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第5話 異世界、始まったな
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翌朝は鳥の囀りによって目が覚めた。
Awazonの通知から現在の暦は5月初旬という事が判明している。
昨日までの不安は払拭され、実に爽やかな初夏の風が吹き抜けていく。
「ふふっ、もはや俺に怖い物などない…。
神から授かった新たな力…。
存分に揮ってくれるわ!」
昨夜からテンションがぶち上がり過ぎて若干アレな感じになっているが無理もない。
気分はまさに銃を抜き放つガンマンさながら、ポケットからスマホを取り出すとホーム画面のアイコンをタッチする。
そして空中に召喚された一冊の本を華麗にキャッチし、得も言われぬ恍惚に浸るのを繰り返す。
「か、かっけぇぇええ……」
今朝からずっとこの調子である。
お陰で肝心の本にはロクに目を通さず、決めポーズばかり考えていた。
我ながら今年21にもなって恥ずかしくないの?
異世界アプリ『Awazon』も凄いがこちらの『異世界の歩き方』も実に良い。
理由は本としての内容も然ることながら、その仕舞い方だ。
スマホのアイコンをもう一度タッチするか、開いた本を閉じれば手元から手品のように消えてしまう。
この『本を閉じて消す』のが個人的に非常にツボなのだ。実に格好いい!
知識を得る手段として、敢えてアナクロな本という媒体なのも気に入った。
「原理とか全然分からんけど、格好いいからヨシ!」
もう一つ、昨日から気になっていたAwazonのポイントについて。
どうやら貯めたポイントを消費する事で色々な物を購入できる…らしい。
まだ試してはいないが恐らくツナ缶の時のように、何もない空中から品物が出現するのだろう。
そして、不思議な事に遭難してからスマホのバッテリーが全く減っておらず、この便利な機能も使い放題みたいだ。
こちらの理由も不明なままなのだが、もうそんな事には慣れてしまっていた。
「さて、朝からガッツリ気分も上がったし、食料と水でも探しにいくか。
そう、我が能力でな!」
そもそも何故ポイントを使って食料を手に入れないのかと言えば、明確な理由が2つある。
Awazonには調理器具や医薬品はあっても、どういう訳なのか調味料以外の食料と水が表示されていないのだ。
無い物は買えない。
だからこうしてサバイバル生活みたいに、草むらや木の周りをしきりに探し回らなければならないのだ。
「調味料でカロリーを補完する手もあるがな、それは最後の手段としておこう」
現在のポイントは缶切りなしで缶詰を開けた1000ポイントを加え、合計23000ポイントしかない。
十分なポイントがあるようにも思えるが、単価はAwazonの価格から見ても1P=1円であり、足りない物が多すぎる現状、食料の為にポイントを使ってしまえば、万が一怪我をした場合に医薬品も買えず命取りになりかねないのだ。
愚痴っていても仕方ない。
これまでに得たキャンプ知識と我が能力『異世界の歩き方』を駆使して、この苦境を脱しなければ!
「我が能力…おぉ…格好良い……!」
そう、今日をもって俺は遭難者ではない。
これからは遭難と呼ぼう!
森の中で一人、にやけた笑いを抑えられずにウキウキとした足取りは羽を思わせる軽やかさを感じていた。
森は一見すると食べ物など何もないように感じるかもしれないが、実際には沢山の恵みに溢れている。
その証拠にちょいと草を掻き分けると…ほら、あった。
これはウグイストリイチゴ。
鮮やかなピンク色の果肉で一般的なイチゴと比べて大分小さい。
野イチゴの一種らしく、その名が示す通りウグイスが好んで食べるようだ。
「香りは…おぉ、こんな小さいのに甘くて強い。
感覚的には蛇苺に近いのかな?」
虫に食われていないか確認する為に中を割ってみると、内部は透き通るように白く瑞々しい。
口に入れると小指の先ほどのサイズにも関わらず、大量の果汁を含んでいて濃厚な甘味が広がる。
簡単に見つかる上に沢山自生していて、本にはビタミンやミネラルも豊富と記載されているから実に助かる。
「こりゃウマイ! まさに天然のスイーツだな」
なるべく採り過ぎないようにして、次の場所へ向かって腹の足しにしていく。
その最中も視線を動かしているとミツミシソを発見。
異世界に来てすぐに発見したけど、結局食べようとしなかったシソ科の植物だ。
生でも食べられるそうなので一枚口にするが、やはり苦味が強い!
こいつはセオリー通り水でアク抜きした方が無難だな。
「まだ水は見つけてないが少し持っていこう」
近くにはキノモトワラビも自生していた。
これも食用だが新芽には毒性がある為、熱湯で無毒化させなければならない。
空のツナ缶を容器にして煮沸すれば貴重な食料になるだろう。
今晩の夕食が今から楽しみだ。
「こっちも持っていく。腹の足しにもならんが、足さなきゃ減る一方だからな」
次に見つけたのは木の枝に実っていたマルハウメ。
少し時期が早いのか熟しておらず、若々しい緑色をした大粒の果肉で食べ応えがありそうなのだが、これにも毒性があって生のままでは食べられない。
しかし、先程のミツミシソと塩を加えて漬け込めば、保存の効く梅干しとして大いに活躍してくれるだろう。
手にしてみるとズッシリ重く、活用できれば食糧難の一助となってくれるはずだ。
暑苦しいダウンジャケットを風呂敷代わりにして持っていく。
とはいえ、塩の入手は現状として難しいと言わざるを得ない。
ここが仮に日本だとして、塩の入手経路は海から採れる海水を蒸発させた天日塩しか方法がないからだ。
知らない人もいるかもしれないが日本では岩塩は見つかっておらず、塩は食料保存の手段として欠かせないばかりか、これから夏を迎えるにあたって熱中症予防の観点からも絶対に手に入れておきたい。
「調味料の中に塩はあったから、ここはポイントの使い所かもしれん。採取で見つけるのは諦めた方が無難か」
そんな具合に次々と食料を確保していくが、どうしても最優先で見つけなければならないのが飲み水だ。
猿酒も貴重な水ではあるが得られる量も質も限られており、長期の生活を維持する点において、新鮮な真水の確保は絶対条件と言える。
「Awazonに水が売ってないとか嫌がらせかよ…。
いやいや、水と平和を無料と思うな。
どうにかして自分で確保しないとな」
ここでも活躍するのが動植物の生態を記した『異世界の歩き方』だ。
早朝に聞いた囀り声の主はミズサシシギという水辺に生息する渡り鳥で、5月には森で巣を作りながら水場で餌を探す習性があるらしい。
つまり、案外近くで湿地や川が見つかる可能性がある。
「鳴き声の大きさからして中型の鳥だろう。
それなりの猟場がなければ住み着かないはずだ」
上手くいけば、水場を拠点に安定した生活が手に入るかもしれない。
注意深く空を見上げれば、ミズサシシギの群れが南西の方角へ向かって飛んでいく姿を度々見る事ができた。
ここは行動あるのみ。
俺は期待感を持って、力強く南西へ足を向けた。
Awazonの通知から現在の暦は5月初旬という事が判明している。
昨日までの不安は払拭され、実に爽やかな初夏の風が吹き抜けていく。
「ふふっ、もはや俺に怖い物などない…。
神から授かった新たな力…。
存分に揮ってくれるわ!」
昨夜からテンションがぶち上がり過ぎて若干アレな感じになっているが無理もない。
気分はまさに銃を抜き放つガンマンさながら、ポケットからスマホを取り出すとホーム画面のアイコンをタッチする。
そして空中に召喚された一冊の本を華麗にキャッチし、得も言われぬ恍惚に浸るのを繰り返す。
「か、かっけぇぇええ……」
今朝からずっとこの調子である。
お陰で肝心の本にはロクに目を通さず、決めポーズばかり考えていた。
我ながら今年21にもなって恥ずかしくないの?
異世界アプリ『Awazon』も凄いがこちらの『異世界の歩き方』も実に良い。
理由は本としての内容も然ることながら、その仕舞い方だ。
スマホのアイコンをもう一度タッチするか、開いた本を閉じれば手元から手品のように消えてしまう。
この『本を閉じて消す』のが個人的に非常にツボなのだ。実に格好いい!
知識を得る手段として、敢えてアナクロな本という媒体なのも気に入った。
「原理とか全然分からんけど、格好いいからヨシ!」
もう一つ、昨日から気になっていたAwazonのポイントについて。
どうやら貯めたポイントを消費する事で色々な物を購入できる…らしい。
まだ試してはいないが恐らくツナ缶の時のように、何もない空中から品物が出現するのだろう。
そして、不思議な事に遭難してからスマホのバッテリーが全く減っておらず、この便利な機能も使い放題みたいだ。
こちらの理由も不明なままなのだが、もうそんな事には慣れてしまっていた。
「さて、朝からガッツリ気分も上がったし、食料と水でも探しにいくか。
そう、我が能力でな!」
そもそも何故ポイントを使って食料を手に入れないのかと言えば、明確な理由が2つある。
Awazonには調理器具や医薬品はあっても、どういう訳なのか調味料以外の食料と水が表示されていないのだ。
無い物は買えない。
だからこうしてサバイバル生活みたいに、草むらや木の周りをしきりに探し回らなければならないのだ。
「調味料でカロリーを補完する手もあるがな、それは最後の手段としておこう」
現在のポイントは缶切りなしで缶詰を開けた1000ポイントを加え、合計23000ポイントしかない。
十分なポイントがあるようにも思えるが、単価はAwazonの価格から見ても1P=1円であり、足りない物が多すぎる現状、食料の為にポイントを使ってしまえば、万が一怪我をした場合に医薬品も買えず命取りになりかねないのだ。
愚痴っていても仕方ない。
これまでに得たキャンプ知識と我が能力『異世界の歩き方』を駆使して、この苦境を脱しなければ!
「我が能力…おぉ…格好良い……!」
そう、今日をもって俺は遭難者ではない。
これからは遭難と呼ぼう!
森の中で一人、にやけた笑いを抑えられずにウキウキとした足取りは羽を思わせる軽やかさを感じていた。
森は一見すると食べ物など何もないように感じるかもしれないが、実際には沢山の恵みに溢れている。
その証拠にちょいと草を掻き分けると…ほら、あった。
これはウグイストリイチゴ。
鮮やかなピンク色の果肉で一般的なイチゴと比べて大分小さい。
野イチゴの一種らしく、その名が示す通りウグイスが好んで食べるようだ。
「香りは…おぉ、こんな小さいのに甘くて強い。
感覚的には蛇苺に近いのかな?」
虫に食われていないか確認する為に中を割ってみると、内部は透き通るように白く瑞々しい。
口に入れると小指の先ほどのサイズにも関わらず、大量の果汁を含んでいて濃厚な甘味が広がる。
簡単に見つかる上に沢山自生していて、本にはビタミンやミネラルも豊富と記載されているから実に助かる。
「こりゃウマイ! まさに天然のスイーツだな」
なるべく採り過ぎないようにして、次の場所へ向かって腹の足しにしていく。
その最中も視線を動かしているとミツミシソを発見。
異世界に来てすぐに発見したけど、結局食べようとしなかったシソ科の植物だ。
生でも食べられるそうなので一枚口にするが、やはり苦味が強い!
こいつはセオリー通り水でアク抜きした方が無難だな。
「まだ水は見つけてないが少し持っていこう」
近くにはキノモトワラビも自生していた。
これも食用だが新芽には毒性がある為、熱湯で無毒化させなければならない。
空のツナ缶を容器にして煮沸すれば貴重な食料になるだろう。
今晩の夕食が今から楽しみだ。
「こっちも持っていく。腹の足しにもならんが、足さなきゃ減る一方だからな」
次に見つけたのは木の枝に実っていたマルハウメ。
少し時期が早いのか熟しておらず、若々しい緑色をした大粒の果肉で食べ応えがありそうなのだが、これにも毒性があって生のままでは食べられない。
しかし、先程のミツミシソと塩を加えて漬け込めば、保存の効く梅干しとして大いに活躍してくれるだろう。
手にしてみるとズッシリ重く、活用できれば食糧難の一助となってくれるはずだ。
暑苦しいダウンジャケットを風呂敷代わりにして持っていく。
とはいえ、塩の入手は現状として難しいと言わざるを得ない。
ここが仮に日本だとして、塩の入手経路は海から採れる海水を蒸発させた天日塩しか方法がないからだ。
知らない人もいるかもしれないが日本では岩塩は見つかっておらず、塩は食料保存の手段として欠かせないばかりか、これから夏を迎えるにあたって熱中症予防の観点からも絶対に手に入れておきたい。
「調味料の中に塩はあったから、ここはポイントの使い所かもしれん。採取で見つけるのは諦めた方が無難か」
そんな具合に次々と食料を確保していくが、どうしても最優先で見つけなければならないのが飲み水だ。
猿酒も貴重な水ではあるが得られる量も質も限られており、長期の生活を維持する点において、新鮮な真水の確保は絶対条件と言える。
「Awazonに水が売ってないとか嫌がらせかよ…。
いやいや、水と平和を無料と思うな。
どうにかして自分で確保しないとな」
ここでも活躍するのが動植物の生態を記した『異世界の歩き方』だ。
早朝に聞いた囀り声の主はミズサシシギという水辺に生息する渡り鳥で、5月には森で巣を作りながら水場で餌を探す習性があるらしい。
つまり、案外近くで湿地や川が見つかる可能性がある。
「鳴き声の大きさからして中型の鳥だろう。
それなりの猟場がなければ住み着かないはずだ」
上手くいけば、水場を拠点に安定した生活が手に入るかもしれない。
注意深く空を見上げれば、ミズサシシギの群れが南西の方角へ向かって飛んでいく姿を度々見る事ができた。
ここは行動あるのみ。
俺は期待感を持って、力強く南西へ足を向けた。
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