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再びのレッスン
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「えー!そんなの聞いたことないっすよ!ってか、何で社長が朝岡さんの恋愛事情なんて知ってるんですかぁ?!」
数秒固まっていた遠藤が、納得いかないと言う様子で声を上げた。
「こいつは俺のアシスタントだ。俺がいろいろ把握していて何がおかしい」
「いや、おかしいでしょ。それとこれとは……」
「おかしくない」
文句は言わせないという表情で小野寺が断言し、遠藤が「マジかよ……」と情けない声を出した。
「朝岡さん、ほんと?好きなヤツ、いるの?」
遠藤がにじり寄って聞いてくる。
「……います。本当に、ごめんなさい」
渚は俯いたまま遠藤に頭を下げた。小野寺の視線を感じて胸がギュッと痛くなる。
「遠藤、他に好きな男がいる女に強引に言い寄って困らせるなんてみっともないぞ。いい加減すっぱり諦めろ」
「いや、だって……、マジっすか……?ちょっと待ってくださいよぉ。じゃあ今までのオレっていったい……」
横でごちゃごちゃ不満を口にしている遠藤とは対照的に、小野寺はそれ以上口を開かずに黙り込んでしまった。
私の好きな人って……?
渚は本当は既に気づいている自分の想いを認めるのが怖くて、しばらく小野寺の顔を見返すことができずにいた。右隣に座るその存在を、胸苦しいほど意識してしまう。
「なんだよー、だったら早く言ってほしかったよぉ」
まるで時間を損したかのような言い草で、遠藤がチューハイのグラスを一気に煽っている。
やっぱり私は男の人に対する接し方が下手なんだ……。そう思って小さく溜息をつくと、小野寺の手が伸びてきて渚の背中を優しく叩いた。
もしかしたらこれって慰められてるのかな。
そう思ったら、たまらなくせつない気持ちがあふれ出してきた。思いきって顔を上げると、小野寺があの夜と同じような瞳で渚をじっと見つめていた。
自棄になった遠藤がすっかり酔っぱらってしまったので、小野寺が「そろそろお開きにしよう」と店員を呼び、会計を頼んだ。
「なんでですかー。もう一軒行きましょうよー、オレの失恋記念にー。ねえ、朝岡さん、今日くらいつきあってくれるよねー?」
性懲りもなく遠藤が渚の腕を引っ張ろうとする。
「バカヤロー。おまえ、それ以上飲めないだろうが。タクシー拾ってやるから帰れ」
小野寺が遠藤の手を掴んで渚の腕から引き離した。
「えー、じゃあ朝岡さんも一緒に帰ろー!」
「朝岡はダメだ。俺と会社に戻る」
「えっ」
渚と遠藤が同時に声を上げた。
腕時計を見ると9時を回っている。今から会社に戻らなければならないほど急ぎの案件があっただろうかと、渚は慌てて記憶を辿った。
「明日の朝までに片付けとかないとマズい仕事を思い出したんだ。朝岡、明日代休取ってるよな?悪いけど今夜のタクシー代出すから、戻ってちょっとだけ作業を手伝ってくれないか」
怪訝に思いつつ、渚は「は、はい!分かりました」と小野寺に頷いた。
小野寺が個人で抱えているクライアントの案件だろうか?思い当たるふしはなかったけれど、ここは素直に小野寺に従うことにした。
この時間から会社に戻って仕事なんて普通ならうんざりするところだ。でも今は遠藤から逃れられるならどんな理由でもありがたかった。それに社長が一人きりで残業だなんて、やはり部下としては申し訳ない気がする。
まだ管を巻いている遠藤をタクシーに無理やり押し込むと、小野寺は「行くぞ」と渚に声をかけてオフィスに向かって大通りを歩き始めた。
静まり返った暗いオフィスに辿り着くと、小野寺はフロアの明かりを最小限に点けただけでスタスタと応接室に向かって行った。
「あの、社長?急ぎの仕事は……」
「そんなもん、ねーよ」
「……はっ……?!」
「あれは嘘だ。いいからこっち来い」
小野寺は渚の手首をグイッと掴み、暗い応接室へと引っ張って行く。
思わぬ展開に渚の頬がカーッと熱くなった。これはもしかして、先日深夜まで残業したときと同じパターンなのだろうか?
「あの、社長。いったいどういう……」
「言っただろ。おまえを大人のイイ女にしてやるって。この前の練習の続きをするんだよ」
「ちょっ……、今からですか?え、どうして……」
心臓が騒ぎだし、渚の足がもつれそうになった。小野寺は構わず渚の手を強い力で引く。ふざけている様子はなく、結構真面目な気配を漂わせているので余計にドキドキしてきた。
「おまえは男のあしらい方を分かってないから、遠藤みたいなヤツにしつこくされるんだ」
小野寺は渚を強引にソファに座らせた。自分もすぐ隣に寄り添うように座る。フロアからの明かりが差し込むだけの薄暗い応接室で、この前と同じように小野寺の瞳が迫ってくる。
「女の気持ちも都合も考えない、ああいう身勝手な男に隙を見せるな」
あなたがそのセリフを言うんですかと言い返したくなったものの、小野寺の有無を言わせない雰囲気に圧倒されて渚はしどろもどろになった。
「で、でも……。女は隙がないとダメだって、社長が言ったんじゃないですか」
「バカ。隙の意味が違う。釣りたくもない男に簡単につけ込まれるな。隙は本当にモノにしたい男にだけ見せればいいんだよ」
なんだか小野寺は少し怒っているように見える。さっきの遠藤とのやり取りを見ていて、渚の態度が稚拙すぎて腹が立ったのだろうか?
「……あのな。口説かれてもその気がないなら、作り話でもいいから早い段階できっぱり断れ。彼氏がいるとか言えばいいじゃないか。嘘も方便って言うだろう」
「あ……。でも、嘘ついて後でつじつまが合わなくなったりすると良くないと思って」
「ボロが出るほど喋らなきゃいいだろ。遠藤は仕事はまあまあだけど、女の扱いはてんでダメだぞ。ああいうのとは仕事オンリーの一線引いた関係に留めておけ。まったく、男をよく分かってないからその辺の判断も曖昧なんだな、おまえは」
イラついたような口調でそう言うと、小野寺はいきなり渚の唇を塞いできた。
「んっ……!ふ……っ」
この前よりやや乱暴に押し当てられた唇に、一瞬息が苦しくなる。反射的に唇が少し開くと、強引に熱い舌が割って入ってきた。
ほんの一瞬、小野寺の胸を押し返そうとしたものの、渚は自分が心の奥底でこの感触を求めていたことに気づいて動けなくなってしまった。
口内でもどかしげに動き回る柔らかい舌の感触に、情けないほどあっという間に力が抜けていく。あの夜以来、何度となく想い描いては溜息の原因となっていた小野寺のキスが、今また渚の身体から抵抗する術を奪おうとしていた。
どうしてこんなに簡単に、気持ち良くなってしまうのか。「やめてください」と押しのければいいのに、どうしてもっと欲しいと望んでしまうのか。
「しゃ、ちょう……っ」
渚は小野寺のスーツの袖をギュッと掴みながら、激しいキスに息を乱した。小野寺は何かに憑りつかれたように渚の唇を強く吸い、舌を嬲り続けている。
唾液が混ざりあう濡れた音が耳をくすぐり、うっとりと淫らな気持ちが込み上げてきた。渚は自分でも気づかぬうちにディープキスに応え始め、脱力した身体が崩れてしまわないように必死で小野寺にしがみついた。
背中に大きな手が回される。逃げ場がないくらいきつく抱きしめられ、渚は小野寺に身も心も丸ごと包み込まれたような気持ちになった。
「……渚。おまえ、遠藤とこういうことしたいか……?」
「そんなわけ、ないです……っ」
お互いの鼻先を触れあわせながら、小野寺に問い詰められた。間近で見る小野寺の眼は、いつもの飄々とした余裕のあるものではなく、何か切羽詰まったような色が垣間見える気がする。
「遠藤とか、他の奴らにこういうことされたら、どうする?」
「あっ……、そんなこと、考えたくない……」
追及する間も、小野寺の唇は渚の首筋を這い、舌が喉を舐め、また唇に戻ってきては深いキスで塞がれる。小野寺の意図が読めないまま、渚の吐息も甘くだらしなくほどけていく。
「なあ、言えよ。もし遠藤や他の男にこんなふうに迫られたら、おまえ全力で逃げるか?こんな隙なんて見せずに、本気で抵抗できるか……?」
キスされながら、小野寺の右手で腰の辺りをまさぐられる。タイトスカートの裾がずり上がり、温かい手のひらが滑り込んできてストッキング越しに渚のお尻を撫で回した。
「どうなんだよ?おまえ、他の奴にこんなことされそうになったら、ちゃんと抵抗するって約束できるか?」
「……します……っ。本気で、逃げる……」
「だったら、いい」
ハアッと大きく息をついてから、小野寺が渚の唇を更に激しく吸い上げた。
数秒固まっていた遠藤が、納得いかないと言う様子で声を上げた。
「こいつは俺のアシスタントだ。俺がいろいろ把握していて何がおかしい」
「いや、おかしいでしょ。それとこれとは……」
「おかしくない」
文句は言わせないという表情で小野寺が断言し、遠藤が「マジかよ……」と情けない声を出した。
「朝岡さん、ほんと?好きなヤツ、いるの?」
遠藤がにじり寄って聞いてくる。
「……います。本当に、ごめんなさい」
渚は俯いたまま遠藤に頭を下げた。小野寺の視線を感じて胸がギュッと痛くなる。
「遠藤、他に好きな男がいる女に強引に言い寄って困らせるなんてみっともないぞ。いい加減すっぱり諦めろ」
「いや、だって……、マジっすか……?ちょっと待ってくださいよぉ。じゃあ今までのオレっていったい……」
横でごちゃごちゃ不満を口にしている遠藤とは対照的に、小野寺はそれ以上口を開かずに黙り込んでしまった。
私の好きな人って……?
渚は本当は既に気づいている自分の想いを認めるのが怖くて、しばらく小野寺の顔を見返すことができずにいた。右隣に座るその存在を、胸苦しいほど意識してしまう。
「なんだよー、だったら早く言ってほしかったよぉ」
まるで時間を損したかのような言い草で、遠藤がチューハイのグラスを一気に煽っている。
やっぱり私は男の人に対する接し方が下手なんだ……。そう思って小さく溜息をつくと、小野寺の手が伸びてきて渚の背中を優しく叩いた。
もしかしたらこれって慰められてるのかな。
そう思ったら、たまらなくせつない気持ちがあふれ出してきた。思いきって顔を上げると、小野寺があの夜と同じような瞳で渚をじっと見つめていた。
自棄になった遠藤がすっかり酔っぱらってしまったので、小野寺が「そろそろお開きにしよう」と店員を呼び、会計を頼んだ。
「なんでですかー。もう一軒行きましょうよー、オレの失恋記念にー。ねえ、朝岡さん、今日くらいつきあってくれるよねー?」
性懲りもなく遠藤が渚の腕を引っ張ろうとする。
「バカヤロー。おまえ、それ以上飲めないだろうが。タクシー拾ってやるから帰れ」
小野寺が遠藤の手を掴んで渚の腕から引き離した。
「えー、じゃあ朝岡さんも一緒に帰ろー!」
「朝岡はダメだ。俺と会社に戻る」
「えっ」
渚と遠藤が同時に声を上げた。
腕時計を見ると9時を回っている。今から会社に戻らなければならないほど急ぎの案件があっただろうかと、渚は慌てて記憶を辿った。
「明日の朝までに片付けとかないとマズい仕事を思い出したんだ。朝岡、明日代休取ってるよな?悪いけど今夜のタクシー代出すから、戻ってちょっとだけ作業を手伝ってくれないか」
怪訝に思いつつ、渚は「は、はい!分かりました」と小野寺に頷いた。
小野寺が個人で抱えているクライアントの案件だろうか?思い当たるふしはなかったけれど、ここは素直に小野寺に従うことにした。
この時間から会社に戻って仕事なんて普通ならうんざりするところだ。でも今は遠藤から逃れられるならどんな理由でもありがたかった。それに社長が一人きりで残業だなんて、やはり部下としては申し訳ない気がする。
まだ管を巻いている遠藤をタクシーに無理やり押し込むと、小野寺は「行くぞ」と渚に声をかけてオフィスに向かって大通りを歩き始めた。
静まり返った暗いオフィスに辿り着くと、小野寺はフロアの明かりを最小限に点けただけでスタスタと応接室に向かって行った。
「あの、社長?急ぎの仕事は……」
「そんなもん、ねーよ」
「……はっ……?!」
「あれは嘘だ。いいからこっち来い」
小野寺は渚の手首をグイッと掴み、暗い応接室へと引っ張って行く。
思わぬ展開に渚の頬がカーッと熱くなった。これはもしかして、先日深夜まで残業したときと同じパターンなのだろうか?
「あの、社長。いったいどういう……」
「言っただろ。おまえを大人のイイ女にしてやるって。この前の練習の続きをするんだよ」
「ちょっ……、今からですか?え、どうして……」
心臓が騒ぎだし、渚の足がもつれそうになった。小野寺は構わず渚の手を強い力で引く。ふざけている様子はなく、結構真面目な気配を漂わせているので余計にドキドキしてきた。
「おまえは男のあしらい方を分かってないから、遠藤みたいなヤツにしつこくされるんだ」
小野寺は渚を強引にソファに座らせた。自分もすぐ隣に寄り添うように座る。フロアからの明かりが差し込むだけの薄暗い応接室で、この前と同じように小野寺の瞳が迫ってくる。
「女の気持ちも都合も考えない、ああいう身勝手な男に隙を見せるな」
あなたがそのセリフを言うんですかと言い返したくなったものの、小野寺の有無を言わせない雰囲気に圧倒されて渚はしどろもどろになった。
「で、でも……。女は隙がないとダメだって、社長が言ったんじゃないですか」
「バカ。隙の意味が違う。釣りたくもない男に簡単につけ込まれるな。隙は本当にモノにしたい男にだけ見せればいいんだよ」
なんだか小野寺は少し怒っているように見える。さっきの遠藤とのやり取りを見ていて、渚の態度が稚拙すぎて腹が立ったのだろうか?
「……あのな。口説かれてもその気がないなら、作り話でもいいから早い段階できっぱり断れ。彼氏がいるとか言えばいいじゃないか。嘘も方便って言うだろう」
「あ……。でも、嘘ついて後でつじつまが合わなくなったりすると良くないと思って」
「ボロが出るほど喋らなきゃいいだろ。遠藤は仕事はまあまあだけど、女の扱いはてんでダメだぞ。ああいうのとは仕事オンリーの一線引いた関係に留めておけ。まったく、男をよく分かってないからその辺の判断も曖昧なんだな、おまえは」
イラついたような口調でそう言うと、小野寺はいきなり渚の唇を塞いできた。
「んっ……!ふ……っ」
この前よりやや乱暴に押し当てられた唇に、一瞬息が苦しくなる。反射的に唇が少し開くと、強引に熱い舌が割って入ってきた。
ほんの一瞬、小野寺の胸を押し返そうとしたものの、渚は自分が心の奥底でこの感触を求めていたことに気づいて動けなくなってしまった。
口内でもどかしげに動き回る柔らかい舌の感触に、情けないほどあっという間に力が抜けていく。あの夜以来、何度となく想い描いては溜息の原因となっていた小野寺のキスが、今また渚の身体から抵抗する術を奪おうとしていた。
どうしてこんなに簡単に、気持ち良くなってしまうのか。「やめてください」と押しのければいいのに、どうしてもっと欲しいと望んでしまうのか。
「しゃ、ちょう……っ」
渚は小野寺のスーツの袖をギュッと掴みながら、激しいキスに息を乱した。小野寺は何かに憑りつかれたように渚の唇を強く吸い、舌を嬲り続けている。
唾液が混ざりあう濡れた音が耳をくすぐり、うっとりと淫らな気持ちが込み上げてきた。渚は自分でも気づかぬうちにディープキスに応え始め、脱力した身体が崩れてしまわないように必死で小野寺にしがみついた。
背中に大きな手が回される。逃げ場がないくらいきつく抱きしめられ、渚は小野寺に身も心も丸ごと包み込まれたような気持ちになった。
「……渚。おまえ、遠藤とこういうことしたいか……?」
「そんなわけ、ないです……っ」
お互いの鼻先を触れあわせながら、小野寺に問い詰められた。間近で見る小野寺の眼は、いつもの飄々とした余裕のあるものではなく、何か切羽詰まったような色が垣間見える気がする。
「遠藤とか、他の奴らにこういうことされたら、どうする?」
「あっ……、そんなこと、考えたくない……」
追及する間も、小野寺の唇は渚の首筋を這い、舌が喉を舐め、また唇に戻ってきては深いキスで塞がれる。小野寺の意図が読めないまま、渚の吐息も甘くだらしなくほどけていく。
「なあ、言えよ。もし遠藤や他の男にこんなふうに迫られたら、おまえ全力で逃げるか?こんな隙なんて見せずに、本気で抵抗できるか……?」
キスされながら、小野寺の右手で腰の辺りをまさぐられる。タイトスカートの裾がずり上がり、温かい手のひらが滑り込んできてストッキング越しに渚のお尻を撫で回した。
「どうなんだよ?おまえ、他の奴にこんなことされそうになったら、ちゃんと抵抗するって約束できるか?」
「……します……っ。本気で、逃げる……」
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ハアッと大きく息をついてから、小野寺が渚の唇を更に激しく吸い上げた。
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