アダルト漫画家とランジェリー娘

茜色

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珠里の初めての夜

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 心臓が痛いくらいにドキドキしているのに、触れられる度に肌が甘く溶けていく気がする。
 自分のものではないみたいに、喉の奥から「女」の声がこぼれだす。掠れるような吐息が重なりあって、誠也も同じようにたかぶっているのが分かる。それが嬉しくて、夢を見ているような気持ちになる。

 でもこれは夢じゃない。くちづけの濡れた音も、舌に伝わってくる温度も、手のひらの熱に反応する珠里の肌も。すべてが生々しく淫らで、これが今起こっている現実なのだと胸に刻み付けられていく。

 珠里はシーツの上でうつ伏せになっていた。ほぼ紐だけと言っていいショーツから、白いお尻が剥き出しの状態で晒されている。誠也はその丸みに手を這わせ、両手で揉み、熱い息と共に頬ずりした。
 チュッ、チュッと唇を押し当てられる。なんだかひどく恥ずかしい。舌でヒップラインを舐め上げられ、思わず細い吐息を漏らしてしまう。

 お尻にキスしながら、誠也が割れ目に手を伸ばしてきた。小さなショーツは何の役にも立っていない。隙間からあっさりと指が滑り込んで、誰にも触らせたことがない珠里の秘裂をそっとひと撫でした。
「あ、ぁっ……っ」
 反射的に身体がびくんと震えた。隠していたふしだらな期待を暴かれたように、羞恥を感じる。
「すごい、濡れてる……」
 どこか興奮したような誠也の声。もっと聞きたいと思う。もっといやらしく囁いてほしい。

 温かな指が花びらを揺らすように優しく触れ、襞を掻き分けながら浅い蜜口をぬるぬる擦っている。
 淫靡な水音が珠里にも聞こえてきて、自然に息が荒くなる。誠也の指を更に誘い込むように、お尻がヒクヒク浮いては淫らに揺れ動いた。

「いっぱい垂らして……。珠里はこんなにエッチな子だったのか」
「ちがう……。勝手に、出ちゃう……」
「そんなに触ってほしかったのか。……ん?」
「あ、や……ぁっ」
 滴る蜜をなすりつけるようにして、クリトリスを指で撫でまわされた。くにゅくにゅと円を描くように、誠也の指の腹が珠里のふくらんだ芽を苛めては可愛がり、なぶるようにで続ける。
 
 お腹の奥が引き絞られるように気持ちがいい。頭の芯がぼうっと麻痺しそうなほどだ。
 指が膣内に入ってくる。最初は一本だけ。ぬぷぬぷと出し入れされ、撫でるように掻きまわされる。それから指がもう一本増えて、中でくねるように動かされる。内側の壁を何度も擦られ、じわじわと湧き立つような緩い快感が込み上げてくる。

「誠ちゃ……っ、あ、あっ……」
 珠里はうつぶせのまま自分の指の関節を噛んだ。誠也の指の動きに合わせるように、知らず自分の腰が揺れているのが分かる。
 恥ずかしい。なんていやらしい動き。あそこを見られながらだらしなく蜜を垂らし、それでも尚、求めているなんて。

 おもむろに身体を掴まれ、コロンと仰向けに返された。
 息を乱しながら誠也を見上げると、たまらなく優しい顔で見下ろされてドキッとした。そのままキスされ、ちゅぷ、ちゅく、と音を立てながら舌が甘く睦みあう。
 しばらく貪りあったあと誠也の唇が離れ、珠里の顎から喉、胸元へとキスの雨を降らせていく。くちづけられた場所はすべて甘くほどけ、乳首を吸われるだけで、背中まで快楽の波が駆け上った。

 やがて誠也の唇は珠里のお臍から下腹部へと移った。そのまま両手でショーツを引き下ろされ、珠里の身体からすべてが取り払われる。
 裸を見られる気恥ずかしさよりも、はしたない期待が勝って珠里の呼吸を乱していた。なぜだか眼に涙が浮かぶ。珠里が手を伸ばすと、誠也が覆いかぶさってきて慈しむようなキスをくれた。

「綺麗だ。……本当に、苦しくなるくらい」
 誠也は愛おしげに珠里を見つめ、一度深く息を吸い込んだ。それから両手で珠里の両脚を割り、既に十分潤っている性器に顔を埋めた。 

 そろりと伸ばされた舌が、小生意気に尖ったクリトリスを優しくいじめるように舐めてくる。その感触は腰が震えるほど淫靡で、珠里は喘ぎながら思わずシーツを強く掴んでいた。
 ちゅうっと吸われ、舌先で突くように転がされ、気持ち良さに身体が勝手にのけぞる。誠也の唇と舌はぬらぬらと這うように移動し、花弁を掻き分け膣口をねっとりと舐め回し、そのまま中まで侵入してきた。 

 内壁を舌で掻きまわされ、指でクリトリスをクニクニと弄ばれる。
 痺れるような快感に頭が朦朧としてきた。息が荒く、汗が滲んでくる。お腹の奥がきゅうっと引き攣るようなせつない感覚に少しだけ怖くなった。

「珠里……。自分でおっぱい触ってごらん」
 淫らな命令。そんな意地悪なこと、言わないでほしい。
 抵抗したいのに、催眠術のように珠里の両手は胸のふくらみに吸い寄せられる。

 誠也の指と舌、唇の愛撫に合わせ、珠里は自ら乳房を揉みしだいた。
 ひときわ熱い息が漏れる。恥ずかしいのにどうしようもなく気持ち良くて、背中を反らしながら指先で乳首を摘まみ上げる。
 さっき誠也がしてくれたように。指で捏ね、転がす。コロコロと弄られて硬くなるつぼみは、更にはしたなく熟していく。

 もうダメ、身体も頭も痺れて変になる……。
 乳頭を指で擦ると、頭の裏側がクラクラした。誠也の舌は今はクリトリスを転がしていて、長い指は膣の奥の方を撫で擦っている。
 ソロリと最奥を撫でられた。次の瞬間、珠里は腰を激しく揺らして絶頂を迎えた。

 胸を上下させて喘ぐ珠里を見下ろしながら、誠也が自分の下着を脱ぎ捨てた。
 勃起した男の性器は、覚悟していた以上に大きくて生々しい。身体の一部がどうしてこんなふうにち上がり、無骨に形を変えるのかと信じられない気持ちになる。

 本能的な不安に珠里はコクリと唾を飲んだ。だが怯えよりも、身体の内から生まれてくる渇望の方がむしろずっと大きかった。
 こんなにも固く乱暴に反り返っている。それほど誠也が珠里を求めてくれていると言う事実に、身体も心もゾクゾクしてくる。

 誠也はペニスに手を添えると、先端で珠里のクリトリスを愛撫し始めた。
「ふ、あ、あっ……。それ、だめっ……」
 ぐにゅっという卑猥な感触に、耐え切れず甘い悲鳴を漏らした。あふれた蜜で濡れそぼっている秘所を、誠也の性器がぬるぬるといやらしく往復している。
 こんな淫靡な動きをされたら、はしたない汁がもっともっとこぼれ出してシーツがびしょびしょになってしまう。なのに誠也はやめてくれない。何度も擦り、撫で、滑らせながら珠里の快楽の芽を執拗に攻め続ける。

「せい、ちゃんっ……。も、むり……っ」
「待ってろ。すぐだから」
 誠也が息を乱しながら身体を起こした。不意に睦みあっていた性器が離れ、淋しいような気持ちが込み上げてくる。

 ベッド脇のテーブルに誠也が手を伸ばした。小さな袋を破り、中身を取り出して手早く自らの性器に取り付けている。
 珠里は息を殺して待っていた。誠也が安心させるように優しく頬に触れてくる。思わず涙ぐんだら、瞼にそっとくちづけられた。

 身体が重ねられる。ひたすら甘く、信じられないほど優しいキスが珠里を包み込む。
 舌が蕩けあい、心地良さ以外何もかも忘れてしまいそうな陶酔感に浸っているうちに、ほんの隙をついて誠也のペニスが挿入はいってきた。

「ん、んっ……」
 一瞬、異物感と鈍い痛みに身体が強張った。
 誠也がすかさず柔らかなキスを施し、大きな右手で乳房甘く転がしてくれる。そうやって珠里を優しい快楽で包みながら、ゆっくり腰を動かして中へ中へと入りこんでくる。

 圧迫感がすごい。息が詰まりそうになるが、髪を撫でられ「大丈夫だよ」と耳元で囁かれると、まるで魔法のように身体から力が抜けた。
 深く息を吐き、意識的に脚を開いて誠也にしがみつく。ちゅうっと音を立てて唇を吸われ、珠里を抱く誠也の手にグッと力が籠められた。
 お互いの汗がぬるりと溶けあう。押し込まれる。苦しいほどに。
 珠里が誠也の首を掻き抱いた瞬間、肌と肌がぶつかりあう鈍い音が響いた。

「あ……。ぜんぶ……?」
 掠れた声で尋ねると、誠也が珠里の前髪を掻き上げておでこに優しいくちづけをくれた。
「入ったよ。俺の全部、珠里の中に」

 内にじわじわと感じる大きな熱の塊。誠也が自分の中にいる、そう思ったら、途端に涙が込み上げてきた。



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