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第一部 ニ章 異世界キャンパー編
保存食作り、再び
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「うむ、実に旨かったぞ!
ところでのう、あの柔らかい口当たりは…」
「あー、気にすんな。
今回はたまたま上手に焼けただけだよ」
二回も同じ説明をするのはゴメンだ。
それでなくとも今日は予定が立て込みまくってる状況なのに、料理解説など悠長にやってる時間はない。
「いま優先すべきは明日の為に、だな」
朝食を終えた後は保存食作りに取り掛かる。
手始めにハトマメムギの加工から始めよう。
数分間熱湯に浸けたハトマメムギの水気を切って自然乾燥させ、スキレット鍋で塩砂糖と蜂蜜を加えて煮詰めていく。
マメの色合いが飴色に変化したら、猪肉の脂身を溶かして混ぜ合わせれば完成!
「いつの間に蜂蜜を?
まったく、油断も隙もないわ」
「お前にだけは言われたくねーよ。
ほら、出来立てを味見してみな」
たっぷりの蜂蜜でコーティングされた、大豆の近縁種であるハトマメムギ。
口にすると濃厚な甘味と僅かな塩気が癖になる絶品お菓子だ。
今回はハニーピーナッツをイメージして作ってみたのだが、熱湯に浸ける時間を調節すれば歯応えも自在なので試してみてね。
「お主の世界で言うところの『すいーつ』じゃな。甘い物は無限に食うてしまうのう」
「これは保存食だって言ったろ?
残りは竹筒に入れて冷水で冷やせば、周りの蜂蜜が結晶化して行動食にもなるのさ」
結晶化した蜂蜜はベタつき難い。
人によって好みは別れるが、独特の食感が楽しめるので試してみて欲しい。
残ったハトマメムギの半分は、パンケーキの時と同様に粉状にしておく。
こうしておくと色々な料理に使えて非常に便利。
そして、半分は今夜の夕食に使うのだが…メニューはまだ秘密にしておくとしよう。
「さて、お次は猪肉だな。
こっちはリエットにして保存食にする」
「りえっと…とな?
それも別世界の食い物か。
名称からは全く予想がつかんわい」
それもそのはず、リエットとはフランス料理のひとつで、日本では決して知名度の高い食べ物ではない。
けれど、一度口にすると豊かな肉の旨味と風味が忘れられない程の衝撃となり、新たな食の扉が開くこと請け合いの逸品だ。
用意する食材は超シンプルで、肉・塩・香辛料――以上!
猪肉はホームから持ち出した際、既に大量の塩を使って下準備を済ませておいた。
これは味付けという意味合いに加え、塩の溶解熱を利用して氷が溶け難くする為の処置でもある。
旅立ちは女媧の襲来によって急遽始まったものの、ちゃんと後先を考えてるってワケなんですよ。
「んん~本当かのう?」
黙らっしゃい初音さん。
後は焚き火の熱で凍った肉を溶かし、赤身と脂身を分離させて一口大に切り分ける。
先に脂身を煮てラードを取り出したら、今度はラードで赤身を煮詰めていく。
「どれくらい煮るんじゃ?」
「このまま半日」
初音は思わず仰天して動かなくなってしまった。
まぁ、気持ちは分かるが保存食ってのは、どうしても時間がかかる物なんだよ。
朝から始めれば夕食までには間に合う。
小屋に充満したラードの香りに、ギンレイが終始落ち着かない様子で歩き回っていたのが印象的だ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ここまでのAwazonポイント収支
『ベビワラベを採取――1000P』
『カエンボシを採取――1000P』
『ウグイストリイチゴを採取――1000P』
『ハッカクイチビコを採取――1000P』
以下を購入
『焼き網――1000ポイント』
『ほりにし――1000ポイント』
『LEDランタン――2000ポイント』
『ヘッドライト――1500ポイント』
『折りたたみスコップ――1200ポイント』
『タープ――3000ポイント』
『ハンモック(2セット)――8000ポイント』
『消毒薬――500ポイント』
『絆創膏――500ポイント』
『包帯――200ポイント』
現在のAwazonポイント――351,000P
ところでのう、あの柔らかい口当たりは…」
「あー、気にすんな。
今回はたまたま上手に焼けただけだよ」
二回も同じ説明をするのはゴメンだ。
それでなくとも今日は予定が立て込みまくってる状況なのに、料理解説など悠長にやってる時間はない。
「いま優先すべきは明日の為に、だな」
朝食を終えた後は保存食作りに取り掛かる。
手始めにハトマメムギの加工から始めよう。
数分間熱湯に浸けたハトマメムギの水気を切って自然乾燥させ、スキレット鍋で塩砂糖と蜂蜜を加えて煮詰めていく。
マメの色合いが飴色に変化したら、猪肉の脂身を溶かして混ぜ合わせれば完成!
「いつの間に蜂蜜を?
まったく、油断も隙もないわ」
「お前にだけは言われたくねーよ。
ほら、出来立てを味見してみな」
たっぷりの蜂蜜でコーティングされた、大豆の近縁種であるハトマメムギ。
口にすると濃厚な甘味と僅かな塩気が癖になる絶品お菓子だ。
今回はハニーピーナッツをイメージして作ってみたのだが、熱湯に浸ける時間を調節すれば歯応えも自在なので試してみてね。
「お主の世界で言うところの『すいーつ』じゃな。甘い物は無限に食うてしまうのう」
「これは保存食だって言ったろ?
残りは竹筒に入れて冷水で冷やせば、周りの蜂蜜が結晶化して行動食にもなるのさ」
結晶化した蜂蜜はベタつき難い。
人によって好みは別れるが、独特の食感が楽しめるので試してみて欲しい。
残ったハトマメムギの半分は、パンケーキの時と同様に粉状にしておく。
こうしておくと色々な料理に使えて非常に便利。
そして、半分は今夜の夕食に使うのだが…メニューはまだ秘密にしておくとしよう。
「さて、お次は猪肉だな。
こっちはリエットにして保存食にする」
「りえっと…とな?
それも別世界の食い物か。
名称からは全く予想がつかんわい」
それもそのはず、リエットとはフランス料理のひとつで、日本では決して知名度の高い食べ物ではない。
けれど、一度口にすると豊かな肉の旨味と風味が忘れられない程の衝撃となり、新たな食の扉が開くこと請け合いの逸品だ。
用意する食材は超シンプルで、肉・塩・香辛料――以上!
猪肉はホームから持ち出した際、既に大量の塩を使って下準備を済ませておいた。
これは味付けという意味合いに加え、塩の溶解熱を利用して氷が溶け難くする為の処置でもある。
旅立ちは女媧の襲来によって急遽始まったものの、ちゃんと後先を考えてるってワケなんですよ。
「んん~本当かのう?」
黙らっしゃい初音さん。
後は焚き火の熱で凍った肉を溶かし、赤身と脂身を分離させて一口大に切り分ける。
先に脂身を煮てラードを取り出したら、今度はラードで赤身を煮詰めていく。
「どれくらい煮るんじゃ?」
「このまま半日」
初音は思わず仰天して動かなくなってしまった。
まぁ、気持ちは分かるが保存食ってのは、どうしても時間がかかる物なんだよ。
朝から始めれば夕食までには間に合う。
小屋に充満したラードの香りに、ギンレイが終始落ち着かない様子で歩き回っていたのが印象的だ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ここまでのAwazonポイント収支
『ベビワラベを採取――1000P』
『カエンボシを採取――1000P』
『ウグイストリイチゴを採取――1000P』
『ハッカクイチビコを採取――1000P』
以下を購入
『焼き網――1000ポイント』
『ほりにし――1000ポイント』
『LEDランタン――2000ポイント』
『ヘッドライト――1500ポイント』
『折りたたみスコップ――1200ポイント』
『タープ――3000ポイント』
『ハンモック(2セット)――8000ポイント』
『消毒薬――500ポイント』
『絆創膏――500ポイント』
『包帯――200ポイント』
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