ゼノンカイザー

烏賊味 醂

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「と、まあざっとこんなもんかな」
「情報量が多すぎてまだ整理しきれてないですよ…」
第三独立特務隊についての説明を、小一時間くらいだろうか。矢継ぎ早に説明された。
正直、理解できていない。
「それで、俺はこれからどうすれば?」
「それなんだが…」
「…?」
ノアはどこか歯切れが悪い。
「ノアさーん!カイザーの整備終わりました…って、あ!!」
そこに、誰か入ってきた。
「キミ!あれが初めてだよね!?なのにあそこまでカイザーを動かせるなんて!リベレイションだって初めての成功だし、最後の一撃なんて!あんな出力初めて見たよ…。どうやったの!?Dアクチュエーターからの直接出力?それともDDエンジンかな…。とにかく、まだ聞きたいことが…」
「そこまでだ。マツノキ。」
「あ、あぅ…」
「この人は?」
「あぁ、彼はマツノキ。キミが乗ったドールギア。ゼノンカイザーの専属整備士だよ。」
「松ノ木優吾、21才です!よろしく!」
「はぁ、よろしく…お願いします。」
「話を戻そう。これからキミがどうするべきか…」
「なんとなく、わかってますよ。」
突如現れた機械の化け物。ノアが乗っていた機会の騎士。そして、それをリュウジが動かせた。目覚めたのは見知らぬ場所で、第三独立特務隊、という意味がわからなくともとんでもない事に巻き込まれていることぐらいはわかる。
「俺が、あれに乗るんですよね?」
「そうだ、だが…」
「いいですよ。」
「しかし!」
「もう、あの家に帰っても誰もいないし、あれに乗れば水華さんの仇も。」
「すまない…。」
《あれとはなんだ!あれとは!!》
また、壁のモニターが切り替わる。そこに映し出されたのは、
《私は皇帝ゼノンカイザーだぞ!!》
「え…?」
《全く…。急に叩き起されたかと思えばこんな若造を乗せて…!どういうつもりだ!ノア!!》
「申し訳ない!だが、キミを動かせたのはということだろ?」
《それはそうだが…》
「あ、あの!」
「《なんだ!!》」
「いや、あの…喋れるん、ですか?この人…?」
《人ではない!!》
《私は、この地球の救世主!!銀河に悲鳴が響く時、悪を滅ぼす使者が現る!天地轟雷!悪鬼断絶!正義の皇帝我の名は!!》
《ゼノォォォオオン!カイッッッザァァァァアアア!!!》
「はぁ…」
「まぁ、こんなやつだが仲良くしてやってくれ」
「カイザーさん!あとでりゅうじくんを乗せてテスト運転を三時間ほど!」
《リュウジ!まだ私はお前を認めていないからな!!》
通信が、切れた。
「前途多難…って感じだなあ…。」
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