ランクアップ!~枕が誘(いざな)う夢の世界で……

すみ 小桜(sumitan)

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待っているからね。しばしのお別れ

022

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 はぁ……。
 私は大きなため息を漏らした。
 何か結構大変なんですけど。有利になるはずのスキルを使うと色々と……って、別にいいじゃない? ミチルって私より先に始めていたみたいだし、同じくガチャでユニーク持ってるよね?
 聞かれたら内緒で通せばいいじゃない! 向こうだって何らかのユニークだと思うだろうし。

 私はうんうんと頷き、開き直った!


 「気にしない事にする!」

 「そう。まあ人を気にしていたら楽しくないわよね」


 30分以上も悩んじゃったよ!
 さて、経験値が入るまで、また仕事でもこなしていますか。

 神殿で仕事を請け負い、五つ葉を採取する。

 しかしこれも飽きたなぁ。
 今度ランクアップしたら、違う場所に行ってみるかな。
 五つ葉の請け負いは出来なくなるけど、違うのが出来るかもしれないし。
 よし! そうしよう!


 「次、ランクアップしたら違う所に行ってみる!」

 「いつも突然ね。そうね。だったらミチルに護衛頼んだら? お金持って来てくれるんでしょ? 村に連れて行ってもらえばいいと思うわ」

 「あぁ、なるほど! ここに一人で来るくらいだもんね。そうするわ!」


 《プレイヤーレベルが9になりました》

 《プレイヤーレベルが10になりました》


 「あ! 上がった!」


 よし! レベル10まで上がった! ジョブをランクアップだわ!

 私は請け負っていた仕事を完了させ、木陰に急いだ。


 「ランクアップ!」


 慣れたもので、戸惑いなく遂行した。


 《メインジョブ神官がランク3になりました》

 《サブジョブを一つ獲得出来るます》


 「よし! 後はサブジョブを選ぶだけだわ!」


 私は嬉しさにスキップしながら神殿に向かっていた――。


 『ミチルだけど、これからそっちに向かうな。一時間ぐらいで着く』


 あ、ミチルだ。そうだ、村の件伝えなくちゃ。


 『で、ついでだからまた請け負ってきたぜ。今度は二件。先にお金も貰っておいたから宜しくな!』


 「は? 何それ!」


 私は叫んでいた。周りに人はいないので注目を浴びる事はなかったけど……。何勝手に請け負ってるのよ! 頼んでないじゃん!


 「それこそ、ミチルに徳などないのにね」


 シシリーは、くすくす笑いながら言った。
 お人好し何だか知らないけど、あれはお礼の一環じゃなかったの?!


 『あれ? おーい。聞こえてるか?』


 あー。はいはい。


 「ミチルへ――はい。聞こえてますよ。請け負いは今回で終わりでお願いします。私も村に行ってみたいのですが、帰り同行してもいいですか? ……どうぞ」

 『OK。じゃ、沼の前で待ってて。じゃな』


 「はぁ。取りあえず、ジョブだけ選んでおきましょうか……」

 「そうね。どこでも内容は同じですものね」


 さっきの気分はどこへやら。
 まあ、お金と経験値増えるからいいか。そして村についたらフレンド解除ね!

 神殿に入った私は、神官に話しかける。


 「あのサブジョブを選びたいのですが」

 「なつめさんが選べるジョブはこちらになります」


 剣士【物理攻撃力+3/けん武器攻撃力UP】
 武闘家【物理クリティカル+5/反撃】
 プーリスト【MP+20/つえヒール】
 魔法使い(氷系)【MP回復+1/つえコールド】
 巫女【つえヒール/つえ除去】
 狩人【弓攻撃/魔法防御+3】
 詩人【歌/マッピング】
 パン職人【SP+30/SP回復+3】


 わぁ。何かいっぱい増えてる。見ても全然わかんないんですけど。
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