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支援者

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きずな食堂には、スクールカウンセラーの紹介で訪れる子どもたちも多く、地域の小中学校との繋がりが深い。そのため、自治体もこの食堂の重要性を十分に理解していた。自治体からのアナウンスにより、寄付を申し出る家庭や、自分たちの畑や家庭菜園で育てた新鮮な野菜を提供する人々も現れた。その中でもひときわ目立っていたのが、若き農家のナカムラさんであった。

ナカムラさんは、かつての支援者であったイイダさんの後を継ぐように、新たに協力を申し出てくれた。その背景には、彼自身が幼い頃に福祉施設や子ども食堂の恩恵を受けていたという深い理由があった。彼の家庭も経済的に苦しい時期があり、子ども食堂のおかげで栄養豊かな食事を取ることができた。その経験から、今度は自分が恩返しをする番だと強く感じていたのだった。

きずな食堂の厨房で、サトウさんが忙しく準備をしていると、入り口のベルが軽やかに鳴り響いた。振り返ると、そこには笑顔を浮かべたナカムラさんが立っていた。彼の手には、収穫したばかりの新鮮な野菜が詰まった籠があった。

ナカムラさんは自らの畑でさまざまな種類の野菜を育てていて、彼の畑には、季節ごとに異なる野菜がたくさん並ぶ。春は、ほうれん草やレタス、キャベツなどの葉物野菜が育ち、夏にはトマト、ナス、キュウリ、ピーマンなどの夏野菜が豊富に収穫される。秋にはサツマイモやカボチャ、冬には大根や白菜、ブロッコリーなどの根菜や冬野菜が畑を彩る。
特にナカムラさんのトマトは甘くてジューシーで、子どもたちにも大人気だった。また彼の育てたキャベツや大根は栄養価が高く、食堂の料理に欠かせない食材となっている。ナカムラさんは無農薬や有機栽培にも力を入れており、安心して食べられる野菜を提供することに情熱を注いでいた。
彼の手から届けられる新鮮な野菜は、きずな食堂の料理を一層美味しくし、子どもたちの健康を支える重要な役割を果たしていた。 

「あらナカムラさん、こんにちは!いつもありがとうございます。本当に助かります」

サトウさんは感謝の気持ちを込めて微笑んだ。

「こんにちは。これ、今朝採れたばかりの野菜です。ぜひ子どもたちに食べさせてあげてください」

ナカムラさんは籠をサトウさんに手渡しながら言った。

「ありがとうございます。ナカムラさんのお野菜は本当に美味しくて、子どもたちも喜んで食べているんですよ」

サトウさんは籠を受け取り、中の新鮮な野菜に目を輝かせる。

「それを聞いて安心しました。実は僕も子どもの頃に他のところですが、子ども食堂の世話になっていたんです。だから、少しでも恩返しができればと思って……」
「そうだったんですね。それは知りませんでした。でも、こうして協力していただけること、本当にありがたいです。ナカムラさんの気持ちが子どもたちにも伝わっていると思いますよ」

少し照れ臭そうに言うナカムラさんを、サトウさんは優しい目で見つめた。

「僕ができることは限られていますが、これからもできる限り協力させていただきます。何か困ったことがあれば、いつでも言ってくださいね」
「ありがとうございます。これからもよろしくお願いしますね」

サトウさんは心からの感謝を込めて、頭を深く下げた。
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