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第42話 ヒトヘドリン
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「ミルヘドリンさん、ちわー。ヒトちゃんこれがミルヘドリンだよ」
「ぷるぷるして……お互いに接触してるな」
「ヒトちゃん、ヒトモドキとミルヘドリンは親戚なの?」
「ちょっと斜めになってるな。首傾げてる?」
「ミルヘドリンさんにも質問してみよ。ヒトモドキのことなにか知ってる?」
「地面をぺちぺちしてるぞ」
「知ってるはこっち、知らないはこっちぺちぺちして」
「知らないか」
「初対面だもんね」
「がう」
「チョコちゃんはわかるの?」
「ぐる」
「ミルヘドリンはボー乳を飲まないでほかのものを食べたらどうなるのって?」
「ミルヘドリンに変なもの食べさせたっけボー乳の味が悪くなっからよお、ボー乳だけにしてるだ」
「味が混ざっちゃうのか。確かに虫とか泥とか食べた後だと抵抗あるよな」
「ボー乳以外も食べれるの?」
「食べれるみたいだな」
「ボー乳が好きなの?」
「迷ってるな」
「ほかのものも食べたい?」
「食べたいみたいだな」
「ヒトちゃんはあの草以外のものは食べるの?」
「食べるみたいだな」
「基本的に雑食なんだね」
「スラはきれいな水で育つらしいし、食べ物によって変わるのかな?」
「そのヒトモドキとやらにボー乳を飲ませてみたらどうだ?」
「ヒトちゃんが飲みたければ飲んでいいよ」
「飲んでみたいみたいだな」
「面白そうだからよ、そこの桶一杯くらいなら飲ましてもいいべ」
「ありがとう、三郎太さん」
「ぼ~~っとしてるの~?」
「ボーっとしてるのは母さんだよ」
「お? ヒトモドキがボー乳を試してるよ」
「勇者様、あれかわいいわ」
「姫さまのほうがかわいいよ」
「勇者様」
「姫さま」
「なんか始まったぞ。勇者に状態異常が効かないってうそだよな。もうかかってるから効かないだけだろ」
「こちらに召喚された瞬間からこれでしたからね」
「むしろ辰巳のお母さんのほうが魅了持ってなかったっけ?」
「なにかに活用されてる気がしない」
「ヒトモドキが飲み終わったぞ」
「ん? なんか酔っぱらってるみたいだ」
「ヒトちゃんおいしかった?」
「おいしいみたいだな」
「めっちゃにょんにょんしてる」
「はえ~、ボー乳を飲んだっけ見た目がミルフェドゥリィムさそっくりになったなあ」
「ミルヘドリンと仲良くなってる」
「やっぱり仲間なんじゃないか?」
「逆にミルヘドリンはヒトモドキみたいに形を変えられるのかな?」
「そういえばスラヘドリンも生まれたばかりなら麻痺毒がないって言ってたけど、逆にいえば育ちかたによって麻痺毒ができるってことだよな」
「ミルヘドリンさん、うにょーんってやってみて」
「お、がんばってる」
「ヒトモドキがヘドリン属かもしれない仮説が本当だったらヒトヘドリンって呼んだほうがいいかもね」
「なんかこの状態から練習してヒトモドキになるんだと思うとかなりがんばってるんじゃない?」
「本当にそうだとすると擬態のうまいヒトモドキほど長い間がんばって身に付けたということになりますね。簡単に討伐していましたけど……」
「おおお、俺はなにもわかってない、なにも知らない……」
「なんかまた落ち込んでるけど、ネコさんは魔物のなにを研究してるの?」
「魔物を討伐してバラバラに切り刻んでそれを観察するんだ」
ザッと音を立ててほぼ全員が距離をとった。
「みなさま、ネクォンダリィは確かに魔物オタクで変態でザンネンな男ですが、決して残忍な趣味を持っているわけではありませんよ。この世界では魔物の素材を研究して役立てることは重要な仕事なのです」
「あー、なるほど。実用的にはそういう研究が必要なのか」
「ボーやスラフェドゥリィムのように飼育されている魔物については必要な範囲で研究されてはいますが、ほとんどの魔物についてはなにも詳しいことはわかっていません」
「研究されているものでも実用的な研究に限定されていて、本来の生態などは対象外なのだな。ほかの魔物に関しては研究すらされていないと」
「確かにトリさんに教えてもらったのも街道で出会う魔物の対処法とかで、魔物自体の情報は全然なかったな。ほかも薬や料理の材料になるとか実用的な情報だった。優先的にそういう情報をくれたのかと思ってたけど、そもそも研究が進んでなかったのか」
「ヒトモドキの皮の利用法とかそういう研究は進んでいるんだが、ヒトモドキとはなにかなんて考えたこともなかった……なにも知らなかった……」
「ネコさんはなんで魔物が好きなの?」
「兄貴が倒した魔物を観察するのが好きで、討伐に連れていってもらったりしてるうちに自分も冒険者になっていろいろ研究してたら兄貴の役に立てると思って、兄さまはどんな魔物でもスパスパ斬って倒せるしすごいんだかっこいいしやさしいしこないだも……」
「重度のブラコンをこじらせた結果だった」
「うわぁ……このようにザンネンな変態ですが、悪い人間ではないはずですのでご安心ください」
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「ぷるぷるして……お互いに接触してるな」
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「ちょっと斜めになってるな。首傾げてる?」
「ミルヘドリンさんにも質問してみよ。ヒトモドキのことなにか知ってる?」
「地面をぺちぺちしてるぞ」
「知ってるはこっち、知らないはこっちぺちぺちして」
「知らないか」
「初対面だもんね」
「がう」
「チョコちゃんはわかるの?」
「ぐる」
「ミルヘドリンはボー乳を飲まないでほかのものを食べたらどうなるのって?」
「ミルヘドリンに変なもの食べさせたっけボー乳の味が悪くなっからよお、ボー乳だけにしてるだ」
「味が混ざっちゃうのか。確かに虫とか泥とか食べた後だと抵抗あるよな」
「ボー乳以外も食べれるの?」
「食べれるみたいだな」
「ボー乳が好きなの?」
「迷ってるな」
「ほかのものも食べたい?」
「食べたいみたいだな」
「ヒトちゃんはあの草以外のものは食べるの?」
「食べるみたいだな」
「基本的に雑食なんだね」
「スラはきれいな水で育つらしいし、食べ物によって変わるのかな?」
「そのヒトモドキとやらにボー乳を飲ませてみたらどうだ?」
「ヒトちゃんが飲みたければ飲んでいいよ」
「飲んでみたいみたいだな」
「面白そうだからよ、そこの桶一杯くらいなら飲ましてもいいべ」
「ありがとう、三郎太さん」
「ぼ~~っとしてるの~?」
「ボーっとしてるのは母さんだよ」
「お? ヒトモドキがボー乳を試してるよ」
「勇者様、あれかわいいわ」
「姫さまのほうがかわいいよ」
「勇者様」
「姫さま」
「なんか始まったぞ。勇者に状態異常が効かないってうそだよな。もうかかってるから効かないだけだろ」
「こちらに召喚された瞬間からこれでしたからね」
「むしろ辰巳のお母さんのほうが魅了持ってなかったっけ?」
「なにかに活用されてる気がしない」
「ヒトモドキが飲み終わったぞ」
「ん? なんか酔っぱらってるみたいだ」
「ヒトちゃんおいしかった?」
「おいしいみたいだな」
「めっちゃにょんにょんしてる」
「はえ~、ボー乳を飲んだっけ見た目がミルフェドゥリィムさそっくりになったなあ」
「ミルヘドリンと仲良くなってる」
「やっぱり仲間なんじゃないか?」
「逆にミルヘドリンはヒトモドキみたいに形を変えられるのかな?」
「そういえばスラヘドリンも生まれたばかりなら麻痺毒がないって言ってたけど、逆にいえば育ちかたによって麻痺毒ができるってことだよな」
「ミルヘドリンさん、うにょーんってやってみて」
「お、がんばってる」
「ヒトモドキがヘドリン属かもしれない仮説が本当だったらヒトヘドリンって呼んだほうがいいかもね」
「なんかこの状態から練習してヒトモドキになるんだと思うとかなりがんばってるんじゃない?」
「本当にそうだとすると擬態のうまいヒトモドキほど長い間がんばって身に付けたということになりますね。簡単に討伐していましたけど……」
「おおお、俺はなにもわかってない、なにも知らない……」
「なんかまた落ち込んでるけど、ネコさんは魔物のなにを研究してるの?」
「魔物を討伐してバラバラに切り刻んでそれを観察するんだ」
ザッと音を立ててほぼ全員が距離をとった。
「みなさま、ネクォンダリィは確かに魔物オタクで変態でザンネンな男ですが、決して残忍な趣味を持っているわけではありませんよ。この世界では魔物の素材を研究して役立てることは重要な仕事なのです」
「あー、なるほど。実用的にはそういう研究が必要なのか」
「ボーやスラフェドゥリィムのように飼育されている魔物については必要な範囲で研究されてはいますが、ほとんどの魔物についてはなにも詳しいことはわかっていません」
「研究されているものでも実用的な研究に限定されていて、本来の生態などは対象外なのだな。ほかの魔物に関しては研究すらされていないと」
「確かにトリさんに教えてもらったのも街道で出会う魔物の対処法とかで、魔物自体の情報は全然なかったな。ほかも薬や料理の材料になるとか実用的な情報だった。優先的にそういう情報をくれたのかと思ってたけど、そもそも研究が進んでなかったのか」
「ヒトモドキの皮の利用法とかそういう研究は進んでいるんだが、ヒトモドキとはなにかなんて考えたこともなかった……なにも知らなかった……」
「ネコさんはなんで魔物が好きなの?」
「兄貴が倒した魔物を観察するのが好きで、討伐に連れていってもらったりしてるうちに自分も冒険者になっていろいろ研究してたら兄貴の役に立てると思って、兄さまはどんな魔物でもスパスパ斬って倒せるしすごいんだかっこいいしやさしいしこないだも……」
「重度のブラコンをこじらせた結果だった」
「うわぁ……このようにザンネンな変態ですが、悪い人間ではないはずですのでご安心ください」
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