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夢
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そして、夜を迎えた。
結局、隣で寝る事になってしまったが、僕は彼方の反対方向を向いて寝ている。
だというのに、背後から明らかに視線を感じる。
彼方の視線だ。
どうしてあいつはこっちを向くんだ⁉︎
首だけ回し、背後をそろ~っと確認する。
すると、彼方と視線が交差する。
僕は反射的に後ろを向く。
その直後、彼方の声が部屋に小さく響いた。
「惺、起きてるよね?恋話しない?」
「………………」
無言を貫いていると、彼方が
「私の好きな人はね~。私が視線を合わせると、すぐ後ろを向く人なんだよ」
「っ……………。はぁ………」
まだこいつあの設定引きずってるのかよと嘆息すると、
「私に好きって言われて嬉しくなかった…?」
と本気で心配そうな声が聞こえた。
「そういうわけじゃねーよ」
すこし返す言葉に詰まってから
「好きって言われて正直嬉しかったけどさ……なんかなぁ……」
と返す。
なんかなぁと思うのは彼方が僕の彼女設定を作り出した真意がわからないからだ。
こいつほんとに何を考えて僕の彼女設定を作り出したんだ?
いや、そもそも設定ではないのか?
それとも、………………。
いくら考えても彼方の真意はわからない。
そう割り切り、僕は
「もう寝るわ、おやすみ」
とだけ言い残し、寝る体勢に入った。
すると、ふっと睡魔が襲ってきた。
そして、僕の視界はだんだんと落ちてゆき………
--------------
何処からか、泣き叫んでいる声が聞こえる。
その声は何処か聞き覚えのある声だった。
ふっと、視界が歪んだ。
そして僕はまどろむ意識の中、ある声を聞いた。
「惺ぃー。っ……。惺ぃー」
その声はひどく掠れていた。
しかし、僕にとってひどく愛おしい声だった。
僕は手を伸ばし、声の主に触れようとする。
僕が手を動かそうとしたその刹那、僕の意識は落ちていった…
--------------
長い……長い夢を……見ていた気がする……
そこで意識が覚醒する。
閉じていたまぶたを開け、周りを見渡す。
すると、すぐそばに誰かがいた。
彼方だった。
ー彼方が隣で寝ているー
という事実を頭が理解した。
その瞬間、心臓はバクバクとなり、冷や汗が流れる。
いや、昨日隣で寝たから当たり前なんだけどなんか寝た時より距離近いんだけど⁉︎
そして僕は気づいた。
彼方の手が僕の腰にまわされていることに…
ん?何?抱きつかれてるってこと⁉︎
・・・・・・
そんなデジャヴのようなシチュエーションに僕は嘆息するのだった。
ちなみに彼方が起きるまで、僕は理性と戦ってましたとさ。
結局、隣で寝る事になってしまったが、僕は彼方の反対方向を向いて寝ている。
だというのに、背後から明らかに視線を感じる。
彼方の視線だ。
どうしてあいつはこっちを向くんだ⁉︎
首だけ回し、背後をそろ~っと確認する。
すると、彼方と視線が交差する。
僕は反射的に後ろを向く。
その直後、彼方の声が部屋に小さく響いた。
「惺、起きてるよね?恋話しない?」
「………………」
無言を貫いていると、彼方が
「私の好きな人はね~。私が視線を合わせると、すぐ後ろを向く人なんだよ」
「っ……………。はぁ………」
まだこいつあの設定引きずってるのかよと嘆息すると、
「私に好きって言われて嬉しくなかった…?」
と本気で心配そうな声が聞こえた。
「そういうわけじゃねーよ」
すこし返す言葉に詰まってから
「好きって言われて正直嬉しかったけどさ……なんかなぁ……」
と返す。
なんかなぁと思うのは彼方が僕の彼女設定を作り出した真意がわからないからだ。
こいつほんとに何を考えて僕の彼女設定を作り出したんだ?
いや、そもそも設定ではないのか?
それとも、………………。
いくら考えても彼方の真意はわからない。
そう割り切り、僕は
「もう寝るわ、おやすみ」
とだけ言い残し、寝る体勢に入った。
すると、ふっと睡魔が襲ってきた。
そして、僕の視界はだんだんと落ちてゆき………
--------------
何処からか、泣き叫んでいる声が聞こえる。
その声は何処か聞き覚えのある声だった。
ふっと、視界が歪んだ。
そして僕はまどろむ意識の中、ある声を聞いた。
「惺ぃー。っ……。惺ぃー」
その声はひどく掠れていた。
しかし、僕にとってひどく愛おしい声だった。
僕は手を伸ばし、声の主に触れようとする。
僕が手を動かそうとしたその刹那、僕の意識は落ちていった…
--------------
長い……長い夢を……見ていた気がする……
そこで意識が覚醒する。
閉じていたまぶたを開け、周りを見渡す。
すると、すぐそばに誰かがいた。
彼方だった。
ー彼方が隣で寝ているー
という事実を頭が理解した。
その瞬間、心臓はバクバクとなり、冷や汗が流れる。
いや、昨日隣で寝たから当たり前なんだけどなんか寝た時より距離近いんだけど⁉︎
そして僕は気づいた。
彼方の手が僕の腰にまわされていることに…
ん?何?抱きつかれてるってこと⁉︎
・・・・・・
そんなデジャヴのようなシチュエーションに僕は嘆息するのだった。
ちなみに彼方が起きるまで、僕は理性と戦ってましたとさ。
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