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第一部 ニ章 異世界キャンパー編
水辺の多属性ロリ巫女
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それにしても、視界に映りきらない程の蟹に巡り会えるとは超絶ラッキー!
しかも、味は絶品とまで書いてある。
これは期待せずにはいられない!
早速ギンレイが捕まえてくれた個体を見ると雌のようで、ナイフを使って腹を開けてみれば、中にはギッシリと卵を抱えていた事からも、この時期は繁殖の為に大挙して生まれた川へと戻ってくる習性があるようだ。
「マ~ジっすか!
今夜のメニューは決まりだな」
水上で華麗なターンを決める初音を横目に、手頃なサイズのイワガニモドキ数匹をバケツに放り込んでからスマホを開く。
新たに購入したのは三人用のポップアップテント。
数多くあるテントの中からコレを選んだのは、雨の多い未踏の地での旅という事を考慮して、設置と撤収の早さを重視した。
夜間に大雨が降ったり、思った以上に川が増水した場合でも、手早く移動できる利点は大きいと考えたのだ。
「ちと目を離した隙に小屋が建っておるとはのう。相も変わらず面妖な術じゃわい」
大自然を舞台にしたウォーターアクティビティは余程楽しかったのだろう。
背後から聞こえた声は上機嫌といった感じで、水辺から上がった初音の方へ振り返ると…。
「お、おい!
お前、流石にそれは…マズいっすよ!」
コイツはどこまで恥じらいがないのか…。
激しいトリックに挑戦した事で初音の衣服は大きくはだけ、たっぷりと水を吸った布地が素肌にピッタリと貼りつき、低身長に見合わない体型を浮き立たせていたのだが、当の本人は全く気にした様子もない。
こうなると見ている方が赤面してしまう。
「なんじゃ、そのような些事を言うておるのか。それよりも早う火を熾せ。漫ろ寒うて仕方ないわ」
「いやいやいや、小さくないって!
むしろ、今にも服から飛び出してきそうな大きさだって!」
イマイチ噛み合わない会話。
いくら言っても動じない初音に仕方なく視線をそらし、言われた通りファイヤースターターで火を熾すが、逆に俺の方が動揺して上手く火花が飛ばない。
相手は子供だってのに、何を童貞みたく焦りまくってんだ俺は…。
しかし、何度ストライカーを滑らせてもミスを連発してしまい、遂に痺れを切らした初音が自分でやると言い出した。
俺の手からファイヤースターターを強引に引ったくると、見よう見真似で火花を飛ばす。
「前からやってみたかったんじゃ!
これを…こうやって擦るだけなんじゃろ?
簡単かんた…ん…案外…全然火が出ぬぞ!」
「最初は表面を少し削るつもりで…いや、それよりも先に着替えてくれないか?
その…目のやり場というか……」
磨りたての墨を流したように黒い祭服は決して厚着とは言えず、むしろ意図不明な多数の隙間は僅かに動くだけで、事あるごとに素肌が見えてしまっていた。
この世界の祭事について詳しくないけど、殊更に動きやすさを重視しているのだけは理解できるが…一体、どんな変態がデザインしたんだ?
「もうすぐで火がつきそうなんじゃ!
衣更など後でよい! この…このっ!
何故上手くゆかぬ!? うりぁ!
――おや? おぉ、ぶっだくらいすと」
「おいいい! 折れてもうてるやんけ!」
正確には驚異的馬鹿パワーでロッドが縦方向へ半分に裂けたのだが、吹っ飛んだ残りは粉々に砕け散ってしまったらしい。
おいおい、山盛りの馬鹿と冗談を総動員したとしても、ファイヤースターターがこんな折れ方をしたなんて話は聞いた事がないぞ…。
使用回数が一気に半分以下になってしまったが、これを使いきった人はいないんじゃないか?
「あー、すまぬ。もしや火が使えぬのか?
ワシら、ずぶ濡れで食膳もままならぬか?」
「いや、心配するな。
ちょうど以前から試してみたい事があったんだ」
バックパックの奥に仕舞い込んでおいたモノを取り出すと、初音が興味深そうに手の中を覗く。
「なんじゃこれは? ただの石……そうか!」
「流石に気づいたな。
異世界日ノ本に住んでるならお馴染みだろ?」
手にしているのはホームに居た頃、初音と一緒に採取したシマメノウ。
あれから時間のある時に『異世界の歩き方』で調べた際、石の持つ性質を知って気になっていたのだ。
シマメノウは鉄よりも遥かに硬く、互いを打ち付けた場合は鉄の方が負けて欠けてしまう程。
その性質を利用して、異世界日ノ本では火打石として広く使われている。
「自分で採った天然石でやるのは俺も初めてなんだけどさ、燃えやすい物を用意しといてから、こうやって鉄とシマメノウを強く擦り合わせると…」
コツを掴むまで何度か試す内に、乾いた音と共に爪の先よりも小さな火花が飛び、手元の枯れ草の中で弱々しい赤色を灯す。
吹き消さないように注意して息を送り、徐々に枯れ草から真っ白な煙が立ち上る頃、成長した火は新たな燃料を求めて燃え盛る。
こうして自分で育てた火を見ていると、人間の原初を垣間見た気分にさせてくれるから不思議だ。
「そういえば屋敷の女中も毎朝カチカチやっておったのう。…………家か」
小枝を得て更に大きくなっていく炎を見て、ぽつりと初音が呟く。
家出少女がホームに転がり込んでから数日が経ち、そろそろ家が恋しくなってきたのだろう。
もし無事に女媧の呪いが解けたなら、初音を家に送り届けてやらないとな。
「…今日は最高の食材でフルコースにしよう。
たっぷりとカニ料理を食わせてやるぞ!」
「真か!? それは楽しーーくしゅん!」
くしゃみに反応してギンレイが駆け寄ってきた。
狼なりの気遣いなのか、初音の足を伝う水滴をなめようとするが、ザラついた舌はくすぐったいだけで効果は薄い。
俺はAwazonで適当な服とタオルを購入すると、焚き火で暖まる初音を残して料理の支度を整え始めた。
「よーし、高級食材を完璧に調理してやるぜ!」
まずは下ごしらえから。
締めたイワガニモドキをアワゾンで購入したタワシで綺麗に洗い、寸胴鍋に入れて塩水で茹で上げる。
決して生きたカニをいきなり熱湯に入れてはいけない。
暴れて熱湯が飛び跳ねるだけでなく、危険を感じたカニは手足を自切してしまうから。
そうなってしまうと、切断面から湯が入り込んでカニ味噌が流出し、旨味が損なわれる原因となる。
「ほーん、自分で手足を切り落とすとは天晴れな覚悟じゃな」
着替えを済ませた初音が背後から眺め、彼女なりの感想を口にする。
新しく買った登山用の服装は、額の角を除けば現実世界の山ガールと見分けがつかない。
キャロットオレンジの鮮やかなラップショーツが印象的で、快活で目の離せない初音が身に着ければ、森の中でも非常に目立つので迷子予防になるだろう。
「知ってるか? 自切《じせつ》した足は脱皮すると復活するんだぜ」
「え~? 嘘臭い話じゃのう~?
それでは川や海が蟹の足だらけになるではないか」
そんな風に返されるとは思わなかった。
蟹足で埋もれた水辺を想像して、ちょっとだけ苦笑いを浮かべてしまう。
まぁ、今回に至っては同じく食べ放題と言っても過言ではない量がいるので、ある意味で現実の光景ではあるのだがね。
「下ごしらえ完了!
さて、今夜は絶品イワガニモドキのフルコースだぞ!」
いつの間にかテントに差していた陽の光は消えかけ、夜の時間が訪れようとしていた。
しかも、味は絶品とまで書いてある。
これは期待せずにはいられない!
早速ギンレイが捕まえてくれた個体を見ると雌のようで、ナイフを使って腹を開けてみれば、中にはギッシリと卵を抱えていた事からも、この時期は繁殖の為に大挙して生まれた川へと戻ってくる習性があるようだ。
「マ~ジっすか!
今夜のメニューは決まりだな」
水上で華麗なターンを決める初音を横目に、手頃なサイズのイワガニモドキ数匹をバケツに放り込んでからスマホを開く。
新たに購入したのは三人用のポップアップテント。
数多くあるテントの中からコレを選んだのは、雨の多い未踏の地での旅という事を考慮して、設置と撤収の早さを重視した。
夜間に大雨が降ったり、思った以上に川が増水した場合でも、手早く移動できる利点は大きいと考えたのだ。
「ちと目を離した隙に小屋が建っておるとはのう。相も変わらず面妖な術じゃわい」
大自然を舞台にしたウォーターアクティビティは余程楽しかったのだろう。
背後から聞こえた声は上機嫌といった感じで、水辺から上がった初音の方へ振り返ると…。
「お、おい!
お前、流石にそれは…マズいっすよ!」
コイツはどこまで恥じらいがないのか…。
激しいトリックに挑戦した事で初音の衣服は大きくはだけ、たっぷりと水を吸った布地が素肌にピッタリと貼りつき、低身長に見合わない体型を浮き立たせていたのだが、当の本人は全く気にした様子もない。
こうなると見ている方が赤面してしまう。
「なんじゃ、そのような些事を言うておるのか。それよりも早う火を熾せ。漫ろ寒うて仕方ないわ」
「いやいやいや、小さくないって!
むしろ、今にも服から飛び出してきそうな大きさだって!」
イマイチ噛み合わない会話。
いくら言っても動じない初音に仕方なく視線をそらし、言われた通りファイヤースターターで火を熾すが、逆に俺の方が動揺して上手く火花が飛ばない。
相手は子供だってのに、何を童貞みたく焦りまくってんだ俺は…。
しかし、何度ストライカーを滑らせてもミスを連発してしまい、遂に痺れを切らした初音が自分でやると言い出した。
俺の手からファイヤースターターを強引に引ったくると、見よう見真似で火花を飛ばす。
「前からやってみたかったんじゃ!
これを…こうやって擦るだけなんじゃろ?
簡単かんた…ん…案外…全然火が出ぬぞ!」
「最初は表面を少し削るつもりで…いや、それよりも先に着替えてくれないか?
その…目のやり場というか……」
磨りたての墨を流したように黒い祭服は決して厚着とは言えず、むしろ意図不明な多数の隙間は僅かに動くだけで、事あるごとに素肌が見えてしまっていた。
この世界の祭事について詳しくないけど、殊更に動きやすさを重視しているのだけは理解できるが…一体、どんな変態がデザインしたんだ?
「もうすぐで火がつきそうなんじゃ!
衣更など後でよい! この…このっ!
何故上手くゆかぬ!? うりぁ!
――おや? おぉ、ぶっだくらいすと」
「おいいい! 折れてもうてるやんけ!」
正確には驚異的馬鹿パワーでロッドが縦方向へ半分に裂けたのだが、吹っ飛んだ残りは粉々に砕け散ってしまったらしい。
おいおい、山盛りの馬鹿と冗談を総動員したとしても、ファイヤースターターがこんな折れ方をしたなんて話は聞いた事がないぞ…。
使用回数が一気に半分以下になってしまったが、これを使いきった人はいないんじゃないか?
「あー、すまぬ。もしや火が使えぬのか?
ワシら、ずぶ濡れで食膳もままならぬか?」
「いや、心配するな。
ちょうど以前から試してみたい事があったんだ」
バックパックの奥に仕舞い込んでおいたモノを取り出すと、初音が興味深そうに手の中を覗く。
「なんじゃこれは? ただの石……そうか!」
「流石に気づいたな。
異世界日ノ本に住んでるならお馴染みだろ?」
手にしているのはホームに居た頃、初音と一緒に採取したシマメノウ。
あれから時間のある時に『異世界の歩き方』で調べた際、石の持つ性質を知って気になっていたのだ。
シマメノウは鉄よりも遥かに硬く、互いを打ち付けた場合は鉄の方が負けて欠けてしまう程。
その性質を利用して、異世界日ノ本では火打石として広く使われている。
「自分で採った天然石でやるのは俺も初めてなんだけどさ、燃えやすい物を用意しといてから、こうやって鉄とシマメノウを強く擦り合わせると…」
コツを掴むまで何度か試す内に、乾いた音と共に爪の先よりも小さな火花が飛び、手元の枯れ草の中で弱々しい赤色を灯す。
吹き消さないように注意して息を送り、徐々に枯れ草から真っ白な煙が立ち上る頃、成長した火は新たな燃料を求めて燃え盛る。
こうして自分で育てた火を見ていると、人間の原初を垣間見た気分にさせてくれるから不思議だ。
「そういえば屋敷の女中も毎朝カチカチやっておったのう。…………家か」
小枝を得て更に大きくなっていく炎を見て、ぽつりと初音が呟く。
家出少女がホームに転がり込んでから数日が経ち、そろそろ家が恋しくなってきたのだろう。
もし無事に女媧の呪いが解けたなら、初音を家に送り届けてやらないとな。
「…今日は最高の食材でフルコースにしよう。
たっぷりとカニ料理を食わせてやるぞ!」
「真か!? それは楽しーーくしゅん!」
くしゃみに反応してギンレイが駆け寄ってきた。
狼なりの気遣いなのか、初音の足を伝う水滴をなめようとするが、ザラついた舌はくすぐったいだけで効果は薄い。
俺はAwazonで適当な服とタオルを購入すると、焚き火で暖まる初音を残して料理の支度を整え始めた。
「よーし、高級食材を完璧に調理してやるぜ!」
まずは下ごしらえから。
締めたイワガニモドキをアワゾンで購入したタワシで綺麗に洗い、寸胴鍋に入れて塩水で茹で上げる。
決して生きたカニをいきなり熱湯に入れてはいけない。
暴れて熱湯が飛び跳ねるだけでなく、危険を感じたカニは手足を自切してしまうから。
そうなってしまうと、切断面から湯が入り込んでカニ味噌が流出し、旨味が損なわれる原因となる。
「ほーん、自分で手足を切り落とすとは天晴れな覚悟じゃな」
着替えを済ませた初音が背後から眺め、彼女なりの感想を口にする。
新しく買った登山用の服装は、額の角を除けば現実世界の山ガールと見分けがつかない。
キャロットオレンジの鮮やかなラップショーツが印象的で、快活で目の離せない初音が身に着ければ、森の中でも非常に目立つので迷子予防になるだろう。
「知ってるか? 自切《じせつ》した足は脱皮すると復活するんだぜ」
「え~? 嘘臭い話じゃのう~?
それでは川や海が蟹の足だらけになるではないか」
そんな風に返されるとは思わなかった。
蟹足で埋もれた水辺を想像して、ちょっとだけ苦笑いを浮かべてしまう。
まぁ、今回に至っては同じく食べ放題と言っても過言ではない量がいるので、ある意味で現実の光景ではあるのだがね。
「下ごしらえ完了!
さて、今夜は絶品イワガニモドキのフルコースだぞ!」
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