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「…っ」
「(どこだ、ここ…)」
先の戦闘からどれくらい経ったのだろうか。
水華を殺した機械の化け物。ソレを倒したところから記憶がない。
「やぁ、お目覚めだね。リュウジクン。」
「ノアさん…あの、化け物は?」
「キミが倒した。」
「水華さんは?」
「キミと一緒にいた女性のことなら、もう…。」
「そう、ですか…。」
一縷の望みを抱いていたが、やはりあれは夢ではなかったらしい。
自分の不甲斐なさに苛立つ。
あのとき、水華の言葉を無視して自分が連れ出したせいで、彼女は死んでしまった。
あの化け物を倒したとしても、もう帰ってはこない。
「俺は、これからどうしたらいいんでしょうか…」
「そうだなぁ、彼女のための復讐、とかか?」
「そんなこと…!」
「したくはないのか?」
「え?」
「キミは、あの化け物と戦っているとき何を思った。他の連中を助けるという正義感か?自分のために戦うエゴか?違うだろう。あのときキミを動かしていたのは、紛れもなく彼女の仇に対する復讐心だ。何も知らない奴は否定するだろうが、私たちは肯定する。」
「…はい。」
実際、あの時は怒りと悲しみが混ざり合って自分でも目の前の化け物を倒すことで必死だった。
水華の仇をとる。そのために。
「…、私たち?」
思考を巡らせるうちにふと、先ほどのノアの発言が引っかかった。
「あぁ、紹介が遅れたな。」
喋りながらノアは手に持っていたコンソールを操作する。
目の前の壁はどうやら巨大なモニターだったようで、何か映し出される。
「第三独立特務隊…?」
「そう、それこそ私たちの名前だ。」
「一千年戦争は、知っているな?」
「はい。確か、外宇宙から来た敵と地球が戦って、地球が勝ったとか…」
「表向きはな。」
「え?」
「地球は、あの戦争に負けている。」
「(どこだ、ここ…)」
先の戦闘からどれくらい経ったのだろうか。
水華を殺した機械の化け物。ソレを倒したところから記憶がない。
「やぁ、お目覚めだね。リュウジクン。」
「ノアさん…あの、化け物は?」
「キミが倒した。」
「水華さんは?」
「キミと一緒にいた女性のことなら、もう…。」
「そう、ですか…。」
一縷の望みを抱いていたが、やはりあれは夢ではなかったらしい。
自分の不甲斐なさに苛立つ。
あのとき、水華の言葉を無視して自分が連れ出したせいで、彼女は死んでしまった。
あの化け物を倒したとしても、もう帰ってはこない。
「俺は、これからどうしたらいいんでしょうか…」
「そうだなぁ、彼女のための復讐、とかか?」
「そんなこと…!」
「したくはないのか?」
「え?」
「キミは、あの化け物と戦っているとき何を思った。他の連中を助けるという正義感か?自分のために戦うエゴか?違うだろう。あのときキミを動かしていたのは、紛れもなく彼女の仇に対する復讐心だ。何も知らない奴は否定するだろうが、私たちは肯定する。」
「…はい。」
実際、あの時は怒りと悲しみが混ざり合って自分でも目の前の化け物を倒すことで必死だった。
水華の仇をとる。そのために。
「…、私たち?」
思考を巡らせるうちにふと、先ほどのノアの発言が引っかかった。
「あぁ、紹介が遅れたな。」
喋りながらノアは手に持っていたコンソールを操作する。
目の前の壁はどうやら巨大なモニターだったようで、何か映し出される。
「第三独立特務隊…?」
「そう、それこそ私たちの名前だ。」
「一千年戦争は、知っているな?」
「はい。確か、外宇宙から来た敵と地球が戦って、地球が勝ったとか…」
「表向きはな。」
「え?」
「地球は、あの戦争に負けている。」
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