10 / 12
第十話
しおりを挟む20分くらい経過した後に、ドアをノックする音が聞こえた。
コンコン。
「陸です。仁科先生が呼んでると言われまして。」
「入って。お客様にご挨拶を。」
ガチャ。
「失礼します。」
彼は上下白いツナギの姿で、ゆっくりと部屋に入ってきた。
色の白い肌、色素の薄い茶色い毛先のカールしてる髪、か細い両手足。
まるで、非現実を生きている様な雰囲気。
「先ほどの方々ですね。
改めて、初めまして。
『近藤 陸』です。」
音もなく俺の側に来て、静かに一礼をした。
「フリーライターの梶 塔矢です。
宜しく。
こっちは…。」
「私は鈴…。陸は…色が…醜い色だ。」
鈴が彼を見ながら、また目をグルグルと回し、呟いた。
「あの…?汚れてますか?畑仕事から返って着替えたんですけど。」
陸は両手を見たり、身体を見回した。
「すいません。
少し変わった子なんで気にしないで下さい。」
俺は鈴をフォローした。
鈴はまるで警戒してるかの様に陸をじっと見つめた。
「陸、少しあなたの話しを聞きたいの。
そうね…あなたの好きな事は?
子供の頃から好きだった事で構わないわ。」
そう言いながら、仁科 加奈子は俺に視線を泳がせた。
『加藤 星斗』は幼少の頃から、動物虐待や解剖に異常な興味を示していた。
確か、記事にはそう書いてあった。
彼曰く、心の場所を探していたとその後告白している。
「昆虫採集をしたりしました。
よく、田舎で昆虫採集をしに山に入りました。
丁度、今時分の季節はいいですね。
虫たちが生き生きとしていて。
鼓動まで聴こえてきそうです。
小さくても、その生態は感慨深い。
DNAのデータに忠実に行動し、規律も保たれている。
まさに理想の世界で…。」
まるで自分の話しに陶酔したかの様に目を細めて話し出した。
これが…彼の作り出した過去の記憶…。
コンコン。
「陸です。仁科先生が呼んでると言われまして。」
「入って。お客様にご挨拶を。」
ガチャ。
「失礼します。」
彼は上下白いツナギの姿で、ゆっくりと部屋に入ってきた。
色の白い肌、色素の薄い茶色い毛先のカールしてる髪、か細い両手足。
まるで、非現実を生きている様な雰囲気。
「先ほどの方々ですね。
改めて、初めまして。
『近藤 陸』です。」
音もなく俺の側に来て、静かに一礼をした。
「フリーライターの梶 塔矢です。
宜しく。
こっちは…。」
「私は鈴…。陸は…色が…醜い色だ。」
鈴が彼を見ながら、また目をグルグルと回し、呟いた。
「あの…?汚れてますか?畑仕事から返って着替えたんですけど。」
陸は両手を見たり、身体を見回した。
「すいません。
少し変わった子なんで気にしないで下さい。」
俺は鈴をフォローした。
鈴はまるで警戒してるかの様に陸をじっと見つめた。
「陸、少しあなたの話しを聞きたいの。
そうね…あなたの好きな事は?
子供の頃から好きだった事で構わないわ。」
そう言いながら、仁科 加奈子は俺に視線を泳がせた。
『加藤 星斗』は幼少の頃から、動物虐待や解剖に異常な興味を示していた。
確か、記事にはそう書いてあった。
彼曰く、心の場所を探していたとその後告白している。
「昆虫採集をしたりしました。
よく、田舎で昆虫採集をしに山に入りました。
丁度、今時分の季節はいいですね。
虫たちが生き生きとしていて。
鼓動まで聴こえてきそうです。
小さくても、その生態は感慨深い。
DNAのデータに忠実に行動し、規律も保たれている。
まさに理想の世界で…。」
まるで自分の話しに陶酔したかの様に目を細めて話し出した。
これが…彼の作り出した過去の記憶…。
17
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説

魔導師ミアの憂鬱
砂月美乃
ファンタジー
ミアは19歳、誰もが魔力を持つこの世界で、努力しているのになかなか魔力が顕現しない。師匠のルカ様は、ミアには大きな魔力があるはずと言う。そんなある日、ルカ様に提案された方法とは……?
素敵な仲間と魔導師として成長していくミアの物語。Rシーンやや多め?です。
ムーンライトノベルズさんで先行、完結済。一部改稿しています。9月からは完結まで一日2話または3話ずつ連続投稿します(すみません、ペース変更しました)。宜しくお願い致します。
白に一滴
有箱
恋愛
争いも涙もない真っ白なこの国で、どこを見ても白ばかりのこの国で、幼い頃に見た、黒をーー忌み色を身にまとったお姉さん。
僕は一度会ったきりのあの人に、恋をし続けている。どこにも見当たらない黒色を探し続けている。
そんなある日、勢いで国の禁忌を犯してしまった僕は、罰を受ける必要があると禍々しい建物へと連れて行かれる。
そこで待っていたのは、ナイフを持ったお姉さんで。
乙女ゲームの正しい進め方
みおな
恋愛
乙女ゲームの世界に転生しました。
目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。
私はこの乙女ゲームが大好きでした。
心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。
だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。
彼らには幸せになってもらいたいですから。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
ファンタジー
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)

魔王の娘。勇者にやられた父を癒すために錬金術を極める
えぞぎんぎつね
ファンタジー
魔王の治める平和な国が聖教会の勇者の卑劣な策で壊滅し、魔王も重傷を負ってしまった。
魔王の娘、幼い天才魔導師ララは父の傷を癒すため、錬金術を極めることを決意する。
素材が必要で効果も微妙な錬金術は、素材なしで色々できる魔法の下位互換とされている世界。
だが、錬金術は魔法にはできない治療ができるのだ。
魔王城に封じられていた禁断の神代の書物で修業したララは膨大な魔力と錬金術の相性の良さもあり、チートクラスの錬金術と魔法を身に着けていく。
これはララが魔法と錬金術で、世界を変えるほど大活躍する物語。
小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる