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4:望んだ転生、望んだ不調
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フェルドリーチェ侯爵家、それが俺の新しい家。
かなり裕福で、家柄的にも高位貴族に当たるらしい。そんな家の7人目の子供として生を受けて3年目。3歳の誕生日。
「ローリーお誕生日おめでとう!生まれてきてくれて、生きててくれてありがとう!!!」
そういって俺を抱きしめるのは母、クリスティーナ。
俺の新しい名前はローバリアス・フェルドリーチェ。愛称はローリー。少し小さめに産まれ、すぐに熱を出したり呼吸が乱れたり、主治医を屋敷に住まわせるほど目が離せない病弱息子。赤ちゃんの頃はミルクの嚥下が上手くできず、よく吐いていた。そして、心配してくれる家族。苦しいししんどいけれど希望通りの病弱転生だ。
フェルドリーチェ侯爵家の7番目の子供はいつ死んでもおかしくない、というのが貴族の間で噂になっているらしい。使用人が雑談しているのをベビーベッドの中から聞いた。
「ローリー!調子はどうだい?おめでとう!お兄ちゃんがプレゼントもってきたよ!」
そういってクマのぬいぐるみをくれたのは、次男のホリナスだ。彼は現在18歳で、完全なブラコン。毎日俺の部屋へ来ては抱きしめてくれる。
「ロス!……ホリナス兄さん…いたんですね……ロス、おめでとう!これ、新しい絵本だ!」
「おいおい、押すなよ!フドナス!」
「……」
俺の事をロスと呼ぶのは三男のフドナス16歳。現在プチ反抗期真っ只中のようで、みんなと同じローリーと呼ぶのはなんか嫌だとロスという呼び名で俺を呼ぶ。反抗期といっても基本的には貴族の子らしく落ち着いており、粗暴な感じはしない。ちょっと態度が刺々しくなりがちなだけだ。彼も俺のことが好きなようで、2人の時は優しい笑顔を浮かべている。他の人がいると全然笑わない。
「失礼する。…ローリーお誕生日おめでとう。体調はどうだ?プレゼントは次女に渡しておいたから、後でゆっくり開けるといい」
丁寧にノックをしてから入室したこの人は、長男のヘンリス21歳。フェルドリーチェ侯爵家を継ぐ者だ。
他にも姉が3人居るが彼女たちはまだ帰っていない。1番上の姉はもう嫁いでしまっており中々会えないので、今日も帰ってこないだろう。次女は王女の友達らしく、王宮に呼ばれてしまったらしい。朝におめでとうと伝えに来てくれた。三女は、おそらくまだ寝ている。朝食を食べ終えた時間なのだが、8歳の三女は朝食後すぐ庭に出て二度寝するのが日課なのだ。目が覚めると俺の部屋に来てくれるだろう。
それから父だが、昨日から帰れていない。有名盗賊団の一員が昨日捕まり、残党捕縛作戦中のようだった。
そうして今家にいる人にお祝いをしてもらっている俺は、絶賛高熱で寝込み中だ。
「…あ、りがとう……」
「調子はどう?まだ熱が高いわね…」
「すこし……まし……ゴホッ…ゴホゴホ…ゲホゴホ……ッ」
俺の額に触れ心配そうな母にマシだと伝えようとするとむせてしまい、フドナス兄さんが慌てて水を飲ませてくれた。
望んだ転生だったが、産まれてからずっとこの調子なので、少し後悔してしまっているが、家族や使用人に心配されるのはとても嬉しかった。
かなり裕福で、家柄的にも高位貴族に当たるらしい。そんな家の7人目の子供として生を受けて3年目。3歳の誕生日。
「ローリーお誕生日おめでとう!生まれてきてくれて、生きててくれてありがとう!!!」
そういって俺を抱きしめるのは母、クリスティーナ。
俺の新しい名前はローバリアス・フェルドリーチェ。愛称はローリー。少し小さめに産まれ、すぐに熱を出したり呼吸が乱れたり、主治医を屋敷に住まわせるほど目が離せない病弱息子。赤ちゃんの頃はミルクの嚥下が上手くできず、よく吐いていた。そして、心配してくれる家族。苦しいししんどいけれど希望通りの病弱転生だ。
フェルドリーチェ侯爵家の7番目の子供はいつ死んでもおかしくない、というのが貴族の間で噂になっているらしい。使用人が雑談しているのをベビーベッドの中から聞いた。
「ローリー!調子はどうだい?おめでとう!お兄ちゃんがプレゼントもってきたよ!」
そういってクマのぬいぐるみをくれたのは、次男のホリナスだ。彼は現在18歳で、完全なブラコン。毎日俺の部屋へ来ては抱きしめてくれる。
「ロス!……ホリナス兄さん…いたんですね……ロス、おめでとう!これ、新しい絵本だ!」
「おいおい、押すなよ!フドナス!」
「……」
俺の事をロスと呼ぶのは三男のフドナス16歳。現在プチ反抗期真っ只中のようで、みんなと同じローリーと呼ぶのはなんか嫌だとロスという呼び名で俺を呼ぶ。反抗期といっても基本的には貴族の子らしく落ち着いており、粗暴な感じはしない。ちょっと態度が刺々しくなりがちなだけだ。彼も俺のことが好きなようで、2人の時は優しい笑顔を浮かべている。他の人がいると全然笑わない。
「失礼する。…ローリーお誕生日おめでとう。体調はどうだ?プレゼントは次女に渡しておいたから、後でゆっくり開けるといい」
丁寧にノックをしてから入室したこの人は、長男のヘンリス21歳。フェルドリーチェ侯爵家を継ぐ者だ。
他にも姉が3人居るが彼女たちはまだ帰っていない。1番上の姉はもう嫁いでしまっており中々会えないので、今日も帰ってこないだろう。次女は王女の友達らしく、王宮に呼ばれてしまったらしい。朝におめでとうと伝えに来てくれた。三女は、おそらくまだ寝ている。朝食を食べ終えた時間なのだが、8歳の三女は朝食後すぐ庭に出て二度寝するのが日課なのだ。目が覚めると俺の部屋に来てくれるだろう。
それから父だが、昨日から帰れていない。有名盗賊団の一員が昨日捕まり、残党捕縛作戦中のようだった。
そうして今家にいる人にお祝いをしてもらっている俺は、絶賛高熱で寝込み中だ。
「…あ、りがとう……」
「調子はどう?まだ熱が高いわね…」
「すこし……まし……ゴホッ…ゴホゴホ…ゲホゴホ……ッ」
俺の額に触れ心配そうな母にマシだと伝えようとするとむせてしまい、フドナス兄さんが慌てて水を飲ませてくれた。
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