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4月2日。午前9時、警視庁。捜査一課の主任を務めている矢口警部補は、上司である、武坂刑事部長に呼ばれていた。刑事部長室に入ると、武坂が、椅子に座るよう促した。
「実は、昨日の夕方、匿名で、総監宛に、こんなものが警視庁に送られてきてね」
武坂は、机の上に、小さな小箱を置いた。蓋を開けてみると、古い新聞紙で包装されていて、切り取られたと思われる親指が出てきた。武坂は、さらに、同封されていたという、手紙を見せた。
この親指は、警視総監の愛人である女性を殺害して、切り取った物である。総監ともあろう方が、妻子がいながら、不倫とは情けない。恥を知れ。
この一文だけが書かれていた。
「総監に愛人がいたのは本当ですか」
「事実だ。しかも三日前から行方不明になっていて、総監が大変心配しておられた。銀座のバーを経営していた早見裕子さんという方だ。年齢は45歳。総監より10歳年下だ。総監の衣服についていた裕子さんの指紋を、その親指の指紋と照合した結果、一致したと、鑑識から報告が入った。すぐに総監に報告したら、直ちに捜査に当たるように言われた。ただし、マスコミに気づかれないように、慎重にだ。君の班の者だけで、捜査に当たるんだ。それ以外の者には、絶対口外するな。」
強い口調で、武坂は言った。
「実は、昨日の夕方、匿名で、総監宛に、こんなものが警視庁に送られてきてね」
武坂は、机の上に、小さな小箱を置いた。蓋を開けてみると、古い新聞紙で包装されていて、切り取られたと思われる親指が出てきた。武坂は、さらに、同封されていたという、手紙を見せた。
この親指は、警視総監の愛人である女性を殺害して、切り取った物である。総監ともあろう方が、妻子がいながら、不倫とは情けない。恥を知れ。
この一文だけが書かれていた。
「総監に愛人がいたのは本当ですか」
「事実だ。しかも三日前から行方不明になっていて、総監が大変心配しておられた。銀座のバーを経営していた早見裕子さんという方だ。年齢は45歳。総監より10歳年下だ。総監の衣服についていた裕子さんの指紋を、その親指の指紋と照合した結果、一致したと、鑑識から報告が入った。すぐに総監に報告したら、直ちに捜査に当たるように言われた。ただし、マスコミに気づかれないように、慎重にだ。君の班の者だけで、捜査に当たるんだ。それ以外の者には、絶対口外するな。」
強い口調で、武坂は言った。
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