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新章2
第一話
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何年眠っただろうか。寝床から起き上がる不死の王様は、悟の子の圭太の約束したのは覚えているが移動していないので、眠っている間に来たのかもしれないがと起き上がり再び人間の様子を見に行こうと思い、自分に名前を考えることにする。
「そうだな・・・ふぅ・・・お前の名前を借りよう。悟」
悟は人間ではない自分を最後まで友として見ていてくれた人間だった。
何年経ったかと本当に分らない状態だったので、外に出てみると日光が眩しいくらいに上がっていて昼時だと分かる。季節は夏。
そこで違和感があった。
自分の寝床の入り口が綺麗に修繕されており、塗装までされていたのだ。
「誰が?」
「起きましたの?遅いですわ」
振り返ると真由美に似た少女が山の中にも関わらずミニスカートとキャミソールで日傘なのか傘をさしていた。唖然とする悟に少女は続ける。
「お母様とおじい様が言っていた人でしょ!確か和田さん!」
そういえば名前を変えていることを言ってなかったのを思い出す。とりあえず和田悟として動き出すかと思ったが、その前に目の前の少女だ。
「お嬢さんは誰だい?お父さんとおじいさんって?」
「覚えてませんの!?酷いですわ!私は加藤楓、十六歳!加藤家の一人娘ですわ」
「・・・・真由美さんの遺伝子が強すぎて分からなかったが、性格も少し似ているね。これ修繕してくれたのは君かい?」
正直に言うと性格は少しどころか少しきつくなっているような気がする。
「気づきまして?寝顔が素敵な貴方が、ボロボロで今にも崩れそうなところで寝てて潰されでもしたら私が会えませんもの!私と結婚してください」
「は?」
早口すぎて分からなかったが、どうやら楓は眠っている自分に恋心を抱いたらしい。そして圭太にお願いしたのか分からないが、寝床の手入れをしてくれたらしいが、潰れたところで死ぬわけでもない。
「は?じゃありませんわ!私と結婚ですわ!起きたら結婚しても良いとお母様が言いましたわ!」
圭太君、君はなんて無謀なことを言ってくれたんだ。
「えっと、とりあえずお母様は、どこかな?居るのかい?」
「家に来てくれますの!?紹介しますわ!車は用意しておりますわ」
グイグイと引っ張る楓の力は弱く、とりあえずついていくことにする。しかしだ弱すぎる、それに身体が恐ろしく冷たい。薄手のわりに体が弱いのかもしれない。
「別に構わないが、君」
「楓ですわ!名前で呼んでください!」
じゃぁこちらの名前を聞いてこないのは何故だ?
まぁ話が飛び過ぎて分からないが、圭太に会えば何とかなるだろうか?
山を下りるとSPらしき数名のスーツの男性が並んでおり、黒光りした車を言わずともタイミングよく開けて楓と共に入ると車の中で馴れ馴れしく腕を組んだままだった。
眠る前のトラブル、事件と言った方が良いだろうか彼女との殺し合いをしたので少々女性が苦手になっているのが自分でも判るが、まだまだ子供だ。気にすることはないと自分に言い聞かせる。
彼女の家に行ってから悟は、思い返すと圭太は既に成人していたはずで子供が居るとは言わなかった。
目の前の彼女は十六歳と言っていた。
お母様とは、また違うのだろうか?
「そうだな・・・ふぅ・・・お前の名前を借りよう。悟」
悟は人間ではない自分を最後まで友として見ていてくれた人間だった。
何年経ったかと本当に分らない状態だったので、外に出てみると日光が眩しいくらいに上がっていて昼時だと分かる。季節は夏。
そこで違和感があった。
自分の寝床の入り口が綺麗に修繕されており、塗装までされていたのだ。
「誰が?」
「起きましたの?遅いですわ」
振り返ると真由美に似た少女が山の中にも関わらずミニスカートとキャミソールで日傘なのか傘をさしていた。唖然とする悟に少女は続ける。
「お母様とおじい様が言っていた人でしょ!確か和田さん!」
そういえば名前を変えていることを言ってなかったのを思い出す。とりあえず和田悟として動き出すかと思ったが、その前に目の前の少女だ。
「お嬢さんは誰だい?お父さんとおじいさんって?」
「覚えてませんの!?酷いですわ!私は加藤楓、十六歳!加藤家の一人娘ですわ」
「・・・・真由美さんの遺伝子が強すぎて分からなかったが、性格も少し似ているね。これ修繕してくれたのは君かい?」
正直に言うと性格は少しどころか少しきつくなっているような気がする。
「気づきまして?寝顔が素敵な貴方が、ボロボロで今にも崩れそうなところで寝てて潰されでもしたら私が会えませんもの!私と結婚してください」
「は?」
早口すぎて分からなかったが、どうやら楓は眠っている自分に恋心を抱いたらしい。そして圭太にお願いしたのか分からないが、寝床の手入れをしてくれたらしいが、潰れたところで死ぬわけでもない。
「は?じゃありませんわ!私と結婚ですわ!起きたら結婚しても良いとお母様が言いましたわ!」
圭太君、君はなんて無謀なことを言ってくれたんだ。
「えっと、とりあえずお母様は、どこかな?居るのかい?」
「家に来てくれますの!?紹介しますわ!車は用意しておりますわ」
グイグイと引っ張る楓の力は弱く、とりあえずついていくことにする。しかしだ弱すぎる、それに身体が恐ろしく冷たい。薄手のわりに体が弱いのかもしれない。
「別に構わないが、君」
「楓ですわ!名前で呼んでください!」
じゃぁこちらの名前を聞いてこないのは何故だ?
まぁ話が飛び過ぎて分からないが、圭太に会えば何とかなるだろうか?
山を下りるとSPらしき数名のスーツの男性が並んでおり、黒光りした車を言わずともタイミングよく開けて楓と共に入ると車の中で馴れ馴れしく腕を組んだままだった。
眠る前のトラブル、事件と言った方が良いだろうか彼女との殺し合いをしたので少々女性が苦手になっているのが自分でも判るが、まだまだ子供だ。気にすることはないと自分に言い聞かせる。
彼女の家に行ってから悟は、思い返すと圭太は既に成人していたはずで子供が居るとは言わなかった。
目の前の彼女は十六歳と言っていた。
お母様とは、また違うのだろうか?
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