4 / 5
3話 理斗
しおりを挟む
ぬあぁぁぁぁぁぁァァ!!
今日こそ宮澤さんに話しかけるんだ。
そう覚悟を決めて、
3日がたった。
登校2日目以降、宮澤は教室でお昼を食べることはなかった。どこか別のところで過ごしているのだろう。教室に残っている人数も増えてきて、グループでかたまり始めている。
そのグループに入りそびれているのが僕である。
[でさぁ、昨日浅川がさぁ…]
[えぇ?それはヤバいね。]
[やめてもろて(笑)]
皆が楽しそうに話している中、1人、ぼっち。
(す、すごく…気まずい!)
僕は冒険に出ることにした。
(できるだけ人のいなさそうなところに…)
僕がたどり着いたのは、旧校舎の図書室。
多分、誰もいない。暇になったら本を読めば良いし。なにかと都合がいい。
ミシミシいう扉を開けると先客がいた。
まさに今1番会いたい人だ。
宮澤さん。
『·········』
「·········」
(き、気まずい!)
とりあえず、何か話しかけるんだ。こんどこそ、本当に覚悟を決めた。
「あ、あのさ!ぼ、僕もここで食べても良いかな…」
『…別に良いんじゃない?』
「あ、ハイ…」
なぜか敬語になってしまった。そのくらい、宮澤さんの言葉には重みがあった。
『···········』
「···········」
沈黙が続く。
何か話題を…あ!
「あのさ、そ、その…1個質問しても良い、かな…僕から宮澤さんに…」
まずはお互いを良く知るべし!どこでかは忘れたけど、聞いたことがある。
『…別に構わないけど、私が何で白いかって事じゃないの?』
「あ、ま、まあ、そんな、感じ…」
(そういう事じゃ無いんだけどなぁ)
でも、仕方がない!僕の無力さを考えると、このまま話が進んだ方が有難い。
『私は、眼皮膚白皮症っていう体質なの。いわゆるアルビノっていうやつ。』
(やっぱり…)
アルビノとは、目と皮膚と毛髪をはじめとした全身(眼皮膚白皮症)、または目のみ(眼白皮症)が、先天的にメラニン色素をつくれない、もしくは少ししかつくれない体質のことだ。
「あ、そ、そうなんだ…何か、憧れるな…」
自然と口から言葉が漏れていた。
『そう?この体質に憧れるなんてなかなか変わってると思うわ。』
…ズキン
なんだろうか。宮澤さんの言葉には、トゲがある。見えない分厚い壁があるような。
でも、アルビノに憧れていたのは本当の事だ。
「で、でもさ…」
今日こそ宮澤さんに話しかけるんだ。
そう覚悟を決めて、
3日がたった。
登校2日目以降、宮澤は教室でお昼を食べることはなかった。どこか別のところで過ごしているのだろう。教室に残っている人数も増えてきて、グループでかたまり始めている。
そのグループに入りそびれているのが僕である。
[でさぁ、昨日浅川がさぁ…]
[えぇ?それはヤバいね。]
[やめてもろて(笑)]
皆が楽しそうに話している中、1人、ぼっち。
(す、すごく…気まずい!)
僕は冒険に出ることにした。
(できるだけ人のいなさそうなところに…)
僕がたどり着いたのは、旧校舎の図書室。
多分、誰もいない。暇になったら本を読めば良いし。なにかと都合がいい。
ミシミシいう扉を開けると先客がいた。
まさに今1番会いたい人だ。
宮澤さん。
『·········』
「·········」
(き、気まずい!)
とりあえず、何か話しかけるんだ。こんどこそ、本当に覚悟を決めた。
「あ、あのさ!ぼ、僕もここで食べても良いかな…」
『…別に良いんじゃない?』
「あ、ハイ…」
なぜか敬語になってしまった。そのくらい、宮澤さんの言葉には重みがあった。
『···········』
「···········」
沈黙が続く。
何か話題を…あ!
「あのさ、そ、その…1個質問しても良い、かな…僕から宮澤さんに…」
まずはお互いを良く知るべし!どこでかは忘れたけど、聞いたことがある。
『…別に構わないけど、私が何で白いかって事じゃないの?』
「あ、ま、まあ、そんな、感じ…」
(そういう事じゃ無いんだけどなぁ)
でも、仕方がない!僕の無力さを考えると、このまま話が進んだ方が有難い。
『私は、眼皮膚白皮症っていう体質なの。いわゆるアルビノっていうやつ。』
(やっぱり…)
アルビノとは、目と皮膚と毛髪をはじめとした全身(眼皮膚白皮症)、または目のみ(眼白皮症)が、先天的にメラニン色素をつくれない、もしくは少ししかつくれない体質のことだ。
「あ、そ、そうなんだ…何か、憧れるな…」
自然と口から言葉が漏れていた。
『そう?この体質に憧れるなんてなかなか変わってると思うわ。』
…ズキン
なんだろうか。宮澤さんの言葉には、トゲがある。見えない分厚い壁があるような。
でも、アルビノに憧れていたのは本当の事だ。
「で、でもさ…」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説


痔END
もじゃもじゅ
青春
とある少年が痔になった。帰宅途中、信号待ちをしている少年に少女が話しかけてきた。
「あなた痔ですか?」
突然の質問に固まる少年。男子校に通う少年は久しぶりの異性に困惑してしまう。痔が原因で、謎の少女と接点を持つ、とある少年の物語。
現役男子校の男子高生が描く、全く新しい世界観をお届けします。
燦歌を乗せて
河島アドミ
青春
「燦歌彩月第六作――」その先の言葉は夜に消える。
久慈家の名家である天才画家・久慈色助は大学にも通わず怠惰な毎日をダラダラと過ごす。ある日、久慈家を勘当されホームレス生活がスタートすると、心を奪われる被写体・田中ゆかりに出会う。
第六作を描く。そう心に誓った色助は、己の未熟とホームレス生活を満喫しながら作品へ向き合っていく。

坊主の誓い
S.H.L
青春
新任教師・高橋真由子は、生徒たちと共に挑む野球部設立の道で、かけがえのない絆と覚悟を手に入れていく。試合に勝てば坊主になるという約束を交わした真由子は、生徒たちの成長を見守りながら、自らも変わり始める。試合で勝利を掴んだその先に待つのは、髪を失うことで得る新たな自分。坊主という覚悟が、教師と生徒の絆をさらに深め、彼らの未来への新たな一歩を導く。青春の汗と涙、そして覚悟を描く感動の物語。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる