ランクアップ!~枕が誘(いざな)う夢の世界で……

すみ 小桜(sumitan)

文字の大きさ
上 下
46 / 61
守備は万全です

046

しおりを挟む
 私は走って村に向かっていた。だって、敵に遭遇するのが怖いもの!


 「ちょっと、ストープ!」

 「え? 何?」


 シシリーに言われ、私は立ち止まった。


 「まずは、ここら辺で、メインをランクアップさせておきましょう」

 「え? ここで?」

 「ここまでくれば、ミチルから見えないし。まあ、村に入ってからでもいいけど。他の人には、わからないから」


 振り返って見るもミチルの姿は見えない。
 そっか。私は、神官にランクを上げてもらうわけじゃないから本当に村に戻らなくてもいいのね。
 シシリーの言う通り、ランクアップしときますか。


 「ランクアップ!」


 《メインジョブ神官がランク4になりました》

 《サブジョブを一つ獲得出来ます》


 「で、サブってどうするの?」

 「そうね。ランク戦でるのなら製作者をサブにしても仕方ないわね」

 「なるほど。ところでランク戦ってどんな感じ?」

 「うーん。専用マップに移動して感じね。まだ、公開できないのよ。まあ、サブの方は、ちゃんと考慮して選んであげるから任せて頂戴!」

 「うん。宜しく」

 「では、村に向かいましょう。サブ取得して、スキル上げたらミチルを呼びましょう」


 私は頷いて、また走り出した。
 村に着くと、そのまま神殿に入り列に並んだ。


 「サブジョブを選びたいのですが」

 「なつめさんが選べるジョブはこちらになります」


 順番が来て、サブ選びを始める。


 剣士【物理攻撃力+3/けん武器攻撃力UP】
 武闘家【物理クリティカル+5/反撃】
 プーリスト【MP+20/つえヒール】
 魔法使い(氷系)【MP回復+1/つえコールド】
 巫女【つえヒール/つえ除去】
 狩人【弓攻撃/魔法防御+3】
 パン職人【SP+30/SP回復+3】
 製作者【転写/製作】
 チェンジマスター(ガード)【ガードチェンジ/HP+20】


 あ、製作者って本当にある。
 うん? チェンジマスター? これってどんなジョブ? 今回は、この二つが増えたみたいね。


 「チェンジマスターをサブにして」

 「え? わかったわ!」


 まあHP20増えるし、スキルだと思うけどガードとかついてるから防御を上げるのかも。


 「あの、チェンジマスターをお願いします」

 「ではなつめさんに、チェンジマスター(ガード)の素質を与えます。ステム様のご加護がありますように」


 サブを取得した私は、村の外に出た。
 そして、人気のないところに移る。


 「ねえ、モンスター出てこないよね?」

 「大丈夫よ。それよりスキルをあげるわよ!」

 「うん……」

 「ミチルが傍にいるとやりづらいでしょう?」

 「そうね。このガードチェンジを上げればいいのね?」


 私が聞くと、シシリーがそうだと頷いた。


 「ガードチェンジをランクアップ!」


 《ガードチェンジがランク2になりました》


 「研ぎ澄まされた技を使う者の癒しの時間。みなぎる力の源よ。蘇れ♪」


 私は、すかさずSP回復の歌を歌った。体が光に包まれる。


 「それ、ランク4までだから。そして、終わったら神官の服も一つ上げてランク4にするわよ」

 「うん。研ぎ澄まされた技を使う者の癒しの時間。漲る力の源よ。蘇れ♪」


 こうして、ガードチェンジをMAXまで上げた。


 ガードチェンジ【ランクMAX/最大MPの20%を消費して、消費したMPの3倍の値を物理防御と魔法防御に加算する】


 見て驚いた。MPを消費して防御を強化できるんだ!
 さすがMAX。消費したMPの3倍だって! 今、最大MPが35だからその20%は7で、その3倍だから21ずつ防御が増えるの? すごくない?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷

くみたろう
ファンタジー
彼女の名前は東堂翠。 怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。 最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。 その要因は手に持つ箱。 ゲーム、Anotherfantasia 体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。 「このゲームがなんぼのもんよ!!!」 怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。 「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」 ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。 それは、翠の想像を上回った。 「これが………ゲーム………?」 現実離れした世界観。 でも、確かに感じるのは現実だった。 初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。 楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。 【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】 翠は、柔らかく笑うのだった。

Free Emblem On-line

ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。 VRMMO『Free Emblem Online』 通称『F.E.O』 自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。 ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。 そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。 なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。

みみっく
ファンタジー
どうやら事故で死んでしまって、転生をしたらしい……仕事を頑張り、人間関係も上手くやっていたのにあっけなく死んでしまうなら……だったら、のんびりスローライフで過ごしたい! だけど現状は、幼馴染に巻き込まれて冒険者になる流れになってしまっている……

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

お布団から始まる異世界転生 ~寝ればたちまちスキルアップ、しかも回復機能付き!?~

雨杜屋敷
ファンタジー
目覚めるとそこは異世界で、俺は道端でお布団にくるまっていた 思わぬ″状態″で、異世界転生してしまった俺こと倉井礼二。 だがしかし! そう、俺には″お布団″がある。 いや、お布団″しか″ねーじゃん! と思っていたら、とあるスキルと組み合わせる事で とんだチートアイテムになると気づき、 しかも一緒に寝た相手にもその効果が発生すると判明してしまい…。 スキル次第で何者にでもなれる世界で、 ファンタジー好きの”元おじさん”が、 ①個性的な住人たちと紡ぐ平穏(?)な日々 ②生活費の為に、お仕事を頑張る日々 ③お布団と睡眠スキルを駆使して経験値稼ぎの日々 ④たしなむ程度の冒険者としての日々 ⑤元おじさんの成長 等を綴っていきます。 そんな物語です。 (※カクヨムにて重複掲載中です)

処理中です...