11 / 32
小泉が葵に嫉妬⁉︎
しおりを挟む
葵には少しだけ嘘の説明をした。
それは、小泉が突如現れ、彼女だ。と言ったことだ。
この部分を言っても信用されず、また叩かれる未来が目に見えているので、
そこの部分は、小泉が僕の彼女だ。と説明をしておいた。
しかし、
「小泉さん、あなたはほんとに惺の彼女ですか?」
と葵は小泉に問いかけていた。
いや、僕の信用なさすぎだろ。
「うん、ほんとだよ~」
「もしかして、命令で彼女になっているとか?」
いや、こいつ僕に彼女ができないこと確信してるようなこと言うやん。
「違います、普通に惺の彼女です」
「それとも、罰ゲームか何かで?」
「違います、普通に惺の彼女です」
「………………え?ほんとに普通に付き合ってるの?」
「はい、そう最初から言ってたじゃないですか」
「ちょっと待って衝撃の事実を知って頭が追いつかない」
それから1分ほど「えっまじで⁉︎」など独り言を葵は呟きながら混乱していた。
僕に彼女がいるだけで、そんなに驚くかこいつ。
っていうか、小泉を彼女だって言いきってるじゃねーか僕。
葵の説明のためにそうしたけど自分の気持ちまで変える必要ないだろ。
そんなことを考えて、顔が熱くなるのを感じ、僕は小泉から視線をそらした…
-------------
結局、葵が落ち着きを取り戻すまで、僕は小泉から視線をそらし続けていた。
時々、小泉が僕の気持ちを察したようにニヤッとしながらこっちを見ていたのは気のせいだったのだろうか。
落ち着きを取り戻した葵は結局、
「惺に彼女ができていたことがわかったから、とりあえず帰るね。あとは、お楽しみに~」
とニヤニヤしながら言い残し、帰っていった。
しばらく小泉と無言でいると、小泉が
「さっきの達川さんって惺の幼馴染だよね?それ以上の関係ではないよね?」
と殺気立った声で問いかけてきた。
『それ以上の関係』の意味がわからなかったが、とりあえず
「う…うん」
と返しておく。
「ちなみに、なんで私がこんな質問したか分かってる?」
「怒ってるからだよ…ね?」
恐る恐るといった感じで返す。
「じゃあ、なんで怒ってたらこんな質問するの?」
「そ……それは、わからないです」
すると小泉は、呆れながらため息をつき、
「ほんっ…と、惺って鈍感だよね」
「いや、鈍感じゃないぞ」
言ってから自分の中で多分と付け加えておく。
「さっき私があの質問をした理由がわかんないんだったら、それは鈍感だと思うよ」
「………………」
そう言われ、何も言い返せなくなっていると、
小泉がぼそっと何かをつぶやいた。
「え?なんか言った?」
「なんでもない」
そう言い残し、小泉は僕が貸している部屋へ向かっていった。
それは、小泉が突如現れ、彼女だ。と言ったことだ。
この部分を言っても信用されず、また叩かれる未来が目に見えているので、
そこの部分は、小泉が僕の彼女だ。と説明をしておいた。
しかし、
「小泉さん、あなたはほんとに惺の彼女ですか?」
と葵は小泉に問いかけていた。
いや、僕の信用なさすぎだろ。
「うん、ほんとだよ~」
「もしかして、命令で彼女になっているとか?」
いや、こいつ僕に彼女ができないこと確信してるようなこと言うやん。
「違います、普通に惺の彼女です」
「それとも、罰ゲームか何かで?」
「違います、普通に惺の彼女です」
「………………え?ほんとに普通に付き合ってるの?」
「はい、そう最初から言ってたじゃないですか」
「ちょっと待って衝撃の事実を知って頭が追いつかない」
それから1分ほど「えっまじで⁉︎」など独り言を葵は呟きながら混乱していた。
僕に彼女がいるだけで、そんなに驚くかこいつ。
っていうか、小泉を彼女だって言いきってるじゃねーか僕。
葵の説明のためにそうしたけど自分の気持ちまで変える必要ないだろ。
そんなことを考えて、顔が熱くなるのを感じ、僕は小泉から視線をそらした…
-------------
結局、葵が落ち着きを取り戻すまで、僕は小泉から視線をそらし続けていた。
時々、小泉が僕の気持ちを察したようにニヤッとしながらこっちを見ていたのは気のせいだったのだろうか。
落ち着きを取り戻した葵は結局、
「惺に彼女ができていたことがわかったから、とりあえず帰るね。あとは、お楽しみに~」
とニヤニヤしながら言い残し、帰っていった。
しばらく小泉と無言でいると、小泉が
「さっきの達川さんって惺の幼馴染だよね?それ以上の関係ではないよね?」
と殺気立った声で問いかけてきた。
『それ以上の関係』の意味がわからなかったが、とりあえず
「う…うん」
と返しておく。
「ちなみに、なんで私がこんな質問したか分かってる?」
「怒ってるからだよ…ね?」
恐る恐るといった感じで返す。
「じゃあ、なんで怒ってたらこんな質問するの?」
「そ……それは、わからないです」
すると小泉は、呆れながらため息をつき、
「ほんっ…と、惺って鈍感だよね」
「いや、鈍感じゃないぞ」
言ってから自分の中で多分と付け加えておく。
「さっき私があの質問をした理由がわかんないんだったら、それは鈍感だと思うよ」
「………………」
そう言われ、何も言い返せなくなっていると、
小泉がぼそっと何かをつぶやいた。
「え?なんか言った?」
「なんでもない」
そう言い残し、小泉は僕が貸している部屋へ向かっていった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
The musical sing club
Moca
青春
ニューヨーク州マンハッタンに引っ越ししてきたサラはマンハッタン芸術高校に転校することになった。
だが、ミュージカルシングクラブはSNSアプリである“チクタク”によって、曲が使われてしまい、ダンスの評価が下がり、やがて廃部危機になってしまう。
廃部危機を取り戻すために大会までにミュージカルシングクラブで色んな曲歌の練習を励んだ。
First Light ー ファーストライト
ふじさわ とみや
青春
鹿児島県の女子高生・山科愛は、曾祖父・重太郎の遺品の中から一枚の風景画を見つけた。
残雪を抱く高嶺を見晴るかす北国らしき山里の風景。その絵に魅かれた愛は、絵が描かれた場所を知りたいと思い、調べはじめる。
そして、かつて曾祖父が終戦直後に代用教員を務めていた街で、その絵は岩手県出身の特攻隊員・中屋敷哲が、出撃の前に曽祖父に渡したものであることを知った。
翌年、東京の大学に進学した愛は、入会した天文同好会で岩手県出身の男子学生・北条哲と出会い、絵に描かれた山が、遠野市から見上げた早池峰山であるらしいことを知る。
二人は種山ヶ原での夏合宿あと遠野を訪問。しかし、確たる場所は見つけられなかった。
やがて新学期。学園祭後に起きたある事件のあと、北条は同好会を退会。一時疎遠になる二人だったが、愛は、自身の中に北条に対する特別な感情があることに気付く。
また、女性カメラマン・川村小夜が撮った遠野の写真集を書店で偶然手にした愛は、遠野郷に対して「これから出合う過去のような、出合ったことがある未来のような」不思議な感覚を抱きはじめた。
「私は、この絵に、遠野に、どうしてこんなに魅かれるの?」
翌春、遠野へ向かおうとした愛は、東京駅で、岩手に帰省する北条と偶然再会する。
愛の遠野行きに同行を申し出る北条。愛と北条は、遠野駅で待ち合わせた小夜とともに「絵の場所探し」を再開する。
中屋敷哲と重太郎。七十年前に交錯した二人の思い。
そして、たどり着いた〝絵が描かれた場所〟で、愛は、曾祖父らの思いの先に、自分自身が立っていたことを知る――。
※ この話は「カクヨム」様のサイトにも投稿しています。
アサシンズハイスクール
鹿島 新春
青春
法では裁けぬ悪を陰で裁く者ーーー暗殺者
とある島に政府公認の暗殺者などを育成する特殊な場所「クロノス学園」と言う学校がある。
その学園の授業で単位を修得し卒業するための単位数を手に入れ、卒業する事で卒業後に人を殺すことが許されるライセンス「殺人許可証」を手にする事が出来る
命がけの学科……命を落とす者も少なくない
苦楽を共に過ごした仲間達が死んでいく中、それでも暗殺者を目指す者達がいた
「あるモノ」を奪われ奪った者を殺害するため暗殺者を目指す者
悪を根絶やしにし、「大切なモノ」を守るため暗殺者を目指す者
「愛するモノ」を奪われ、その復讐に命を賭け暗殺者を目指す者
これは暗殺あり!ラブコメあり!笑いあり!ちょっと変わった学園ストーリーである
悲しみの向こう側
雲龍神楽
青春
18歳にして病魔と戦い余命5年と言われたが、10年生きてこの世を去った麻耶。
麻耶を襲ったのは、現代の医学では治療法のない病魔だった。
親友の杏奈は、麻耶の死を受け入れることが出来なかった。杏奈は麻耶の死以前に杏奈のお姉ちゃんの佑奈の死があったからだ。
麻耶は自分の余命が残り僅かだとわかった時麻耶が杏奈に残したものとは。
杏奈に降りそそぐ運命とはーー。
キミ feat. 花音 ~なりきるキミと乗っ取られたあたし
若奈ちさ
青春
このあたしがなんでカーストど底辺のキリコと入れ替わんなきゃならないの!?
憧れの陽向くんとキリコが幼なじみで声をかけてくれるのはうれしいけど、なんか嫉妬する!
陽向くんはもとに戻る方法を一緒に探してくれて……
なんとか自分に戻れたのに、こんどは男子の夕凪風太と入れ替わり!?
夕凪は女の子になりたかったと、訳のわからないこというし……
女王様気取りの音無花音が、まったく立場の違うクラスメイトと入れ替わって奔走する。
少女たちの春[第1部]
秋 夕紀
青春
誰にでも人生の春がある。それは「青春」「思春期」と呼ばれる事もあるが、それだけでは語り尽くせない時期である。また、その時期は人それぞれであり、中学生の時かもしれないし、高校生の時かもしれない。あるいは、大学生、社会人になってからかもしれない。いずれにしても、女の子から大人の女性になる時であり、人生で一番美しく愛らしい時である。
高校に入学したばかりの5人の女子が、春に花を咲かせるまでを追って行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる