ランクアップ!~枕が誘(いざな)う夢の世界で……

すみ 小桜(sumitan)

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素敵な夢のプレゼント

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 うん? ここは?

 真っ暗闇の中に何故か鏡がある。その前に私は立っているみたいで……。

 って、これ私?

 鏡に映る私は、顔は私っぽいけど何か違う……。あ! 耳だ! 耳が尖がっている! なんで? ゲームだから? それに何故下着姿?

 私は首を傾げる。


 『ようこそ! In the dream world へ!』

 「きゃ!」


 突然声を掛けられ私は飛び跳ねる程驚いた! 振り向いて更に驚いた!

 だって! 妖精さん? ツインテールの可愛い女の子がフワフワと浮いて、私の傍らにいるんだもの!


 『あ、驚かせてごめんね~。私はサポーターのシシリーです。宜しくね』

 「宜しく……」


 サポーターって人じゃないんだ。って、不思議。画像じゃなくて本当にそこにいるみたい。あ、そっか! 夢の中でゲームする感じなんだ!

 これ、触ってもいいのかな?


 『いやん』

 「あ、ごめん。触れるか試そうかと思って……」


 触れるか試す為に人差し指でつんっとしたら、シシリーさんは体を縮こまらせた。お腹あたりを突いたはずなのに、胸を隠し背を向けジッとこっちを見ている。


 『おさわり禁止ですので気をつけてくださいね!』

 「あ、ダメだったんだ。ごめんなさい」

 『では気を取り直して、キャラメイクを始めますか』

 「キャラメイク?」


 お化粧でもするのかな?

 私は、鏡に映る自身を見た。

 いや、その前に服を着させて欲しい。


 「お化粧の前に服を着たいんだけど……」

 『化粧の事ではありませんよ。あなたの設定をするんですよ。まずはお名前を決めましょう!』


 私はなるほどと頷いた。

 設定の事だったのね!


 「えっと……夏萌……」

 『漢字は使えません。平仮名かカタカナになります。また重複して名前をつけられないので、早い者勝ちです。文字数は二文字以上になります』

 「では、なつめ、でお願いします」

 『重複はないようですので、なつめで登録しますね。これからは、なつめとお呼びします。あ、私の事もシシリーでいいですよ。チュートリアル終了までサポート致します』

 「チュートリアル?」

 『なつめは、MMOはやったことありませんか?』

 「たぶんないと思います」


 シシリーは、腕を組みうんうんと頷いた。


 『ではご説明を。ゲームのやり方をゲームを進めながら説明する事をいいます』

 「そうなんだ。じゃ、やった事がなくても出来そうだね」


 うんうんとシシリーは頷く。


 『まず最初に見た目を決めましょうか。髪の色と長さはどう致しますか?』

 「あ、そういうのも決められるんだ」

 『ランダムもありますよ。瞳も色を決められるので、セットで考えるといいかもです』


 どうしようかな。みんなきっとカラフルだよね……。よし!


 「あえて黒にします! 髪の色は黒。瞳は赤……。いや、赤だと何か怖いかな? うーん。でも瞳は黒じゃなくてもいいかな? あ、紫!」

 『では、髪は黒、瞳は紫にします。髪の長さはどういたしますか?』

 「今ぐらいでいいです」


 リアルの長さは胸辺りの長さでストレート。鏡の映っている姿です。


 『了解です。こんな感じです』


 こんな感じって……。瞳しか変わってないし、近づかないとよく見えないし……。
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