小野寺社長のお気に入り

茜色

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滴る愛

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 小野寺は唇を甘いキスで塞ぎながら、腰を器用に動かして渚をゆるやかに愛撫している。
 ぬるぬると前後に擦られペニスの先端で膨らんだクリトリスを優しくつつかれると、快感が電気のように走って悲鳴を上げそうになった。
 
「渚、エロいな。このまま俺の、挿入はいっちゃいそう」
「や、ダメ……。あ、あ、やぁっ……」
 耳元に低い声で囁かれ、渚はますます息を乱す。
 小野寺のモノは更に硬度を増していき、蜜に導かれるように渚の襞をめくって膣口の浅い部分を撫で回し始めた。

「あっ……、社長、ダメ、です……っ。入っちゃう・・・!」
「ん、もうれていい?俺、これ以上我慢できそうにない……」
「あっ、でも……。ん、ああ……っ」

 避妊具のことが頭をよぎる。小野寺はさっき渚の部屋に上がると決めた時点で、一度コンビニに戻ってコンドームを購入していた。危険日ではないけれど、抱かれるなら避妊具は当たり前だとさっきまで思っていた。
 なのにこうして抱きあっているうちに、信じられないことに渚はそのままの小野寺が欲しくなっていた。薄皮一枚すらもどかしいほど、ありのままの小野寺を直に感じたかった。
 そして小野寺もまた、剥き出しのままで渚の性器に自分のペニスを擦り付けている。それははち切れそうなほど屹立していて、今にも渚の中へと潜り込んででしまいそうだった。

「渚……。このまま、挿れたい……」
「あ……、私……」
 言葉にすることに抵抗を感じるが、渚もまた同じことを望んでいる。裸のままのこの人を感じ、この人の精を自分の奥で受け取りたいと本能で願った。
「私も、社長の欲しい……。そのまま、挿れて……」
「渚……っ」
 ぬぷっ……と底深い圧力を感じ、渚の膣内に小野寺のペニスがめり込んで来た。

「あ、あああっ……!」
 圧倒されそうな質量に、一瞬気が遠くなりかける。渚は大きく息を吐き、自分から両脚を更に広げてみた。
「痛いか?もっとゆっくりがいい?」
「平気……っ。社長、もっと……っ」
「じゃあ遠慮しない」
「んっ、ああっ……。あっ……!」
 小野寺のモノがぐいぐい押し込まれてくる。苦しいけれどそれ以上に狂おしいほどの欲望が生まれてきて、小野寺を求めて強く締めつけている。

「く……っ……!」
 小野寺の肌に汗が浮き、しがみついている渚の肌も濡らしていく。腰にズンと刺激が来て、ペニスが根元まで挿入されたのが分かった。
「あっ……、社長、全部……」
「ああ、全部おまえの中だよ。おまえが俺のを呑み込んでる。めちゃくちゃ気持ちいいよ、渚」
 小野寺が渚の肩を抱いて、唾液が滴るようなキスをした。

「んっ……、ふっ……。あ、あんっ……」
 身体を繋げたままキスすると、心地良さがお腹にまで伝わってきて痺れてしまいそうだった。
 薄暗い部屋に熱っぽいくちづけの音が響いて、まるでこの世にふたりだけしかいないような気持ちになってくる。
 渚は小野寺と舌を絡ませながら、ごく自然に両脚を小野寺の腰に巻き付けた。挿入されている角度が微妙に変わり、自分がひどく卑猥な女になったような気がする。小野寺が興奮したように更に腰を摺り寄せてきて、肌と肌がもっと隙間なく密着しあった。

 奥深いところまで小野寺のモノで埋め尽くされ、渚の内側からじわじわと物欲しげな疼きが生まれてきた。
「しゃ、ちょう……。これ、きもちいい……」
「俺も、最高に気持ちいいよ。包み込む感じがたまらない」
「は、あっ……。すごい、奥まで来てる……」
「おまえの中、俺のカタチにしてやるよ」
 小野寺が渚の首筋をゆっくりと舐め上げた。それから渚のお尻を柔らかく掴み、「動くぞ」と言ってゆるく腰を動かし始めた。

「あっ……、あ、あんっ……!」
 膣の浅い部分を揺らすように、ゆっくりとペニスが抜き差しされる。もどかしいような焦れる感覚が快楽を呼び覚まし、渚は小野寺の動きに身を任せながら湿った息を漏らした。

 気持ちいい。優しく慣らすようにゆるゆると刺激され、頭の芯がぼうっとするような心地良さに染まり始める。繋がったところからくちゅくちゅと愛液が漏れる音がして、ますます淫らな気持ちを駆り立てていく。
 小野寺は渚の反応を見ながら、丁寧にいやらしく腰を打ち付けている。えぐるように、ペニスの先で膣壁を擦るように、渚の甘い喘ぎを堪能しながら徐々に動きが激しさを増していく。

 渚の肌にも汗がじんわりと滲みだした。ゆるやかに昇り詰めるような気配を感じ始め、反射的に小野寺の背中にぎゅっとしがみつく。
 このまま最後まで行くのかと思った直後、小野寺が不意に渚の中からペニスを引き抜いた。
「あっ……」
 ぬるん、と抜けた後の喪失感に自分でも驚く。思わずすがるような眼をしてしまったらしく、小野寺はそんな渚を見下ろして嬉しそうにニヤリと笑った。

「そんな物欲しげな顔して。淫乱」
「だって……」
「可愛いな、おまえ」

 小野寺に「可愛い」と言われるのは初めてだったので、心臓がドキンと震えた。ちゅぷっと甘ったるいキスをされ、耳元でもう一度「ほんとに可愛いよ」と低く囁かれた。
 胸が苦しくなる。小野寺に心も身体もすべて持っていかれそうで、怖いくらいにドキドキする。

「渚。四つん這いになってみな」
「……えっ……」
 戸惑いと同時に、知らない自分を暴かれることに心が疼く。
「後ろから挿れてやる。お尻向けてみな」
 そんな格好できるわけがない。恥かしいところを全部見られてしまう。
 頭ではそう抗いつつ、もっと淫らな女になってみたい願望が身体の奥に湧きあがった。他の誰でもない、小野寺の前でだけ。きっと小野寺なら、どんなにはしたない姿の渚も受け入れてくれるような気がする。

「渚。もっと気持ち良くしてやる。後ろから突いて、おっぱい揉んでやるよ」
 ロマンチックさの欠片もない。なのに小野寺の言葉はひどくセクシーで、決して抵抗できない磁力を持っていた。
 渚は言われるままシーツの上にうつ伏せになると、そっと小野寺に向かってお尻を上げてあられもない姿をさらした。

「やらしいな。色も形も、本当にいやらしい女だ」
「やっ……。そんなこと、言っちゃダメ……っ」
「なんでだよ。こんなにびしょびしょに濡らして、どう見ても淫乱じゃないか」
「あ、あ、や、あぁ……っ!」

 小野寺が後ろから渚の股の間に手を入れ、揉みほぐすように愛撫し始めた。
 渚は自分の痴態が信じられなかった。膝をついてお尻を突きだした無防備な姿勢で、中に指を挿れられ掻き回されているなんて。

 じゅぷじゅぷと蜜が泡立つほど音を立て、渚の膣は小野寺の長い指を美味しそうに銜え込んでいる。
「すげーな。俺の指、ふやけそうだよ。ほら、こっちもぐちゅぐちゅにしてやる」
 蜜口からあふれ出した愛液を尖ったクリトリスに塗り付けられる。そのまま濡れた指先でくちゅくちゅと転がされると、膣内を擦る指の刺激と相まって腰が抜けそうなほど気持ち良くなってしまう。

「は、ああっ……。ダメぇ、おかしくなっちゃう……っ」
「……どうしてほしい?言ってみな、渚」
「あ……、早く……」
「ん?早くどうしたいんだ?ちゃんと言わないと分かんないぞ」

 クリトリスを弄っていた指が、今度は乳首をキュッと摘む。渚はもうほとんど悲鳴のような声を上げて、小野寺自身が欲しいと懇願した。
「挿れて……、社長の、挿れて……っ」
「よし、いい子。ほら、全部やるよ」
 小野寺は渚のお腹を後ろから抱いて引き寄せると、そそり立ったペニスで渚を深々と刺し貫いた。


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