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第六章 真実と魔術師組織
第五十九話
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ティモシー達は、全員応接室に向かった。これから聴取する為である。だが、驚いた事に、グスターファスは作戦の事を知らなかった。
グスターファスが、応接室に来てからルーファスとレオナールが別室で説明をした。
エイブが捕まってすぐに、王宮内、森の中の探索が行われた。その時、ルーファスはエール草を発見。これは、グスターファスも知っていた。エイブが捕まった事で、レオナールに連絡を入れていたので、彼はエクランド国に向かっていた。そして着いてすぐにレオナールが確認に行くと、エール草が少し摘まれていたのである。
当初、エイブがエール草を育てていたと思っていたが、まだ本人に確認が取れていなかった。何せガッツリとブラッドリーが制裁をしたので当然である。そこで取りあえず、エール草に容易に近づけられないように、森の警備の強化を行う事になった。
その後、ティモシー達が襲われた。しかも、他国の者による誘拐事件だった。事は重大だった為、すぐに対策が取られる。薬師達の警護だ。だが、兵士が足りなかった。そこで、暫くの間薬師を交代に出勤させる事にし、森の警備も街の警護などに回した。
その時にレオナールが、ルーファスにある作戦を持ちかける。まず驚いたのが、ダグが魔術師で間違いないという事。また、エール草の犯人の目星もほぼついていたのだ。そこで第一倉庫の二人を交代で出勤させ、動きがあるか見る作戦だ。それと並行してダグに近づき、正体を暴く作戦も立てた。上手くいけば、一石二鳥である。
エール草に関しては、もしトンマーゾだった場合、警護を解除した初日に、しかも朝に摘みに行く可能性が高いだろうと。そこで、ダグを連れて森に行き窮地に立たせて、魔術を使わせようという作戦を立てる。わからない様に魔術を使ったとしても、レオナールが確認出来ればいいのである。
ダグには、連絡の手違いという事で出勤させ、偶然を装いルーファスが接触し二人で森に行く手はずだった。ランフレッドがいると相手を倒してしまう可能性がある為、魔術を使わずに終わってしまうだろうと、彼には伏せてあったが森に行く前に見つかり、ティモシーまで一緒という、ダグの方の作戦は失敗に終わったと思われた。
しかし、思わぬ結果となった。トンマーゾが魔術師だった為、結果的にダグが魔術師だとすぐに暴露される事になったのである。
今回の聴取は、相手が魔術師だとわかっているので、トンマーゾとダグが座っている後ろにブラッドリーが立ち、向かい側にティモシー、レオナール、グスターファス、ルーファスの順に座り、いつも通りルーファスの後ろにランフレッドが立つ形で行われる事になった。
「では、始めさせていただきます」
レオナールがそう言うと、グスターファスはうむっと頷いた。
「トンマーゾ。あなたはいつからエール草の栽培を行っておりましたか?」
「………」
トンマーゾは、明後日の方向を向いて、レオナールの問いには答えない。
「では、エール草をどうするつもりだったのでしょうか? 直接売りさばくつもりだったのでしょうか? それとも調合してから売り飛ばすつもりだったのでしょうか?」
「………」
その問いにも何も答えない。
「あの量からいいますと、一人でさばくのは大変だと思いますが?」
それでもレオナールは質問を続けた。
トンマーゾも黙秘を続ける。
「では、ダグの事を伺います。裏切者と言っておりましたが、彼は仲間だったのですか?」
「ち、違います!」
「あなたには聞いておりません!」
ダグが慌てて答え、レオナールに睨まれた。トンマーゾはニヤリとする。
「そうだよ。こいつは仲間だった!」
横にいるダグに振り返り、トンマーゾはやっと口を開いた。
グスターファスが、応接室に来てからルーファスとレオナールが別室で説明をした。
エイブが捕まってすぐに、王宮内、森の中の探索が行われた。その時、ルーファスはエール草を発見。これは、グスターファスも知っていた。エイブが捕まった事で、レオナールに連絡を入れていたので、彼はエクランド国に向かっていた。そして着いてすぐにレオナールが確認に行くと、エール草が少し摘まれていたのである。
当初、エイブがエール草を育てていたと思っていたが、まだ本人に確認が取れていなかった。何せガッツリとブラッドリーが制裁をしたので当然である。そこで取りあえず、エール草に容易に近づけられないように、森の警備の強化を行う事になった。
その後、ティモシー達が襲われた。しかも、他国の者による誘拐事件だった。事は重大だった為、すぐに対策が取られる。薬師達の警護だ。だが、兵士が足りなかった。そこで、暫くの間薬師を交代に出勤させる事にし、森の警備も街の警護などに回した。
その時にレオナールが、ルーファスにある作戦を持ちかける。まず驚いたのが、ダグが魔術師で間違いないという事。また、エール草の犯人の目星もほぼついていたのだ。そこで第一倉庫の二人を交代で出勤させ、動きがあるか見る作戦だ。それと並行してダグに近づき、正体を暴く作戦も立てた。上手くいけば、一石二鳥である。
エール草に関しては、もしトンマーゾだった場合、警護を解除した初日に、しかも朝に摘みに行く可能性が高いだろうと。そこで、ダグを連れて森に行き窮地に立たせて、魔術を使わせようという作戦を立てる。わからない様に魔術を使ったとしても、レオナールが確認出来ればいいのである。
ダグには、連絡の手違いという事で出勤させ、偶然を装いルーファスが接触し二人で森に行く手はずだった。ランフレッドがいると相手を倒してしまう可能性がある為、魔術を使わずに終わってしまうだろうと、彼には伏せてあったが森に行く前に見つかり、ティモシーまで一緒という、ダグの方の作戦は失敗に終わったと思われた。
しかし、思わぬ結果となった。トンマーゾが魔術師だった為、結果的にダグが魔術師だとすぐに暴露される事になったのである。
今回の聴取は、相手が魔術師だとわかっているので、トンマーゾとダグが座っている後ろにブラッドリーが立ち、向かい側にティモシー、レオナール、グスターファス、ルーファスの順に座り、いつも通りルーファスの後ろにランフレッドが立つ形で行われる事になった。
「では、始めさせていただきます」
レオナールがそう言うと、グスターファスはうむっと頷いた。
「トンマーゾ。あなたはいつからエール草の栽培を行っておりましたか?」
「………」
トンマーゾは、明後日の方向を向いて、レオナールの問いには答えない。
「では、エール草をどうするつもりだったのでしょうか? 直接売りさばくつもりだったのでしょうか? それとも調合してから売り飛ばすつもりだったのでしょうか?」
「………」
その問いにも何も答えない。
「あの量からいいますと、一人でさばくのは大変だと思いますが?」
それでもレオナールは質問を続けた。
トンマーゾも黙秘を続ける。
「では、ダグの事を伺います。裏切者と言っておりましたが、彼は仲間だったのですか?」
「ち、違います!」
「あなたには聞いておりません!」
ダグが慌てて答え、レオナールに睨まれた。トンマーゾはニヤリとする。
「そうだよ。こいつは仲間だった!」
横にいるダグに振り返り、トンマーゾはやっと口を開いた。
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