二世帯住宅から冒険の旅へ

PXXN3

文字の大きさ
上 下
88 / 102

第83話 勇者チームと偽勇者2

しおりを挟む
「て、てててててててんっ」

「どうした?」

「て、転生者ってなんで?」

「英語圏からの転生者じゃないのかね?」

「そ、そうだが、なんでわかったんだ?」

「たまに英語っぽいこと言ってただろ」

「ああたしかに」

「俺英語わからない」

「わたくしもわかりませんわ」

「えいご~?」

「ダメだったか。われわれは日本から転移して来た。彼が勇者だ」

「ゆ、勇者? ジャパニーズ勇者なのかい? 本当に?」

「十六年くらいまえに魔王を倒したのは俺だよ」

「勇者……でもぼくも転生者だから勇者の資格があるだろ?」

「勇者は適性が必要ですわ。適性診断をなさったことはおありですの?」

「適性? なんだいそれは?」

「水晶玉で見るやつだよ。転生者なら適性のほかに特殊能力が見れるはずだ」

「……見たことはない。ないが……」

「適性がなければ勇者にはなれませんわ」

「そんな……」

「よしよし~」

「丸くなっちゃったわね」

「勇者であることを支えにしてこの世界で生きてきたんだろう。田舎ではかなり浮いてたんじゃないか?」

「でしょうね」

「浮く?ってどういうことかしら?」

「ぷかぷか~?」

「俺は浮いたことないなあ」

「無自覚に浮いてるメンバーだったな。常識枠は俺だけか」

「ケンさんも無自覚側だと思うけどなんでもないです」

「ぼくだって……ぼくだって好きで浮いてたわけじゃないんだよおっ!」

「うおっ」

「常識が違いすぎるんだよ……なにをやってもおかしな目で見られるし」

「気にしなきゃいいのに」

「ちょっとは気にしてくれよぅ」

「先生は気にしすぎよね」

「野ブタ~食べないの~?」

「そうだな。野ブタは解体してもいいんだな?」

「ビッグボアの討伐証明部位は鼻と牙だよ。ほかは処理していいよ」

「なんで自然な流れで話題が変わってるんだろう」

「先生は細かいこと気にしすぎよね」

「はげるぞ」

「はげといえば王都の冒険者組合長め。ぼくをこんなとこに送りやがって」

「それは妥当だろ」

「王族にけんか売って生きていられるなんて平和な国だと思うが」

「野ブタ~」

「はいはい、無限収納スキルの応用でほいっと」

「ええっ?! なんだいそれは?」

「スキルで解体しただけだ」

「便利よね。スーパーでも使いたいわ」

「おにく~」

「こういうとき調理スキルと火魔法が使えたらいいのになあ」


すっとメイドが出てきて調理する。


「え? どっから出てきたの?」

「メイド? こんな森にメイド?」

「深く考えないほうがいい。王族つきのメイドだ」

「めいど~?」


メイドがさっと一礼して去ってゆく。


「消えた……」

「さあ料理が冷めないうちにいただきましょ」

「なんでなにごともなかったかのように受け入れてるんだ」

「それが日常だからだ」

「うちのメイドがどうかしたのかい?」

「なにも疑問に感じてないみたいだ」

「ファンタジーすぎるだろジャパニーズメイド」

「いやあれはジャパニーズじゃないぞ」

「変に勘違いされると大変困る」

「そしてうますぎる……なんだこれ……」

「アメイジング宮廷料理」

「さすが王族つき影メイド」

「うまうま~♪」

「スーパーの豚肉よりもちょっと硬めだけど独特の風味がくせになりそうね」

「俺は姫さまの買ってきた肉が好きだよ」

「勇者様(それはスーパーの半額になったお肉よ)」

「通常営業だな」

「毎日この飯食ってんのか……」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~

k33
ファンタジー
初めての小説です..! ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢?当て馬?モブ?

ブラックベリィ
ファンタジー
婚約破棄に国外追放されましたが、これでお役御免なのでしょうか? 乙女ゲームしたことないので、立ち位置がわかりません。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

処理中です...