奪われた最愛と双子たち

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13話:アーデン侯爵邸にて☆*

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[アーデン侯爵SIDE]


「首尾は?」
「上々です。おそらく明日にはこちらに。」
「よくやった!」


馬車からぼーっと外を眺めていたら、ものすごい美少女が目に入った。
すぐ手の者に調べさせた。

既婚者だったのは残念だったが、数日前に結婚したばかりというではないか。
一緒にいた男がそうか?きれいな顔をしていたな。
父親は、騎士爵。はん、平民に毛が生えたような身分ではないか。いや、身分とも言えんな。


その後の調べで娘の父親の借金と娘の体のことがわかった。
だが、元気そうだったが?他の日にも外出していたようだし。
治ったのか?

まあ、いい。一人でも娘を産んだら死んでも構わん。
私は、見目のよい娘が欲しいだけだ。

借金があるならどうとでもなる。容易い物件であったことは運がいい。
ただ、あの美女が妻では執着心もあろう。若い夫では下手に騒がれては面倒くさいことになるやも。
夫不在の時が狙い目だな。




[アーデン侯爵邸にて:レティシア]


私は翌日、アーデン侯爵邸にいた。
使いの男が来て、あっという間に連れてこられてしまった。

離れに部屋を与えられた。


リリー・ミリー姉妹が私についてきてしまった。
どう説得しても意志を変えなかった。
私は、姉妹の家族を裏切るというのに。

でも、本当は嬉しかったの。ライルを裏切る私のことを変わらず慕ってくれて。
私たちだけの時は、家族として接してくれるよう図々しくお願いしてしまった。
二人は嬉しそうに快諾してくれた。


お父様は、おまえを生かすための薬で、逆におまえをこの上なく不幸にしてしまったと嘆いていらっしゃった。
力が足らずすまないとお兄様と一緒になって謝られて・・・。

あの気丈なお母様は倒れてしまった。

生きていても死んでも苦しめてしまうのね、私は。

マリー先生には、ご挨拶したかったわ。
お師匠様に会いに行かれたのよね。帰ったらよい話ができるかもと仰っていたけれど、もう聞けないわね。






アーデン侯爵は、その夜、私の寝室に来た。
かなり泥酔していたが上機嫌だった。
裸の上にガウンだけ羽織っているようだった。

覚悟を決めていたが、いざとなると逃げ出したい。
私は、ベッドに入らず立っていた。

心の臓が弱くて寿命も短いと家族が説明しても構わないの一点張りだったとか。
この人の目に留まるくらいなら、この容姿は要らなかったわ。
でもこの顔だから、ライルは私を愛してくれたのかしら?


「おい、レティシアだったか。娘を産め。私とおまえの子ならきっと美しい娘になる。」
「私は、子が産めないと、両親も申し上げたはずですが。」

「わが家の主治医の診察では、健康に問題ないと言っておったぞ。」

(そんなはずないわ。もし産めるのならライルの子を・・・。)


「・・もし男の子を産んだら?」
「もう跡取りはいるから、生まれたらすぐ養子に出す。」
「!」

「何をしている、早くこっちに来い。」
私は、引きずられるようにしてベッドにのせられた。

乱暴に寝間着をはだけられた。
「ほう。いい体をしているな。」

侯爵の舌が私の体を這う。気持ち悪くて涙が出てきた。
下着を下された。

(ライル!)
ああ、いや!肌が粟立つ。



私は侯爵に背を向け、一睡もできずに朝を迎えた。

侯爵が起きて、私の体を自分に向けさせた。
ニヤニヤと嫌な笑い方をして、今からやるか?と言って私の足を開いた。
ゾーッとした。



侯爵が部屋から出ていくと、リリー姉妹が入ってきた。

お風呂の用意をしてくれていた。
私の体に残る跡を見て、痛ましそうな表情をしたので申し訳なく思った。









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