人の心の裏表

戒月冷音

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第43話

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その次の日の朝、ジャネット様とルキア様は王命と言う形で夫婦となった。

ルキア様は嬉しそうにしていたが、ジャネット様は
「何で?どうしてっ」
と問いを繰り返す。
先程から国王陛下、宰相様が何度説明しても聞こうともしない。
「ミラー伯爵。よくこのような者を国の要である公爵家に嫁がそうと思ったな」
宰相様の言葉である。

ミラー夫妻は昨夜の娘の声で言い訳不能になっていて、伯母様は泣いてばかり居る。
「い、いえ、あの…」
「あの様な事を他家で行うなど、平民でもせぬわ」
「ですが…」
「このまま行っておれば、間違いなく後継があの2人の子になる。
 それを見過ごすラングワースだと思ったのか」
「み、見過してもいいではありませんかっ。私達の孫ですのよっ」
突然伯母様が、とんでもない事を口走った。

「お、お前っ、何を」
「私達の孫をどうする気なのっ」
伯母様は何を思ったのか孫を守る気でいる。拳を握りしめて力の限り叫んでいた。
それを見ていた国王陛下と宰相様は、お互いが決定稿を確認する。

そして、
「ミラー伯爵。貴方は1階級降格して頂きます」
宰相様が宣言した。
「は?」
「貴方は娘の事もありますが、領主として貴族の責務を全くこなしていませんね」
「え、いや。私はしております。」
「やっているのは弟君とそのお嬢様です。貴方は遊び歩いている」
「私があの書類を作成しております」
伯父様は自信満々に言った。
それを聞いた宰相様は領主なら答えて当たり前の質問をする。
「へー… では、貴方の領地の人口、耕作面積、勿論言えますね」
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