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that day
紗羅
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世界が終わるかもしれない最後の日、それは何の変哲もない1日だった。
いつもと同じ時間に起きて朝食の支度をする。
家族を起こす前に貴哉とのやりとりを確認するけれど、送ったメッセージに既読は付いていても返信は無かった。
いつもと変わらないルーティーンで家事をこなし、時間が過ぎるのを待つだけの1日。
テレビではどこかで小さな変化が起きたとか、変化が起きていないとか言っているけれど、正直馬鹿みたいだとしか思えない。世界が終わるわけはないし、もしも本当に【終わる】のならそれも仕方ないだろう。
【終わる】のなら何を心配する必要があるのだろう。終わってしまうのならばその先のことを心配する必要もない。
だって、終わってしまえばその先にあるのはきっと【無】なのだから。
スマホばかり気にしていて家族に変に思われるのも面倒で通知が入った時にだけ貴哉とのメッセージを確認するけれど、私が送ったメッセージに既読はついているものの返信は無いままだった。
夫は普段の休日と変わらずマイペースに自分のやりたいことをやりながら紗柚のことを見守っている。話しかけられれば答え、誘われれば一緒にゲームをして、そこに私が入る余地はないように見える。
男の子だから女親よりも男親の方が気安いのだろう。
夫が紗柚のことを気にかけていてくれれば私は自由に過ごせるため、夕飯の仕込みを終えると庭に出た。
田舎のそれなりに良い家のそれなりに広い庭はひとりで過ごすにはちょうど良くて、縁側に腰掛けてスマホを開く。
相変わらず既読のつかないメッセージの意味を考え、家族に遠慮しているのだと解釈する。貴哉だって本当は私の側で過ごしたいのに我慢しているのだから、私だって我慢するしかない。
いっその事、あの日、あの時、貴哉と過ごしたあの日に、貴哉と身体を重ねているあの時に世界が終わればどれだけ幸せだっただろう。
そっと下腹に手を当てて、まだ残っているであろう貴哉の残滓が実れば良いのにと考えてしまう。
紗柚のことは大切に思っている。
自分がお腹で育て、痛い思いをして産んだのだから当たり前のことだろう。
夫のことは異性として魅力を感じることはないけれど、家族としては悪くないと思っている。優しいし、気遣いは細かいし、紗柚のことも大切にしてくれる。
もしも夫に異性としても魅力があれば、いずれは貴哉のことを思い出すことなくなったかもしれない。
夫がもっと異性として魅力があれば、夫との子どもがまた欲しいと思うことができたかもしれない。
だけど紗柚が産まれてから共に過ごした時間は穏やか過ぎて【家族】としてみることはできても【異性】として意識することはできなくなってしまった。
出産後に完全にセックスレスになる家庭は30%程と見たことがあるから珍しいことではないのだろうけれど、ふとした拍子に淋しく思ってしまう。
どこで間違えたのかなんて分かってる。
貴哉に寄り添うことなく夫を選んだこと。
夫との行為がマニュアル通り過ぎて自分の望むタイミングでしか行為を許さなかったこと。
産後に行為をしたい気持ちを抑えきれず夫に避妊処置を促したこと。
私の身勝手な行動が現状を作り出したんだ。
そして、最大の過ちは貴哉に未練を残し、貴哉に寄り添う紗凪が許せなくてふたりの邪魔をするために夫と紗柚を悪く言ったこと。
本来なら紗柚に寄り添うべき時間を貴哉のために使い、それだけでなく貴哉との子どもを願ってしまう私は母としても妻としても失格なのだろう。
だけど、貴哉と過ごした時間を後悔してはいない。
「世界なんて終わればいいのに」
世界が終わらなければ、明日からはまた変わり映えのない毎日が続いていくのだろう。
朝起きて、毎日変わらないルーティーンを繰り返すことが嫌なわけじゃない。だけど、自分で選んでおきながら一緒に過ごす相手が貴哉ではないことが淋しいと思ってしまう。
もしもあの時、貴哉と共に過ごすことを選んでいたら。
可能性に賭けて貴哉との未来を選んでいたら望むものを手に入れられなくても満たされた生活を送ることができていたかもしれない。
私が欲しくて仕方がなかった汐勿の肩書きは、手に入れてしまった途端に色褪せてしまった。
貴哉の手を離してまで掴んだものは平凡な毎日で、安定はしているけれどそれだけ。
穏やかに過ごすことができることが、平凡で平穏であることが幸せなのだと分かっていても、隣にいる相手がどうして貴哉ではないのかと思ってしまう。
知らなければ諦められたのに。
紗凪の隣で幸せそうな顔を見せる貴哉が許せなかった。
貴哉の隣で幸せそうに笑う紗凪が許せなかった。
貴哉の隣に立つのが私じゃないことが許せなかった。
夫が嫌いなわけじゃない。
紗柚のことだって大切に思ってはいる。
だけど、私が欲しかったのはコレじゃなかったのだと今更ながらに気付いてしまった。
既読は付いたものの、返信のないままのメッセージをもう一度確認して夫と紗柚の元に戻る。
本当は貴哉の元に行きたいけれど、それは許されないことだから。
唯一の救いは最後の時が来るとしても貴哉と紗凪が別々の場所でその時を迎えるということ。
私が手に入れられなかったものを紗凪が手に入れるだなんて、そんなことは許せないから。
もしも時間を戻すことができれば迷わず貴哉の手を取り、寄り添うことを選ぶのに。
貴哉と過ごした時間を思い出すとその声が、その熱さが蘇る。当たり前のように隣にあった貴哉の存在は、久しぶりの再会であってもすぐに馴染むもので、夫と過ごすよりも自然体でいられた。
帰ってきたくなかった。
ずっと一緒にいたかった。
私が欲しかったのは、汐勿ではなくて貴哉だったのだと気付かされてしまった。
「貴哉…」
一緒にいたいのに、一緒に終わりたかったのに、それなのに自分が選んだ誤りのせいで身動きが取れなくなってしまうなんて。
自然と涙が溢れそうになるけれど、それをグッと我慢する。
泣いて喚いて貴哉の元に行くことができたらいいのに。貴哉が私を攫いにきてくれたらいいのに。
そんなことは起こらないと分かっていても願ってしまう。
貴哉が私を攫い、あの部屋に連れ帰ってくれることを夢想した時にあの部屋で待つ紗凪を思い浮かべてしまい嫌な気分になる。
結局、全ては紗凪のせいだから。
紗凪がいなければ、紗凪が産まれてこなければこんなにも汐勿に執着しなかったのに。
紗凪が私の居場所を奪わなければ、今ここにいるのは貴哉だったのに。
「ざまあみろ」
あの部屋でひとり淋しく過ごす紗凪を思い浮かべて溜飲を下げる。そうでもしないと自分を保てないから。
もしも本当に最後になるのなら、貴哉と過ごすことができないのならひとりで終わるのもいいかもしれない。そんなことを考えるけれど、夫と紗柚の元に戻らないわけにはいかない。
深呼吸をして、貴哉への未練に蓋をして、紗凪を心の中で罵倒して自分を奮い立たせる。日付が変わるまでのあと数時間、家族に寄り添うしかないのだから。
部屋に戻り夫と紗柚の様子を見て夕飯の支度を始める。
結局はいつもと変わらない夜を過ごし、いつもと同じようにベッドに入る。
普段なら紗柚だけ先に寝室に向かうけれど、今夜は紗柚の希望で家族揃って寝室に入った。
「世界は終わったりしないよね?」
寝しなに眠そうな顔をしながら紗凪がそういうと「大丈夫だよ」と夫が優しく宥める。
「何かあったとしても、ちゃんと守るから」
そんなことを言う夫に「何もないからそんなこと言わないで」とつい言ってしまう。
終わるなら知らない間に、眠っている間に終わって欲しい。できれば貴哉の夢を見ながら幸せな気持ちのまま。
「また明日ね、おやすみ」
紗柚にそう声をかけて目を閉じる。
「隣にいるからね、おやすみ」
夫の声に紗柚が小さく返事を返し、やがて寝息が聞こえ始める。眠れないのは私だけで、ふたりを起こさないように何度も寝返りを打つ。
《終わらなかったね》
《紗羅、会えて嬉しかった》
《さようなら》
振動に気付きスマホを開くと目に入ったメッセージは貴哉からのもので、明らかに別れを告げるメッセージに涙を止めることができなかった。
気付けば日付は変わっていて、また退屈な毎日が続くのだと絶望する。
再び貴哉と過ごす時間が来ることがないと分かっていたけれど、別れを告げる言葉に動揺しながらも受け入れるしかないのだと自分に言い聞かせ、嗚咽が漏れないように枕に顔を埋める。
世界が終われば良かったのに。
貴哉の夢を見ながら終わりを迎えられたら幸せだったのに。
そっと下腹に手を当て、祈ってみる。
孕みますように。
もう一度会うための口実が実りますように。
紗凪から貴哉を取り戻すことができますように。
いつもと同じ時間に起きて朝食の支度をする。
家族を起こす前に貴哉とのやりとりを確認するけれど、送ったメッセージに既読は付いていても返信は無かった。
いつもと変わらないルーティーンで家事をこなし、時間が過ぎるのを待つだけの1日。
テレビではどこかで小さな変化が起きたとか、変化が起きていないとか言っているけれど、正直馬鹿みたいだとしか思えない。世界が終わるわけはないし、もしも本当に【終わる】のならそれも仕方ないだろう。
【終わる】のなら何を心配する必要があるのだろう。終わってしまうのならばその先のことを心配する必要もない。
だって、終わってしまえばその先にあるのはきっと【無】なのだから。
スマホばかり気にしていて家族に変に思われるのも面倒で通知が入った時にだけ貴哉とのメッセージを確認するけれど、私が送ったメッセージに既読はついているものの返信は無いままだった。
夫は普段の休日と変わらずマイペースに自分のやりたいことをやりながら紗柚のことを見守っている。話しかけられれば答え、誘われれば一緒にゲームをして、そこに私が入る余地はないように見える。
男の子だから女親よりも男親の方が気安いのだろう。
夫が紗柚のことを気にかけていてくれれば私は自由に過ごせるため、夕飯の仕込みを終えると庭に出た。
田舎のそれなりに良い家のそれなりに広い庭はひとりで過ごすにはちょうど良くて、縁側に腰掛けてスマホを開く。
相変わらず既読のつかないメッセージの意味を考え、家族に遠慮しているのだと解釈する。貴哉だって本当は私の側で過ごしたいのに我慢しているのだから、私だって我慢するしかない。
いっその事、あの日、あの時、貴哉と過ごしたあの日に、貴哉と身体を重ねているあの時に世界が終わればどれだけ幸せだっただろう。
そっと下腹に手を当てて、まだ残っているであろう貴哉の残滓が実れば良いのにと考えてしまう。
紗柚のことは大切に思っている。
自分がお腹で育て、痛い思いをして産んだのだから当たり前のことだろう。
夫のことは異性として魅力を感じることはないけれど、家族としては悪くないと思っている。優しいし、気遣いは細かいし、紗柚のことも大切にしてくれる。
もしも夫に異性としても魅力があれば、いずれは貴哉のことを思い出すことなくなったかもしれない。
夫がもっと異性として魅力があれば、夫との子どもがまた欲しいと思うことができたかもしれない。
だけど紗柚が産まれてから共に過ごした時間は穏やか過ぎて【家族】としてみることはできても【異性】として意識することはできなくなってしまった。
出産後に完全にセックスレスになる家庭は30%程と見たことがあるから珍しいことではないのだろうけれど、ふとした拍子に淋しく思ってしまう。
どこで間違えたのかなんて分かってる。
貴哉に寄り添うことなく夫を選んだこと。
夫との行為がマニュアル通り過ぎて自分の望むタイミングでしか行為を許さなかったこと。
産後に行為をしたい気持ちを抑えきれず夫に避妊処置を促したこと。
私の身勝手な行動が現状を作り出したんだ。
そして、最大の過ちは貴哉に未練を残し、貴哉に寄り添う紗凪が許せなくてふたりの邪魔をするために夫と紗柚を悪く言ったこと。
本来なら紗柚に寄り添うべき時間を貴哉のために使い、それだけでなく貴哉との子どもを願ってしまう私は母としても妻としても失格なのだろう。
だけど、貴哉と過ごした時間を後悔してはいない。
「世界なんて終わればいいのに」
世界が終わらなければ、明日からはまた変わり映えのない毎日が続いていくのだろう。
朝起きて、毎日変わらないルーティーンを繰り返すことが嫌なわけじゃない。だけど、自分で選んでおきながら一緒に過ごす相手が貴哉ではないことが淋しいと思ってしまう。
もしもあの時、貴哉と共に過ごすことを選んでいたら。
可能性に賭けて貴哉との未来を選んでいたら望むものを手に入れられなくても満たされた生活を送ることができていたかもしれない。
私が欲しくて仕方がなかった汐勿の肩書きは、手に入れてしまった途端に色褪せてしまった。
貴哉の手を離してまで掴んだものは平凡な毎日で、安定はしているけれどそれだけ。
穏やかに過ごすことができることが、平凡で平穏であることが幸せなのだと分かっていても、隣にいる相手がどうして貴哉ではないのかと思ってしまう。
知らなければ諦められたのに。
紗凪の隣で幸せそうな顔を見せる貴哉が許せなかった。
貴哉の隣で幸せそうに笑う紗凪が許せなかった。
貴哉の隣に立つのが私じゃないことが許せなかった。
夫が嫌いなわけじゃない。
紗柚のことだって大切に思ってはいる。
だけど、私が欲しかったのはコレじゃなかったのだと今更ながらに気付いてしまった。
既読は付いたものの、返信のないままのメッセージをもう一度確認して夫と紗柚の元に戻る。
本当は貴哉の元に行きたいけれど、それは許されないことだから。
唯一の救いは最後の時が来るとしても貴哉と紗凪が別々の場所でその時を迎えるということ。
私が手に入れられなかったものを紗凪が手に入れるだなんて、そんなことは許せないから。
もしも時間を戻すことができれば迷わず貴哉の手を取り、寄り添うことを選ぶのに。
貴哉と過ごした時間を思い出すとその声が、その熱さが蘇る。当たり前のように隣にあった貴哉の存在は、久しぶりの再会であってもすぐに馴染むもので、夫と過ごすよりも自然体でいられた。
帰ってきたくなかった。
ずっと一緒にいたかった。
私が欲しかったのは、汐勿ではなくて貴哉だったのだと気付かされてしまった。
「貴哉…」
一緒にいたいのに、一緒に終わりたかったのに、それなのに自分が選んだ誤りのせいで身動きが取れなくなってしまうなんて。
自然と涙が溢れそうになるけれど、それをグッと我慢する。
泣いて喚いて貴哉の元に行くことができたらいいのに。貴哉が私を攫いにきてくれたらいいのに。
そんなことは起こらないと分かっていても願ってしまう。
貴哉が私を攫い、あの部屋に連れ帰ってくれることを夢想した時にあの部屋で待つ紗凪を思い浮かべてしまい嫌な気分になる。
結局、全ては紗凪のせいだから。
紗凪がいなければ、紗凪が産まれてこなければこんなにも汐勿に執着しなかったのに。
紗凪が私の居場所を奪わなければ、今ここにいるのは貴哉だったのに。
「ざまあみろ」
あの部屋でひとり淋しく過ごす紗凪を思い浮かべて溜飲を下げる。そうでもしないと自分を保てないから。
もしも本当に最後になるのなら、貴哉と過ごすことができないのならひとりで終わるのもいいかもしれない。そんなことを考えるけれど、夫と紗柚の元に戻らないわけにはいかない。
深呼吸をして、貴哉への未練に蓋をして、紗凪を心の中で罵倒して自分を奮い立たせる。日付が変わるまでのあと数時間、家族に寄り添うしかないのだから。
部屋に戻り夫と紗柚の様子を見て夕飯の支度を始める。
結局はいつもと変わらない夜を過ごし、いつもと同じようにベッドに入る。
普段なら紗柚だけ先に寝室に向かうけれど、今夜は紗柚の希望で家族揃って寝室に入った。
「世界は終わったりしないよね?」
寝しなに眠そうな顔をしながら紗凪がそういうと「大丈夫だよ」と夫が優しく宥める。
「何かあったとしても、ちゃんと守るから」
そんなことを言う夫に「何もないからそんなこと言わないで」とつい言ってしまう。
終わるなら知らない間に、眠っている間に終わって欲しい。できれば貴哉の夢を見ながら幸せな気持ちのまま。
「また明日ね、おやすみ」
紗柚にそう声をかけて目を閉じる。
「隣にいるからね、おやすみ」
夫の声に紗柚が小さく返事を返し、やがて寝息が聞こえ始める。眠れないのは私だけで、ふたりを起こさないように何度も寝返りを打つ。
《終わらなかったね》
《紗羅、会えて嬉しかった》
《さようなら》
振動に気付きスマホを開くと目に入ったメッセージは貴哉からのもので、明らかに別れを告げるメッセージに涙を止めることができなかった。
気付けば日付は変わっていて、また退屈な毎日が続くのだと絶望する。
再び貴哉と過ごす時間が来ることがないと分かっていたけれど、別れを告げる言葉に動揺しながらも受け入れるしかないのだと自分に言い聞かせ、嗚咽が漏れないように枕に顔を埋める。
世界が終われば良かったのに。
貴哉の夢を見ながら終わりを迎えられたら幸せだったのに。
そっと下腹に手を当て、祈ってみる。
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