80 / 146
第八章
深緑の魔女の館
しおりを挟む
ダーたちは馬車が見えなくなると、ぱんぱんと全身に付着した埃をはらい、踵をかえした。いつまでも悲しみにひたってはいられない。
「お待たせしたようじゃな」
「いえ、大したことではありませぬ」
ソルンダという兵士は同情のこもった笑みで返した。
彼は若いわりに気の利く男であった。一同がベクモンドとの別れの挨拶をしているとき、すでに市壁の正門前の兵士詰め所へとおもむき、全員ぶんの入所手続きを終えていたのだ。
とりあえずの滞在期間は10日。それ以上ならば、さらに滞在許可を申請しなければならない。
ナハンデルは樹木と町が同化したような、不思議な町だった。
町の中央にはひときわ大きな巨木が立っており、それが町のランドマークとなっていた。
「なんというか、この町はエルフの里を思わせる雰囲気がありますね」
どことなく、懐かしそうな顔つきでエクセがつぶやいた。
店の立ち並ぶ通りにも、椅子代わりらしき切り株があちらこちらに見え、店の隙間には木が天を衝いている。
自然と一体化したような町並みは、大いにエルフを喜ばせた。
「まあ、こうして呆然としておっても仕方がないの」
「そうですね。すでにお昼時ですし、適当な店にて昼食を済ませて、今後の行動を決める事にしましょう」
「賛成、賛成、ごはんごはん!」
さんざんお尻の痛みに苦しめられたというのに、コニンは元気である。
さっそく一行は、ソルンダのいきつけという店を紹介してもらい、その扉をくぐった。
値段は安めの平凡なメニュー。きのこのスープに、豚の腸詰め、チーズに黒パン。
それに葡萄酒がつけば、ダーとしては大満足らしかった。
「さて、ソルンダよ、おぬしには聞いておかねばならぬことがあるわい」
一息ついてから、ダーはソルンダに尋ねた。
「私が知っていることであれば、なんなりと――」
「まず、第一の目的として、われらは深緑の魔女ヴィアンカに会わなければならぬのじゃが、彼女はナハンデルの領主の城へ滞在しておるのかの?」
答えは否だった。ヴィアンカは窮屈な城での暮らしが大嫌いで、よほどの事がない限り、自分の館にこもって何やら不気味な研究に没頭し、滅多に人前に姿をあらわさぬという。
「ふむ、ご領主どのはそのわがままを許しておる、と」
「は、まずもってこのナハンデルへ攻め込もうという命知らずもそうおらぬゆえ」
誇らしげに緑の胸甲をどんと叩くソルンダ。この領地の防衛に自信を持っていることが窺える。だが、ダーとしては、敢えて釘を刺しておかねばならぬことがある。
「……しかし、これからはそうも言っておられぬかもしれぬぞ」
「料金所での一件ですか……確かにあれは悪夢でした」
ソルンダは、ふっと表情を曇らせた。血の匂いが充満した料金所内部のようすが胸中をよぎったのだろう。
上位魔族の襲撃。
ナハンデルに住まう者にとってみれば、まさに晴天の霹靂というべき出来事だろう。
「地理的にいえば、ここナハンデルはガイアザ国境より遠いですからね。魔王軍の襲撃など、予期すらもしていませんでしたよ」
かれの理屈も最もである。魔王軍がもしガイアザを併呑し、ヴァルシパルへと侵攻するようなことがあれば、ルート的にガイアザ国境からほど近い最西端のザラマの町を目指すだろう。
それから貿易の要衝であるジェルポートを押さえ、兵糧の供給を断ち、一気に南下して王都ヴァルシパルを目指すのが最適解。わざわざ迂回して東のナハンデルへ侵攻するのは蛇足というべきであろう。
「しかし、説明したとおり、今の奴らには亜空間移動という手段がある」
「たしかに窺った話ですと、どこからでも襲撃できるというそれは脅威です。しかし、ナハンデル城砦内へ亜空間移動は不可能です。これは保障します」
「ほほう、それは大した自信じゃが、何故じゃ?」
「それこそヴィアンカ様のお力の賜物ですよ」
深緑の魔女ヴィアンカはその強大な魔力で、王都に匹敵するほどの強力な結界を、ナハンデル一帯に張り巡らしているという。
エクセは秀麗な横顔に笑みを浮かべ、
「それが本当であれば、魔法使いとしては最高レベルの力を持っていますね。これは、会うのが楽しみになってきました」
「それでは、彼女の館までは私がご案内いたしましょう。ですが、彼女はかなり気難しい方ですから、あまりゾロゾロ大勢で向かわれると、機嫌を損ねる可能性があります」
「ふむ、メンバー分けする必要がありそうじゃな」
まず道案内のソルンダは決定として、そこに魔法使いの塔から紹介状をあずかっているエクセ。四神獣の珠の回収をめざすダーが加わることになった。
他の3人は、ベールアシュで苦労した経験をもとに、宿屋の確保に向かうこととなった。
用件が終われば、中央の大木の元に集まるという約束で、一同は別れた。
「――それから、この道を右折します。さらにこの坂を昇っていき――」
「……まあ、そのへんはまかせるわい」
ソルンダはきびきびとした動作で市壁内を歩きつつ、魔女の館へ到る道をガイドする。ふたりはその後をえっちらおっちらついていく。
ナハンデルの歩道は平坦といえる場所があまりない。いたるところで木の根が、舗装された石畳を割って隆起し、でこぼこして歩きにくい。通りをすれちがう人々は、エルフとドワーフのふたり連れが珍しいのか、けっこう遠慮なくこちらを見てくる。
「注目の的になってるようじゃが、この町に亜人は珍しいのかのう」
「ははは。いえいえナハンデルでは亜人は珍しくありません。むしろ、エクセさんほどの美人が珍しいといいますか。この町で匹敵するのは、ヴィアンカ様ぐらいしかいますまい」
「ほう、ヴィアンカとはそこまで美人か」
「美人ですが、エクセさんとは対極ですね。エクセさんが静の美とするならば、ヴィアンカ様は動の美といいますか」
「なんじゃそれは。美に静も動もあるものか」
「会ってみれば、お分かりいただけますよ――」
魔女の館は、町の中心部からかなり外れた、ものさびしい位置にあった。潅木が見物人のように家の周辺をとりかこんでいる。その潅木の内側には鉄製の高い柵がさらに家を囲み、ダーはまるで他人をよせつけない偏屈な老人のように見えた。
「ここを通っていくのです」
潅木の隙間をぬうように、3人はせまい道を歩いた。鉄製の柵の隙間から、木造りの家が見える。その家は、まるで巨大な切り株をそのまま住まいにしたような、独特の形状をしていた。
「ヴィアンカ様、ソルンダです。お客様をおつれしました!!」
ソルンダが鉄製の門扉の前で大声をはりあげた。応えはない。
「通ります」と軽くその場で会釈すると、ソルンダはぐいと門扉を開いた。無用心にも、扉に鍵はかかっていなかった。扉をくぐると、ふたつの光輝が3人を捉えた。
見ると、エクセの背丈と同じくらいの高さの止まり木に、一羽のカラスがいる。
「――ナンノヨウダ」
カラスは口を開いた。
「私はエクセ=リアン、魔術師協会のフレイトゥナの紹介で来ました。あなたのご主人様におはなしがあるのです」
「ゴシュジンサマハイナイ、カエレ!!」
カラスはにべもなく言った。
「いないのですか。それは困りました……」
「ゴシュジンサマハイナイ、カエレ」
「そうかそうか、おらぬなら中で待たせてもらおう」
「ゴシュジンサマハイナイ、サッサトカエレ」
「そうか、そりゃありがたい。いやー歳を取ると耳が遠くなっていかんわい」
ダーはカラスの言葉にはまるで耳を貸さず、ずかずかと歩を進め、家の扉に手をかけた。
「ゴシュジンサマハオラヌ、ジジイカエレ!」
「そうかそうか、おらぬなら金目のものをもらっていこう」
「――聞こえてるじゃないか、ふざけるなジジイ!」
「やっぱり、おぬしが魔女だったか」
ダーはにやりと不敵に笑って振り返った。
カラスはふん、と怒りの吐息を漏らした。くるっと宙返りし、着地したときにはすでに人間の姿になっている。
身軽にとん、と地に下りた人物は、深緑のローブを身につけた妙齢の美女である。
「入りな。フレイトゥナの知り合いなら、話ぐらい聞いてやるわよ」
「お待たせしたようじゃな」
「いえ、大したことではありませぬ」
ソルンダという兵士は同情のこもった笑みで返した。
彼は若いわりに気の利く男であった。一同がベクモンドとの別れの挨拶をしているとき、すでに市壁の正門前の兵士詰め所へとおもむき、全員ぶんの入所手続きを終えていたのだ。
とりあえずの滞在期間は10日。それ以上ならば、さらに滞在許可を申請しなければならない。
ナハンデルは樹木と町が同化したような、不思議な町だった。
町の中央にはひときわ大きな巨木が立っており、それが町のランドマークとなっていた。
「なんというか、この町はエルフの里を思わせる雰囲気がありますね」
どことなく、懐かしそうな顔つきでエクセがつぶやいた。
店の立ち並ぶ通りにも、椅子代わりらしき切り株があちらこちらに見え、店の隙間には木が天を衝いている。
自然と一体化したような町並みは、大いにエルフを喜ばせた。
「まあ、こうして呆然としておっても仕方がないの」
「そうですね。すでにお昼時ですし、適当な店にて昼食を済ませて、今後の行動を決める事にしましょう」
「賛成、賛成、ごはんごはん!」
さんざんお尻の痛みに苦しめられたというのに、コニンは元気である。
さっそく一行は、ソルンダのいきつけという店を紹介してもらい、その扉をくぐった。
値段は安めの平凡なメニュー。きのこのスープに、豚の腸詰め、チーズに黒パン。
それに葡萄酒がつけば、ダーとしては大満足らしかった。
「さて、ソルンダよ、おぬしには聞いておかねばならぬことがあるわい」
一息ついてから、ダーはソルンダに尋ねた。
「私が知っていることであれば、なんなりと――」
「まず、第一の目的として、われらは深緑の魔女ヴィアンカに会わなければならぬのじゃが、彼女はナハンデルの領主の城へ滞在しておるのかの?」
答えは否だった。ヴィアンカは窮屈な城での暮らしが大嫌いで、よほどの事がない限り、自分の館にこもって何やら不気味な研究に没頭し、滅多に人前に姿をあらわさぬという。
「ふむ、ご領主どのはそのわがままを許しておる、と」
「は、まずもってこのナハンデルへ攻め込もうという命知らずもそうおらぬゆえ」
誇らしげに緑の胸甲をどんと叩くソルンダ。この領地の防衛に自信を持っていることが窺える。だが、ダーとしては、敢えて釘を刺しておかねばならぬことがある。
「……しかし、これからはそうも言っておられぬかもしれぬぞ」
「料金所での一件ですか……確かにあれは悪夢でした」
ソルンダは、ふっと表情を曇らせた。血の匂いが充満した料金所内部のようすが胸中をよぎったのだろう。
上位魔族の襲撃。
ナハンデルに住まう者にとってみれば、まさに晴天の霹靂というべき出来事だろう。
「地理的にいえば、ここナハンデルはガイアザ国境より遠いですからね。魔王軍の襲撃など、予期すらもしていませんでしたよ」
かれの理屈も最もである。魔王軍がもしガイアザを併呑し、ヴァルシパルへと侵攻するようなことがあれば、ルート的にガイアザ国境からほど近い最西端のザラマの町を目指すだろう。
それから貿易の要衝であるジェルポートを押さえ、兵糧の供給を断ち、一気に南下して王都ヴァルシパルを目指すのが最適解。わざわざ迂回して東のナハンデルへ侵攻するのは蛇足というべきであろう。
「しかし、説明したとおり、今の奴らには亜空間移動という手段がある」
「たしかに窺った話ですと、どこからでも襲撃できるというそれは脅威です。しかし、ナハンデル城砦内へ亜空間移動は不可能です。これは保障します」
「ほほう、それは大した自信じゃが、何故じゃ?」
「それこそヴィアンカ様のお力の賜物ですよ」
深緑の魔女ヴィアンカはその強大な魔力で、王都に匹敵するほどの強力な結界を、ナハンデル一帯に張り巡らしているという。
エクセは秀麗な横顔に笑みを浮かべ、
「それが本当であれば、魔法使いとしては最高レベルの力を持っていますね。これは、会うのが楽しみになってきました」
「それでは、彼女の館までは私がご案内いたしましょう。ですが、彼女はかなり気難しい方ですから、あまりゾロゾロ大勢で向かわれると、機嫌を損ねる可能性があります」
「ふむ、メンバー分けする必要がありそうじゃな」
まず道案内のソルンダは決定として、そこに魔法使いの塔から紹介状をあずかっているエクセ。四神獣の珠の回収をめざすダーが加わることになった。
他の3人は、ベールアシュで苦労した経験をもとに、宿屋の確保に向かうこととなった。
用件が終われば、中央の大木の元に集まるという約束で、一同は別れた。
「――それから、この道を右折します。さらにこの坂を昇っていき――」
「……まあ、そのへんはまかせるわい」
ソルンダはきびきびとした動作で市壁内を歩きつつ、魔女の館へ到る道をガイドする。ふたりはその後をえっちらおっちらついていく。
ナハンデルの歩道は平坦といえる場所があまりない。いたるところで木の根が、舗装された石畳を割って隆起し、でこぼこして歩きにくい。通りをすれちがう人々は、エルフとドワーフのふたり連れが珍しいのか、けっこう遠慮なくこちらを見てくる。
「注目の的になってるようじゃが、この町に亜人は珍しいのかのう」
「ははは。いえいえナハンデルでは亜人は珍しくありません。むしろ、エクセさんほどの美人が珍しいといいますか。この町で匹敵するのは、ヴィアンカ様ぐらいしかいますまい」
「ほう、ヴィアンカとはそこまで美人か」
「美人ですが、エクセさんとは対極ですね。エクセさんが静の美とするならば、ヴィアンカ様は動の美といいますか」
「なんじゃそれは。美に静も動もあるものか」
「会ってみれば、お分かりいただけますよ――」
魔女の館は、町の中心部からかなり外れた、ものさびしい位置にあった。潅木が見物人のように家の周辺をとりかこんでいる。その潅木の内側には鉄製の高い柵がさらに家を囲み、ダーはまるで他人をよせつけない偏屈な老人のように見えた。
「ここを通っていくのです」
潅木の隙間をぬうように、3人はせまい道を歩いた。鉄製の柵の隙間から、木造りの家が見える。その家は、まるで巨大な切り株をそのまま住まいにしたような、独特の形状をしていた。
「ヴィアンカ様、ソルンダです。お客様をおつれしました!!」
ソルンダが鉄製の門扉の前で大声をはりあげた。応えはない。
「通ります」と軽くその場で会釈すると、ソルンダはぐいと門扉を開いた。無用心にも、扉に鍵はかかっていなかった。扉をくぐると、ふたつの光輝が3人を捉えた。
見ると、エクセの背丈と同じくらいの高さの止まり木に、一羽のカラスがいる。
「――ナンノヨウダ」
カラスは口を開いた。
「私はエクセ=リアン、魔術師協会のフレイトゥナの紹介で来ました。あなたのご主人様におはなしがあるのです」
「ゴシュジンサマハイナイ、カエレ!!」
カラスはにべもなく言った。
「いないのですか。それは困りました……」
「ゴシュジンサマハイナイ、カエレ」
「そうかそうか、おらぬなら中で待たせてもらおう」
「ゴシュジンサマハイナイ、サッサトカエレ」
「そうか、そりゃありがたい。いやー歳を取ると耳が遠くなっていかんわい」
ダーはカラスの言葉にはまるで耳を貸さず、ずかずかと歩を進め、家の扉に手をかけた。
「ゴシュジンサマハオラヌ、ジジイカエレ!」
「そうかそうか、おらぬなら金目のものをもらっていこう」
「――聞こえてるじゃないか、ふざけるなジジイ!」
「やっぱり、おぬしが魔女だったか」
ダーはにやりと不敵に笑って振り返った。
カラスはふん、と怒りの吐息を漏らした。くるっと宙返りし、着地したときにはすでに人間の姿になっている。
身軽にとん、と地に下りた人物は、深緑のローブを身につけた妙齢の美女である。
「入りな。フレイトゥナの知り合いなら、話ぐらい聞いてやるわよ」
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?
小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」
勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。
ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。
そんなある日のこと。
何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。
『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』
どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。
……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?
私がその可能性に思い至った頃。
勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。
そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
追放したんでしょ?楽しく暮らしてるのでほっといて
だましだまし
ファンタジー
私たちの未来の王子妃を影なり日向なりと支える為に存在している。
敬愛する侯爵令嬢ディボラ様の為に切磋琢磨し、鼓舞し合い、己を磨いてきた。
決して追放に備えていた訳では無いのよ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる