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キンセンカ
僕は家を飛び出した
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彼女は2週間前、病によって亡くなった。
2週間経った今でも彼女のことが頭から離れない。
病だったのだからどうしようもできなかったのはわかっている。
しかし、僕は彼女に何もしてあげることができなかった。
彼女が喜ぶようなことを何一つしてあげることができなかった。
僕はそう悔やむことしかできない…
目を閉じると彼女との想い出が次々と思い出される。
2人で様々なところへ出かけた。
商店街、水族館、遊園地……
あげていったらキリがない。
そんな楽しかった想い出も今では、彼女がいないという事実を受け止めさせてくる。
ーもう一度彼女に会いたいー
そう何度願っただろうか。
そんな願いは叶わないことは理解している。
しかし僕は彼女に会えるかもしれない唯一の方法を考えついている。
この身体がどうなってしまうのかもわからないような無謀な方法だ。
しかし、彼女に会うためならば僕は………………。
そう決意を固めていると妹の声が部屋に届く。
「お兄ちゃんお昼ご飯出来たよ~」
彼女が亡くなって以来、妹が僕の面倒を見に家に来ている。
「わかった、すぐ行く」
そう力なく言葉を吐きリビングへ向かった。
-------------
いただきます。と小さく呟き僕は朝食をとる。
「お兄ちゃん…まだ彼女さんのこと克服できていないんだね…」
僕はここ2週間学校に行っていない。
今日も僕が学校に行く気がないことを察したのだろう。
しかし僕はそれになんの返答もしなかった。
「………………」
しばらく無言が続いた後、
「ほら、お兄ちゃん。ちゃんと食べないと生きていけないよ!」
と、妹が励ましのような言葉をかけてくる。
しかし、そう言われても食欲は湧かず、一向に箸も進まない。
「お兄ちゃん…」
結局ほとんど何も食べないまま、ごちそうさまでした。
と小さく呟き、僕は席を立った。
……さて、彼女に会いに行動へ移そう。
妹には悪いが、この身体がどうなろうと僕は彼女にもう一度会いたい。
だから僕はその行動をとった。
玄関へ向かい、靴を履いて何も持たずに、
ー僕は家を飛び出したー
もう一度彼女に……
ただそれだけを考えて僕は走り出した。
「お兄ちゃん⁉︎」
背後から妹の声が聞こえるのを無視して僕は走り続けた…
-------------
僕は当てもなく彷徨い続けた。
もう家を飛び出してからどれほどの時間が経ったかもわからない。
けれど、僕は「まだだ、まだだ」と呟きながら、彷徨い続ける。
そして、何回かの夜が明けた頃それは訪れた。
意識が朦朧とし、視界が暗転し始める。
次の瞬間、身体が力尽きたように前へ倒れこんだ。
倒れた時の痛みや衝撃すら感じなかった。
そして視界が完全に闇に包まれた…
2週間経った今でも彼女のことが頭から離れない。
病だったのだからどうしようもできなかったのはわかっている。
しかし、僕は彼女に何もしてあげることができなかった。
彼女が喜ぶようなことを何一つしてあげることができなかった。
僕はそう悔やむことしかできない…
目を閉じると彼女との想い出が次々と思い出される。
2人で様々なところへ出かけた。
商店街、水族館、遊園地……
あげていったらキリがない。
そんな楽しかった想い出も今では、彼女がいないという事実を受け止めさせてくる。
ーもう一度彼女に会いたいー
そう何度願っただろうか。
そんな願いは叶わないことは理解している。
しかし僕は彼女に会えるかもしれない唯一の方法を考えついている。
この身体がどうなってしまうのかもわからないような無謀な方法だ。
しかし、彼女に会うためならば僕は………………。
そう決意を固めていると妹の声が部屋に届く。
「お兄ちゃんお昼ご飯出来たよ~」
彼女が亡くなって以来、妹が僕の面倒を見に家に来ている。
「わかった、すぐ行く」
そう力なく言葉を吐きリビングへ向かった。
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いただきます。と小さく呟き僕は朝食をとる。
「お兄ちゃん…まだ彼女さんのこと克服できていないんだね…」
僕はここ2週間学校に行っていない。
今日も僕が学校に行く気がないことを察したのだろう。
しかし僕はそれになんの返答もしなかった。
「………………」
しばらく無言が続いた後、
「ほら、お兄ちゃん。ちゃんと食べないと生きていけないよ!」
と、妹が励ましのような言葉をかけてくる。
しかし、そう言われても食欲は湧かず、一向に箸も進まない。
「お兄ちゃん…」
結局ほとんど何も食べないまま、ごちそうさまでした。
と小さく呟き、僕は席を立った。
……さて、彼女に会いに行動へ移そう。
妹には悪いが、この身体がどうなろうと僕は彼女にもう一度会いたい。
だから僕はその行動をとった。
玄関へ向かい、靴を履いて何も持たずに、
ー僕は家を飛び出したー
もう一度彼女に……
ただそれだけを考えて僕は走り出した。
「お兄ちゃん⁉︎」
背後から妹の声が聞こえるのを無視して僕は走り続けた…
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僕は当てもなく彷徨い続けた。
もう家を飛び出してからどれほどの時間が経ったかもわからない。
けれど、僕は「まだだ、まだだ」と呟きながら、彷徨い続ける。
そして、何回かの夜が明けた頃それは訪れた。
意識が朦朧とし、視界が暗転し始める。
次の瞬間、身体が力尽きたように前へ倒れこんだ。
倒れた時の痛みや衝撃すら感じなかった。
そして視界が完全に闇に包まれた…
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