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第九章 追われる者
第九十八話
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「トンマーゾ! あなた、皇女狙うなど何を考えているのです!」
「おっと。こりゃ分が悪いな。命拾いしたな二人共!」
「待ちなさい!」
逃げようとするトンマーゾを追いかけようとするが、彼は黒い石をレオナールの足元に投げつけた!
レオナール達は、咄嗟にどけるもその石は爆発し地面を抉った! 砂埃が舞い上がり、土砂が周りに降り注ぐ!
(あの時と同じだ!)
三人の男に襲われた時の状況に似ていた。
視界がクリアになるとすでに、トンマーゾの姿はなかった。
「逃がしましたか」
「イリステーナ様。お怪我はありませんか?」
女性は倒れたイリステーナを起こした。
「えぇ。大丈夫です。ティモシー、大丈夫ですか?」
イリステーナは、そうティモシーに声を掛けた。ティモシーは頷いたが、その顔色は青ざめている。ジッとブラッドリーが睨む様に、ティモシーを見ていたからである。
(絶対にブラッドリーさんにバレたよな……)
レオナール達は、イリステーナが王宮を抜け出した事に気づき、探しに来たのである。イリステーナに寄り添う女性は、彼女の側近のフレアだった。
「取りあえず、王宮に戻りましょう。ブラッドリー、彼を起こして下さい」
「っは」
彼とは、ホルファンスの事だ。まだ眠りの魔術で眠っていた。
そして、ティモシー達は、馬車で王宮に戻ったのである。
王宮に着いたティモシー達は、そのままグスターファスの部屋に連れて行かれた。そこには、グスターファスとルーファス、ランフレッドそしてダグが待っていた。
ランフレッドは、ティモシー達を見ると安堵した様子を見せる。
「申し訳ありませんでした! すぐにイリステーナ皇女と気づかずに、外へ連れ出してしまいました」
部屋に入るなりホルファンスはガバット九十度腰をおり謝罪した。
「彼らは悪くありません。私がそちらの男の代わりだと言ってついて行ったのです」
ダグの方を見て、イリステーナは言う。
「ホルファンス、顔を上げなさい」
グスターファスに言われ、ホルファンスは顔を上げた。
「陛下、先にイリステーナ皇女と二人でお話をしたいのですがお許しを頂けますでしょうか?」
「わかった」
レオナールの申し出にグスターファスはうむっと頷いた。
「ありがとうございます。ブラッドリー、ちょっとこちらへ」
レオナールとブラッドリーは何やら部屋の隅で話し合う。
「ダグ、あなたはティモシーに着いていてあげてください」
「はい」
レオナールに言われ、ダグは頷く。
「では、いきましょうか」
レオナールはイリステーナを促しすと、フレアもその後を追う。
「悪いのですが二人でお話をさせて頂きたいのです。ですのであなたはここにお残り下さい」
ついて行こうとするフレアに、レオナールはそう言った。
「ですが……」
「フレア。大丈夫です」
イリステーナが言うと、フレアは頷いた。
「では、後ほど」
レオナールとイリステーナは部屋を出て行った。
「後で呼びに行くので、ダグとティモシーは部屋で待っていなさい」
「はい。では、俺の部屋におります」
グスターファスの指示にダグはそう返すと、ティモシーに行こうと声を掛け部屋を出る。二人は、ダグの部屋に向かった。
「おっと。こりゃ分が悪いな。命拾いしたな二人共!」
「待ちなさい!」
逃げようとするトンマーゾを追いかけようとするが、彼は黒い石をレオナールの足元に投げつけた!
レオナール達は、咄嗟にどけるもその石は爆発し地面を抉った! 砂埃が舞い上がり、土砂が周りに降り注ぐ!
(あの時と同じだ!)
三人の男に襲われた時の状況に似ていた。
視界がクリアになるとすでに、トンマーゾの姿はなかった。
「逃がしましたか」
「イリステーナ様。お怪我はありませんか?」
女性は倒れたイリステーナを起こした。
「えぇ。大丈夫です。ティモシー、大丈夫ですか?」
イリステーナは、そうティモシーに声を掛けた。ティモシーは頷いたが、その顔色は青ざめている。ジッとブラッドリーが睨む様に、ティモシーを見ていたからである。
(絶対にブラッドリーさんにバレたよな……)
レオナール達は、イリステーナが王宮を抜け出した事に気づき、探しに来たのである。イリステーナに寄り添う女性は、彼女の側近のフレアだった。
「取りあえず、王宮に戻りましょう。ブラッドリー、彼を起こして下さい」
「っは」
彼とは、ホルファンスの事だ。まだ眠りの魔術で眠っていた。
そして、ティモシー達は、馬車で王宮に戻ったのである。
王宮に着いたティモシー達は、そのままグスターファスの部屋に連れて行かれた。そこには、グスターファスとルーファス、ランフレッドそしてダグが待っていた。
ランフレッドは、ティモシー達を見ると安堵した様子を見せる。
「申し訳ありませんでした! すぐにイリステーナ皇女と気づかずに、外へ連れ出してしまいました」
部屋に入るなりホルファンスはガバット九十度腰をおり謝罪した。
「彼らは悪くありません。私がそちらの男の代わりだと言ってついて行ったのです」
ダグの方を見て、イリステーナは言う。
「ホルファンス、顔を上げなさい」
グスターファスに言われ、ホルファンスは顔を上げた。
「陛下、先にイリステーナ皇女と二人でお話をしたいのですがお許しを頂けますでしょうか?」
「わかった」
レオナールの申し出にグスターファスはうむっと頷いた。
「ありがとうございます。ブラッドリー、ちょっとこちらへ」
レオナールとブラッドリーは何やら部屋の隅で話し合う。
「ダグ、あなたはティモシーに着いていてあげてください」
「はい」
レオナールに言われ、ダグは頷く。
「では、いきましょうか」
レオナールはイリステーナを促しすと、フレアもその後を追う。
「悪いのですが二人でお話をさせて頂きたいのです。ですのであなたはここにお残り下さい」
ついて行こうとするフレアに、レオナールはそう言った。
「ですが……」
「フレア。大丈夫です」
イリステーナが言うと、フレアは頷いた。
「では、後ほど」
レオナールとイリステーナは部屋を出て行った。
「後で呼びに行くので、ダグとティモシーは部屋で待っていなさい」
「はい。では、俺の部屋におります」
グスターファスの指示にダグはそう返すと、ティモシーに行こうと声を掛け部屋を出る。二人は、ダグの部屋に向かった。
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