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第四章 魔術師の国の王子
第四十五話
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三人は、第一倉庫に着くと大歓迎された。
「待っていた! いやぁ、ブラッドリーさんが一気に買い付けたもんだから、凄い事になって。あ、一番手前の君は、俺の担当な」
入って早々に挨拶もなしにそう言われ、一番最初に入ったダグがその男の元へと歩いて行く。
倉庫の中には、二人の男がいた。
ダグを呼びつけた男は、緑色の髪のメジドルクと言ってもう十年程管理を任せられているベテランだ。もう一人の方は、暗い紫いの髪のトンマーゾという男で、半分の五年程で彼より少し若い。
「じゃ、俺の方はあんたな。ちっこいのは、これで今日の日付を書いてくれ」
(ちっこいの……)
ティモシーがしょげているのも気にせず、トンマーゾは説明をしていく。両手の人差し指と親指で輪を作った大きさぐらいの薬草の束に、ラベルが付いていた。そこには、薬草名が書いてある。そこに、今日の日付を書いて行くという簡単な仕事だ。
だが、量が半端なかった。ティモシーがすっぽりと入れる麻の袋に、薬草がびっちりと入った袋が十個もあった。
三人、いや五人は、買い過ぎだ! とため息をつく。
メジドルクとダグのペアは、ティモシーが日付を書いた薬草のうち、あ行からな行までをあいうえお順に並べ、トンマーゾとアリックペアは、それ以降の薬草を同じ方法で並べていく。
初めは、日付を書くのが追い付かないので、書きつつ整頓していった。
日付を書き終えたら、棚の中にある薬草を一旦順番に出し、古い日付を前にして名前順に入れ直す。これを二組は行い、ティモシーは、遅れている方を手伝った。
何とか六時過ぎに終わるも、普段使わない筋肉を使った為、腰と腕が三人共痛かった。流石慣れているせいか、メジドルクとトンマーゾは平気そうだ。
「助かった。前に大量に買い付けられた時は、新人が一人だったから全然終わらなかったが、流石三人だと早いな。ご苦労さん!」
メジドルクがそう言うと、トンマーゾも『ありがとう』と礼を言った。三人は、へろへろになって、倉庫からでた。
「すげぇ疲れた。配達の方がマシだ」
「僕もそう思う」
ダグもアリックも壁に手を突き、ぐったりとして言った。
「ランフレッドが迎えに来るまで、寝てるかな……」
「お前、何言ってるんだ! ダメに決まってるだろう!」
待合室で寝て待ってようかと呟くと、ダグと怒られてしまい、ティモシーはプクッとふくれた。
不安が残るが疲れている二人は、念を押して帰宅する。だがそれは杞憂に終わった。今日は待合室に行ってすぐに、ティモシーをランフレッドが迎えに来たのである。
「よかった。眠くて……」
「あ、いや、帰るわけじゃないんだ。レオナール王子の部屋に行くぞ。ここで待つよりはいいだろう?」
レオナール以降の台詞を小さくランフレッドが話すも、ティモシーはそれで目が覚めた。ランフレッドにすれば、彼は安全な人物なのだろうが、ティモシーにしては試す為とはいえ襲ってきた相手である。行きたくはないが、拒否出来ないのでトボトボとついて行った。
「待っていた! いやぁ、ブラッドリーさんが一気に買い付けたもんだから、凄い事になって。あ、一番手前の君は、俺の担当な」
入って早々に挨拶もなしにそう言われ、一番最初に入ったダグがその男の元へと歩いて行く。
倉庫の中には、二人の男がいた。
ダグを呼びつけた男は、緑色の髪のメジドルクと言ってもう十年程管理を任せられているベテランだ。もう一人の方は、暗い紫いの髪のトンマーゾという男で、半分の五年程で彼より少し若い。
「じゃ、俺の方はあんたな。ちっこいのは、これで今日の日付を書いてくれ」
(ちっこいの……)
ティモシーがしょげているのも気にせず、トンマーゾは説明をしていく。両手の人差し指と親指で輪を作った大きさぐらいの薬草の束に、ラベルが付いていた。そこには、薬草名が書いてある。そこに、今日の日付を書いて行くという簡単な仕事だ。
だが、量が半端なかった。ティモシーがすっぽりと入れる麻の袋に、薬草がびっちりと入った袋が十個もあった。
三人、いや五人は、買い過ぎだ! とため息をつく。
メジドルクとダグのペアは、ティモシーが日付を書いた薬草のうち、あ行からな行までをあいうえお順に並べ、トンマーゾとアリックペアは、それ以降の薬草を同じ方法で並べていく。
初めは、日付を書くのが追い付かないので、書きつつ整頓していった。
日付を書き終えたら、棚の中にある薬草を一旦順番に出し、古い日付を前にして名前順に入れ直す。これを二組は行い、ティモシーは、遅れている方を手伝った。
何とか六時過ぎに終わるも、普段使わない筋肉を使った為、腰と腕が三人共痛かった。流石慣れているせいか、メジドルクとトンマーゾは平気そうだ。
「助かった。前に大量に買い付けられた時は、新人が一人だったから全然終わらなかったが、流石三人だと早いな。ご苦労さん!」
メジドルクがそう言うと、トンマーゾも『ありがとう』と礼を言った。三人は、へろへろになって、倉庫からでた。
「すげぇ疲れた。配達の方がマシだ」
「僕もそう思う」
ダグもアリックも壁に手を突き、ぐったりとして言った。
「ランフレッドが迎えに来るまで、寝てるかな……」
「お前、何言ってるんだ! ダメに決まってるだろう!」
待合室で寝て待ってようかと呟くと、ダグと怒られてしまい、ティモシーはプクッとふくれた。
不安が残るが疲れている二人は、念を押して帰宅する。だがそれは杞憂に終わった。今日は待合室に行ってすぐに、ティモシーをランフレッドが迎えに来たのである。
「よかった。眠くて……」
「あ、いや、帰るわけじゃないんだ。レオナール王子の部屋に行くぞ。ここで待つよりはいいだろう?」
レオナール以降の台詞を小さくランフレッドが話すも、ティモシーはそれで目が覚めた。ランフレッドにすれば、彼は安全な人物なのだろうが、ティモシーにしては試す為とはいえ襲ってきた相手である。行きたくはないが、拒否出来ないのでトボトボとついて行った。
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