69 / 102
第64話 魔導都市の入り口
しおりを挟む
「なんか屋台の設備が全然違うな」
「よくわからないけど全部魔道具なの?」
「冷蔵魔道具とか保温魔道具とか火焔炙り魔道具とか粉砕攪拌魔道具とかいろいろあるな」
「食べ物も結構おいしい。オレはこのとぅ……とぅば……なんとかいう肉が好き」
「とぅばねるじとか言ってたな」
「テゥヴヮリゥミネグルズィですね。この辺の野鳥のようです」
「とぅば……」
「あきらめよう」
「このシャリシャリする飲み物?はいいですね」
「果物を凍らせて粉砕したものだな」
「ミキサーだね」
「これほどの魔道具を動かすための魔力はどうしているのでしょうか」
「あ、門に着いたよ」
「やっとか。デカいから距離感がわからなかったけど見えてから相当かかったぞ」
「ひごっどんの紹介状があるから大丈夫だよね」
「ええ、あちらから通れるはずです」
「ナチュラルに行列を無視」
「あ、立派な馬車が停まってるよ」
「なにやらもめてるな」
「……どこかの貴族がむりやり通ろうとしているそうです」
「粉砕する?」
「やめなさい」
「ちょっと排除してきますね」
「やめなさい」
『お待たせして申し訳ございません』
「いえ、なにか問題でしょうか?」
『ええ、大したことではありませんが、あそこに立ちふさがっている障害物を撤去するまでもう少々お待ちいただけるとありがたいです』
「障害物呼ばわり」
『もうすぐ烈火車が参りますので燃やし尽くして御覧に入れます』
「思ったよりやり方が激しい」
「乗ってる人はどうなるの?」
『すでに拘束して脇のどぶに放り込みました』
「なんかこの人怖い」
「あれをどかすだけでいいなら俺がやるよ」
『え? 動かせるんですか?』
「ちょっと待ってて」
「辰巳ならひょいっと持てるよね」
「タツ様の身体強化は見事ですね」
『うわ。すごい。人間?』
「これでいいか?」
『あ、はい。あの馬車は持ちぬし以外は運転できない仕組みでして。助かりました。どうぞまえへお進みください』
「すんなり通れそう」
「なんであの馬車は通れなかったんだろう?」
『ああ、あの障害物にお乗りになっていた荷物はこの都市から出入り禁止を命じられた悪徳商会とつながっていた追放貴族なんですよ』
「うわあ。いきなりすごい濃い情報」
『バリダカ・ティエンバイァーという名前は聞いたことないですか? 一族郎党残らず全国指名手配されてますから見つけ次第即処刑です。関わらないよう気を付けてくださいね』
「全然知らないけど既視感」
「指名手配されてるのによくこんなところにのこのこ現れたな」
『馬車に隠れて忍び込もうとしたようですが、こっちだってちゃんと透過魔道具で監視してますからね。バカなんじゃないですか?』
「なんかストレスあるのかな」
「ところでヌッカマッのフィグォルドさんから紹介された魔道具師のかたにお会いしたいのですが、どちらへ行けばよろしいでしょうか」
『ええ、とっくに連絡しときましたので、もうすぐお迎えがくるはずです。その辺でもう少しお待ちください』
「ありがとうございます」
「丁寧ではあるんだけど、ところどころ壊れてる」
「ちゃんと仕事はしてくれてるから気にするな」
「よくわからないけど全部魔道具なの?」
「冷蔵魔道具とか保温魔道具とか火焔炙り魔道具とか粉砕攪拌魔道具とかいろいろあるな」
「食べ物も結構おいしい。オレはこのとぅ……とぅば……なんとかいう肉が好き」
「とぅばねるじとか言ってたな」
「テゥヴヮリゥミネグルズィですね。この辺の野鳥のようです」
「とぅば……」
「あきらめよう」
「このシャリシャリする飲み物?はいいですね」
「果物を凍らせて粉砕したものだな」
「ミキサーだね」
「これほどの魔道具を動かすための魔力はどうしているのでしょうか」
「あ、門に着いたよ」
「やっとか。デカいから距離感がわからなかったけど見えてから相当かかったぞ」
「ひごっどんの紹介状があるから大丈夫だよね」
「ええ、あちらから通れるはずです」
「ナチュラルに行列を無視」
「あ、立派な馬車が停まってるよ」
「なにやらもめてるな」
「……どこかの貴族がむりやり通ろうとしているそうです」
「粉砕する?」
「やめなさい」
「ちょっと排除してきますね」
「やめなさい」
『お待たせして申し訳ございません』
「いえ、なにか問題でしょうか?」
『ええ、大したことではありませんが、あそこに立ちふさがっている障害物を撤去するまでもう少々お待ちいただけるとありがたいです』
「障害物呼ばわり」
『もうすぐ烈火車が参りますので燃やし尽くして御覧に入れます』
「思ったよりやり方が激しい」
「乗ってる人はどうなるの?」
『すでに拘束して脇のどぶに放り込みました』
「なんかこの人怖い」
「あれをどかすだけでいいなら俺がやるよ」
『え? 動かせるんですか?』
「ちょっと待ってて」
「辰巳ならひょいっと持てるよね」
「タツ様の身体強化は見事ですね」
『うわ。すごい。人間?』
「これでいいか?」
『あ、はい。あの馬車は持ちぬし以外は運転できない仕組みでして。助かりました。どうぞまえへお進みください』
「すんなり通れそう」
「なんであの馬車は通れなかったんだろう?」
『ああ、あの障害物にお乗りになっていた荷物はこの都市から出入り禁止を命じられた悪徳商会とつながっていた追放貴族なんですよ』
「うわあ。いきなりすごい濃い情報」
『バリダカ・ティエンバイァーという名前は聞いたことないですか? 一族郎党残らず全国指名手配されてますから見つけ次第即処刑です。関わらないよう気を付けてくださいね』
「全然知らないけど既視感」
「指名手配されてるのによくこんなところにのこのこ現れたな」
『馬車に隠れて忍び込もうとしたようですが、こっちだってちゃんと透過魔道具で監視してますからね。バカなんじゃないですか?』
「なんかストレスあるのかな」
「ところでヌッカマッのフィグォルドさんから紹介された魔道具師のかたにお会いしたいのですが、どちらへ行けばよろしいでしょうか」
『ええ、とっくに連絡しときましたので、もうすぐお迎えがくるはずです。その辺でもう少しお待ちください』
「ありがとうございます」
「丁寧ではあるんだけど、ところどころ壊れてる」
「ちゃんと仕事はしてくれてるから気にするな」
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説

俺だけ皆の能力が見えているのか!?特別な魔法の眼を持つ俺は、その力で魔法もスキルも効率よく覚えていき、周りよりもどんどん強くなる!!
クマクマG
ファンタジー
勝手に才能無しの烙印を押されたシェイド・シュヴァイスであったが、落ち込むのも束の間、彼はあることに気が付いた。『俺が見えているのって、人の能力なのか?』
自分の特別な能力に気が付いたシェイドは、どうやれば魔法を覚えやすいのか、どんな練習をすればスキルを覚えやすいのか、彼だけには魔法とスキルの経験値が見えていた。そのため、彼は効率よく魔法もスキルも覚えていき、どんどん周りよりも強くなっていく。
最初は才能無しということで見下されていたシェイドは、そういう奴らを実力で黙らせていく。魔法が大好きなシェイドは魔法を極めんとするも、様々な困難が彼に立ちはだかる。時には挫け、時には悲しみに暮れながらも周囲の助けもあり、魔法を極める道を進んで行く。これはそんなシェイド・シュヴァイスの物語である。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

チートを貰えなかった落第勇者の帰還〜俺だけ能力引き継いで現代最強〜
あおぞら
ファンタジー
主人公小野隼人は、高校一年の夏に同じクラスの人と異世界に勇者として召喚される。
勇者は召喚の際にチートな能力を貰えるはずが、隼人は、【身体強化】と【感知】と言うありふれた能力しか貰えなかったが、しぶとく生き残り、10年目にして遂に帰還。
しかし帰還すると1ヶ月しか経っていなかった。
更に他のクラスメイトは異世界の出来事など覚えていない。
自分しか能力を持っていないことに気付いた隼人は、この力は隠して生きていくことを誓うが、いつの間にかこの世界の裏側に巻き込まれていく。
これは異世界で落ちこぼれ勇者だった隼人が、元の世界の引き継いだ能力を使って降り掛かる厄介ごとを払い除ける物語。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる