようですね。ティモシーも魔術師の組織の情報を得たいと思っているのですから……」
ランフレッドは、ガッと頭をかいた。
「それって俺にも話せない事なのかよ!」
「近すぎる者には、時には話せない事があるものなのです。ティモシーの気持ちの整理が付けば戻ってくるでしょう。今、頼れるのは私だけでしょうから……」
「随分自信が、おありなのですね?」
レオナールの言葉にイリステーナな突っ込んだ。
「あなたのように、一人で解決できる問題ではありませんので」
「それってティモシーを探しに行かないって事なのですか?」
ずっと成り行きを見ていたダグが聞いた。
「そうですね。あなたになら近い存在なので、ティモシーも心を開きやすいでしょう」
レオナールの言葉に同じ薬師だからと捕らえるが、彼は同じ『魔術師』だからという意味で言っていた。
「じゃ、俺探してきます」
「お願いします」
「頼むな」
ダグは頷いて走って行った。
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