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第七章 彼と彼女の復讐劇
第七十八話
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次の朝、ティモシーは起こされずに自分で目を覚ます。
隣のベットには、ランフレッドが寝ていた。今日は午後からだと聞いていたので、起こさないように身支度をする。
「今日は自分で起きたんだな」
「え? あ、おはよう」
後はダグを待つだけとなったティモシーに、目を覚ましたランフレッドがベットの中から声を掛けて来た。
「おはよう。体調はどうだ?」
「うん。大丈夫」
ドアがノックされ、ティモシーは「いってきます」と通路に出た。予想通りザイダも居る。
「おはようございます」
「おはよう」
「あら、元気そうね。おはよう」
ティモシーが挨拶すると、二人は挨拶を返して来た。三人は調合室に歩き出す。誰も話さず、黙々と歩くだけだった。
調合室に着くと、アリックとベネットはもう来ていた。
「あ、おはよう!」
アリックは、二人に会えて嬉しそうに挨拶をする。怪我の方はだいぶよさそうだ。
「おはよう」
ベネットもティモシーが元気そうで安堵の顔を見せる。
今日の午前中は、数種類の簡単な調合をこなす。
そしてお昼に行く前に、ベネットが午後の予定を告げる。
「ダグは、今日も第一倉庫の手伝いをお願いします。ティモシーは、第八調合室のお手伝いを……」
「「え!」」
ティモシーとダグがハモった。
「それ、俺と交代できないか?」
アリックとベネットは、二人が同じ反応を示した事に驚いたが、ダグがそう提案した事に凄く驚いた。彼はあまり、そういう事には口を出さなかったからだ。
「何かあったの? 向こうもティモシーを指定してきたし。女性がいるから大丈夫だと思ったんだけど……」
「え! いや、別に……」
ティモシーは、エイブの件が絡んでいるし、知れれば心配されると濁す。
「その女が問題なんだ。エイブさんにぞっこんだったみたいで、ティモシーに逆恨みしている」
「何で言うの!」
だが隠した事をダグに言われ、ティモシーは抗議した。
「運よくなんて、そう続かないんだぞ!」
ダグは、またタイミングよく助かる事はないと言っているのだ。
「そ、そうだけど……」
「別に俺の方は、どっちでも大丈夫だから倉庫に行け」
決めるのはベネットだが、ダグはティモシーにそう命じた。
「そうね。今の感じだとそれがよさそうね。じゃ、ダグが第八調合室で、ティモシーが第一倉庫の手伝いをお願いね」
「はい……」
「アリックは、私と第二調合室に」
「はい」
アリックは頷いて返事を返した。
こうしてそれぞれ、午後の仕事についた。
ティモシーは、メジドルクと一緒に仕事をこなし、無事終了する。
「お疲れ。今更だが怪我大丈夫なのか?」
「……終わってから聞くのかよ」
メジドルクの台詞につい、ティモシーはそう漏らす。
「あははは。悪い悪い。結構元気だったからさ」
「うん。ちょっと肩が痛いだけだから……」
トントントン。
「うん? 誰だ?」
メジドルクが「あいよ」と言って、ドアを開けに行く。
(あ、ダグかな? 迎えに来てくれたのか……え?)
ティモシーは、そう思いドアが開くのを見ていると、ザイダが入って来た。そしてティモシーの左肩を掴んで壁に押し付けた!
「いった!」
「おい! 一体何を!」
驚いたメジドルクが言うも、ザイダが懐から出したナイフを見て更に驚いた。それを彼女は、ティモシーの首に押し付ける。
「ブラッドリーを呼んできて!」
(え? なんでブラッドリーさん?)
メジドルクは青い顔をして、彼女をなだめながら頷き、ブラッドリーを呼びに走った。
隣のベットには、ランフレッドが寝ていた。今日は午後からだと聞いていたので、起こさないように身支度をする。
「今日は自分で起きたんだな」
「え? あ、おはよう」
後はダグを待つだけとなったティモシーに、目を覚ましたランフレッドがベットの中から声を掛けて来た。
「おはよう。体調はどうだ?」
「うん。大丈夫」
ドアがノックされ、ティモシーは「いってきます」と通路に出た。予想通りザイダも居る。
「おはようございます」
「おはよう」
「あら、元気そうね。おはよう」
ティモシーが挨拶すると、二人は挨拶を返して来た。三人は調合室に歩き出す。誰も話さず、黙々と歩くだけだった。
調合室に着くと、アリックとベネットはもう来ていた。
「あ、おはよう!」
アリックは、二人に会えて嬉しそうに挨拶をする。怪我の方はだいぶよさそうだ。
「おはよう」
ベネットもティモシーが元気そうで安堵の顔を見せる。
今日の午前中は、数種類の簡単な調合をこなす。
そしてお昼に行く前に、ベネットが午後の予定を告げる。
「ダグは、今日も第一倉庫の手伝いをお願いします。ティモシーは、第八調合室のお手伝いを……」
「「え!」」
ティモシーとダグがハモった。
「それ、俺と交代できないか?」
アリックとベネットは、二人が同じ反応を示した事に驚いたが、ダグがそう提案した事に凄く驚いた。彼はあまり、そういう事には口を出さなかったからだ。
「何かあったの? 向こうもティモシーを指定してきたし。女性がいるから大丈夫だと思ったんだけど……」
「え! いや、別に……」
ティモシーは、エイブの件が絡んでいるし、知れれば心配されると濁す。
「その女が問題なんだ。エイブさんにぞっこんだったみたいで、ティモシーに逆恨みしている」
「何で言うの!」
だが隠した事をダグに言われ、ティモシーは抗議した。
「運よくなんて、そう続かないんだぞ!」
ダグは、またタイミングよく助かる事はないと言っているのだ。
「そ、そうだけど……」
「別に俺の方は、どっちでも大丈夫だから倉庫に行け」
決めるのはベネットだが、ダグはティモシーにそう命じた。
「そうね。今の感じだとそれがよさそうね。じゃ、ダグが第八調合室で、ティモシーが第一倉庫の手伝いをお願いね」
「はい……」
「アリックは、私と第二調合室に」
「はい」
アリックは頷いて返事を返した。
こうしてそれぞれ、午後の仕事についた。
ティモシーは、メジドルクと一緒に仕事をこなし、無事終了する。
「お疲れ。今更だが怪我大丈夫なのか?」
「……終わってから聞くのかよ」
メジドルクの台詞につい、ティモシーはそう漏らす。
「あははは。悪い悪い。結構元気だったからさ」
「うん。ちょっと肩が痛いだけだから……」
トントントン。
「うん? 誰だ?」
メジドルクが「あいよ」と言って、ドアを開けに行く。
(あ、ダグかな? 迎えに来てくれたのか……え?)
ティモシーは、そう思いドアが開くのを見ていると、ザイダが入って来た。そしてティモシーの左肩を掴んで壁に押し付けた!
「いった!」
「おい! 一体何を!」
驚いたメジドルクが言うも、ザイダが懐から出したナイフを見て更に驚いた。それを彼女は、ティモシーの首に押し付ける。
「ブラッドリーを呼んできて!」
(え? なんでブラッドリーさん?)
メジドルクは青い顔をして、彼女をなだめながら頷き、ブラッドリーを呼びに走った。
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